大阪府堺市の市立小学校で、発達障害のある女子児童がいじめを受け、不登校や転校を余儀なくされたとして、母親らが堺市に損害賠償を求めた裁判で、大阪高裁は7月9日、原告側の控訴を棄却した。
大阪高裁は、1審の大阪地裁堺支部判決を支持。教師らが児童の特性を考慮し、専門家の助言を受けながら対応していたと判断した。
原告側は、学校側が発達障害の特性を踏まえた支援を十分に行わず、いじめ防止や再発防止の対応も不十分だったと主張していた。
小学3〜4年時にいじめ被害を訴え
訴状や堺市の第三者委員会報告書などによると、堺市内在住の10代女性は、市立小学校に通っていた2018年から2019年ごろ、同級生からいじめを受けたとされる。
交換ノートの名前を塗りつぶされたり、靴に小石を入れられたりする被害があったとされ、女性はその後、不登校となり、転校した。
女性は2017年にADHDと診断されており、対人関係に課題を抱えていた。原告側は、学校側がこうした特性を踏まえた対応を取らなかったとして、堺市などに計165万円の損害賠償を求めていた。
1審に続き、市側の対応を認める判断
同級生側とは2024年に和解が成立している。一方、堺市とは学校側の対応をめぐって争いが続いていた。
大阪地裁堺支部は2025年9月の1審判決で、教師らが児童の発達障害の特性を考慮し、いじめの調査や再発防止措置を取っていたとして、原告側の請求を棄却した。
大阪高裁も7月9日の判決で、教師らが専門家の指導・助言を受けながら対応していたと認定。1審判決を支持し、原告側の控訴を退けた。
母親は「納得できない」 上告を検討
判決後、女性の母親は取材に対し、「判決は到底納得できない。障害者教育に対する司法の理解を深めてほしい」と話した。
原告側は、今回の大阪高裁判決を不服として、最高裁への上告を検討する方針を示している。
上告に踏み切るかどうかが、今後の大きな焦点となる。
堺市教委「安心して過ごせる環境づくりに取り組む」
堺市教育委員会は判決を受け、「判決内容を真摯に受け止め、学校が安心して過ごせる環境づくりに取り組む」とコメントした。
今回の判決では、学校側の対応に違法性は認められなかった。ただ、原告側はなお不服を示しており、発達障害のある児童への支援や、いじめ対応のあり方をめぐる議論は今後も続く可能性がある。
編集部まとめ
大阪府堺市の市立小学校で、発達障害のある女子児童がいじめを受けたとして母親らが堺市に損害賠償を求めた裁判で、大阪高裁は7月9日、原告側の控訴を棄却した。1審に続き、教師らが専門家の助言を受けながら対応していたと判断し、市側勝訴を維持した。原告側は判決を不服として、最高裁への上告を検討している。
現時点で分かっていること
大阪高裁は7月9日、堺市の市立小学校で発達障害のある女子児童がいじめを受けたとして、母親らが堺市に損害賠償を求めた裁判で、原告側の控訴を棄却した。1審に続き、教師らが児童の特性を考慮し、専門家の助言を受けながら対応していたと判断した。原告側は判決を不服として、最高裁への上告を検討している。
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