【徳島】“白いシビック”が執拗追跡 SNS騒然のあおり運転、63歳男逮捕 免停直後にもハンドルを握ったか

徳島市内で白い車による悪質なあおり運転をした疑いで63歳の男が逮捕された事件を伝える週刊誌風報道アイキャッチ

救急車を先に通すため、前の車が速度を落とした。

本来なら、誰もが静かに道を譲る場面だ。ところが、その直後だった。後方から白い車が急接近し、けたたましいクラクションを鳴らし始めた。

さらに前方へ回り込み、進路を塞ぐように急停止。逃れようとする車を追い続け、最後は運転手が車外へ降りて近づいてきたという。

徳島市内で今年3月に起きた、悪質な「あおり運転」。一部始終を記録したドライブレコーダー映像はSNSで拡散され、白いスポーツカーの執拗な動きに批判が殺到した。

徳島県警は7月9日、小松島市に住む農業の63歳の男を、道路交通法違反の妨害運転容疑で逮捕した。

さらに男は、その前日にも無免許運転の疑いで現行犯逮捕されていた。免許停止処分を受けた直後だったとされる。

救急車に道を譲っただけなのに、突然始まった追跡

事件が起きたのは2026年3月、徳島市内の道路だった。

被害男性が運転する車は、接近してきた救急車を先に通すため一時的に停車。その後、再び走り出そうとしたところ、後方の白い車から激しいクラクションを浴びせられた。

男性にとっては、なぜ鳴らされているのかさえ分からない状況だったという。

しかし白い車は、単に不満を示しただけでは終わらなかった。被害車両へ急接近し、前方へ割り込むと、進路を塞ぐように減速と停止を繰り返した疑いが持たれている。

被害男性が距離を取ろうとしても、相手は速度を上げて追ってきた。

逃げ切れないと感じた男性は、最終的に車を止めるしかなかったとされる。道路上で突然、見知らぬ運転手に追い詰められる恐怖。映像には、単なる運転マナーの悪さでは片付けられない異様な執着が残されていた。

車から降り、被害車両へ接近

白い車の運転手は、被害車両を停車させた後、車外へ出て近づいてきたという。

密閉された車内にいても、相手が怒鳴りながら迫ってくれば逃げ場はない。後続車が来れば追突事故が起きる可能性もあり、被害者だけでなく周囲の車両まで巻き込みかねない状況だった。

被害男性は後に、無理に逃げようとしても相手の車の速度が上回り、覚悟を決めて止まったとの趣旨を語っている。

あおり運転は、一瞬の怒りが重大事故へ直結する。高速で動く車を使い、相手の進路を奪う行為は、道路上での威圧そのものだ。

“白いシビック”の映像がSNSで一気に拡散

事件の映像がSNSへ投稿されると、瞬く間に拡散した。

映っていたのは、白いホンダ・シビックタイプRとみられる車両。車間距離を極端に詰める追尾、幅寄せ、前方へ回り込んだ後の急ブレーキなど、見る側が息をのむような危険な場面が共有された。

投稿は数万回規模で閲覧され、同じ車とみられる別の映像も次々と掘り起こされた。

「いつか大事故になる」

「なぜ警察はすぐに動かないのか」

ネット上では、危険運転そのものへの怒りに加え、捜査の進み方を疑問視する声も強まった。

6月には徳島県議会でも問題が取り上げられ、県警側は必要な措置を講じているとの趣旨を説明したが、個別事件を理由に詳しい捜査内容は明らかにしなかった。

結果として、沈黙する警察と、過熱するSNSという構図が生まれた。

免停を受けた直後、今度は無免許運転か

捜査が大きく動いたのは7月8日だった。

男は交通違反の累積によって免許停止処分を受けたにもかかわらず、その直後に軽乗用車を運転した疑いで現行犯逮捕された。

免許を止められた直後にもハンドルを握ったとされる行動は、捜査関係者だけでなく、事件を追っていたネット利用者にも衝撃を与えた。

県警は、SNS上で拡散されていたあおり運転動画の運転手と同一人物とみて捜査を継続。翌9日、3月の妨害運転容疑で逮捕した。

男は無免許運転について認めているとされる。妨害運転についての詳しい供述や動機は、現時点で明らかになっていない。

一件だけではないのか 浮上する“常習性”への疑念

SNS上には、今回立件された事件以外にも、同じ白い車とみられる危険運転映像が投稿されている。

後続車へ急接近する場面、幅寄せを繰り返す場面、追い越した直後にブレーキを踏む場面。中には、大型車を巻き込めば重大事故になりかねない運転を記録したとする投稿もあった。

ただし、それらすべてが逮捕された男によるものかは確認されていない。

車種や色が同じというだけで断定することはできず、警察は撮影時刻、ナンバー、車両の所有関係、映像に残る人物の特徴などを一つずつ照合する必要がある。

今後の焦点は、今回の事件が偶発的な一件だったのか、それとも同様の運転を繰り返していたのかという点だ。

SNSが警察を動かしたのか、それとも捜査を難しくしたのか

今回の事件では、ドラレコ映像の拡散が社会的な注目を集め、警察対応を求める圧力につながった面は否定できない。

一方で、ネット上では男とされる人物の氏名、住所、職業、家族情報までが真偽不明のまま出回った。

危険運転を告発することと、個人を私的に制裁することは別問題だ。誤認があれば、無関係な人物に取り返しのつかない被害が及ぶ。

映像を公開する前に、まず警察へ元データを提出する。ナンバーや周囲の人物を無加工で拡散しない。怒りの勢いで個人情報を共有しない。

SNS時代の交通事件では、被害を伝える側にも冷静な判断が求められている。

「腹が立った」では済まされない道路上の暴力

あおり運転は、単なる運転トラブルではない。

車間距離を詰める、幅寄せする、急ブレーキをかける、クラクションを執拗に鳴らす。こうした行為は、相手を恐怖で支配し、判断を誤らせる。

一歩間違えば、被害車両が歩道へ突っ込むことも、後続車が追突することもある。道路上では、無関係の家族や子どもまで巻き込まれる。

今回、被害男性は「落ち着いて走った方が、結局は時間の無駄がない。あおり運転はなくなってほしい」と訴えた。

怒りをぶつけた側より、冷静に耐えた側の言葉の方が重い。

県警は、SNSで拡散されたほかの映像との関連や、男が別の車を使って同様の行為をしていなかったかについても慎重に調べるとみられる。

特記事項:本記事は、徳島県警の発表およびJRT四国放送、徳島新聞などの報道を基に構成しています。SNS上の投稿や人物情報には未確認の内容が含まれるため、警察が確認していない情報は断定していません。

週刊TAKAPI編集部/成田

Q:徳島のあおり運転事件はいつ、どこで起きましたか?
A: 事件は2026年3月、徳島市内の道路で発生しました。被害車両が救急車を通すために停車した後、白い車が後方から接近し、クラクションや割り込み、急停止などを繰り返した疑いが持たれています。

Q:逮捕された63歳の男には、どのような容疑がかけられていますか?
A: 徳島県警は、小松島市に住む農業の63歳の男を、道路交通法違反の妨害運転容疑で逮捕しました。前を走る車の進路を塞ぎ、交通上の危険を生じさせた疑いが持たれています。

Q:男はなぜ無免許運転でも逮捕されたのですか?
A: 男は7月8日、免許停止処分を受けた直後に軽乗用車を運転したとして、無免許運転の疑いで現行犯逮捕されました。その翌日に、3月のあおり運転事件で追加逮捕されています。

Q:SNSで拡散された動画は捜査に影響しましたか?
A: 被害車両のドライブレコーダー映像が警察へ提出され、重要な捜査資料になったとみられます。動画はSNSでも広く拡散され、事件への注目が高まっていました。

Q:警察は今後、何を調べるのですか?
A: 警察は、SNS上で拡散されたほかの危険運転動画との関連、同様のあおり運転を繰り返していなかったか、使用車両や余罪の有無などを調べるとみられます。

徳島・SNS拡散あおり運転事件の要点

徳島県警は2026年7月9日、徳島市内で前方車両に急接近し、割り込みや急停止などのあおり運転をした疑いで、小松島市に住む農業の63歳の男を道路交通法違反の妨害運転容疑で逮捕した。

事件は同年3月に発生し、白い車による危険運転を記録したドライブレコーダー映像がSNSで拡散されていた。男は前日の7月8日、免許停止処分を受けた直後に軽乗用車を運転したとして、無免許運転容疑でも現行犯逮捕されている。

警察は、SNS上に投稿されたほかの危険運転動画との関連や、同様の行為を繰り返していなかったか、余罪の有無を調べるとみられる。

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