新潟県立新潟工業高校の柔道部で起きた男子生徒の死亡問題を受け、同じ学校で10年前に長男を亡くした父親が、新潟県議会で再発防止を訴えた。
新潟市西区の佐々木正さんは7月9日、新潟県議会総務文教委員会で口頭陳情を行い、部活動での過度な指導や学校側の管理体制について、県教育委員会による継続的な検証を求めた。
佐々木さんの長男は2016年11月、当時高校1年生だった新潟工業高校でいじめを受け、自ら命を絶った。今回、同じ新潟工業高校の柔道部で2024年6月に男子生徒が死亡し、第三者委員会が「指導死」と認定したことを受け、佐々木さんは「同じ学校で二度と悲劇が起きないよう、抜本的な改善が必要」と訴えた。
第三者委員会は2026年4月に報告書を公表
2024年6月に県立高校の柔道部に所属していた男子生徒が死亡した問題をめぐっては、新潟県教育委員会の第三者委員会が2026年4月27日、調査報告書を公表した。
報告書では、柔道部顧問による大声での指導や度重なる叱責などが、生徒の心理的負担を高めた主な契機だったとされ、「指導死」と認定された。新潟県内の学校で「指導死」と認定されたのは初めてと報じられている。
また、第三者委員会は、顧問個人の指導だけでなく、学校側の管理体制についても問題を指摘した。柔道部の運営が外部から見えにくい状態になっていたことや、学校側が指導状況を十分に把握できていなかった点が課題として挙げられている。
佐々木さん「提言が現場で生かされているか検証を」
佐々木さんは県議会での陳情で、突然子どもを失った遺族の苦しみに触れたうえで、第三者委員会の提言が学校現場で実際に生かされているかを検証する必要があると述べた。
特に、過去に重大事案があった学校で再び生徒の命に関わる問題が起きたことについて、県教委や学校側が再発防止策をどこまで具体化しているのか、継続的に確認するよう求めた。
陳情では、部活動指導の在り方だけでなく、管理職による把握、相談体制、外部の目が入る仕組みなどについても、実効性ある改善が必要だと訴えた。
県教委は実態調査と校長研修を実施へ
県教育委員会は第三者委員会の報告書を受け、遺族に謝罪したうえで、再発防止に取り組む方針を示している。
報道によると、県教委は5月に臨時校長研修会を開き、県立高校や中等教育学校などの校長に対して、部活動指導の適正化に向けた対応を説明した。県保健体育課は、部活動経験のある県立高校の生徒や保護者を対象に、無記名のオンライン実態調査を行う方針も示している。
調査では、部活動での指導実態や相談しにくい状況がなかったかを確認し、必要に応じて相談窓口につなげる考えだという。
今後は再発防止策の実効性が焦点
今回の県議会での陳情を受け、今後の焦点は、第三者委員会の報告書で示された提言が実際の学校運営に反映されるかどうかに移る。
部活動での指導方法、管理職による監督体制、相談窓口の周知、外部からのチェック体制などについて、県教委がどのような形で改善状況を確認し、県民に説明していくかが問われる。
佐々木さんは、同じ学校で二度と命に関わる重大事案を起こさないよう、県教委と学校側に対し、継続的な検証と具体的な再発防止策を求めている。
編集部まとめ
新潟工業高校の柔道部で2024年6月に男子生徒が死亡した問題では、第三者委員会が2026年4月に調査報告書を公表し、顧問による行き過ぎた指導が主な契機だったとして「指導死」と認定した。7月9日には、2016年に同じ学校で長男を亡くした佐々木正さんが新潟県議会で口頭陳情を行い、第三者委員会の提言が現場で生かされているかを検証するよう求めた。県教委には、実態調査や校長研修にとどまらず、改善策の実施状況を継続的に確認する対応が求められる。
特記事項:本記事は、新潟県議会での口頭陳情に関する情報、第三者委員会の調査報告書に関する各社報道、新潟県教育委員会の対応に関する公開情報を基に構成しています。自死に関する詳細な方法等には触れず、再発防止と学校管理体制の検証を中心に報じています。今後、県教委や学校側の追加説明が確認され次第、内容を更新する可能性があります。
週刊TAKAPI編集部/成田
現時点で分かっていること
新潟県立新潟工業高校の柔道部で2024年6月に男子生徒が死亡した問題では、第三者委員会が2026年4月に調査報告書を公表し、顧問による行き過ぎた指導が主な契機だったとして「指導死」と認定した。7月9日には、2016年に同じ学校で長男を亡くした佐々木正さんが新潟県議会で口頭陳情を行い、第三者委員会の提言が現場で生かされているかを検証するよう求めた。県教委は臨時校長研修会や部活動指導に関する実態調査を進める方針を示しており、今後は再発防止策が現場で実行されるかが焦点となる。
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