茨城県立こども病院(水戸市)は7月17日、看護師が患者の写真を無断で撮影し、SNSへ投稿していた個人情報漏えい事案があったと発表した。
病院によると、看護師は2024年9月、誕生日を迎えた患者と同僚看護師を私用スマートフォンで撮影し、インスタグラムのストーリーズへ投稿した。
ストーリーズは24時間で消える機能だが、投稿は最大8人が閲覧できる状態だったという。
今年5月、別の看護師がX上で写真が転載されているのを発見し、問題が明らかになった。転載された画像では患者の目元が黒線で隠されていたが、病院は患者本人の同意を得ずに撮影・投稿した行為を重大な個人情報漏えいと判断した。
誕生日の患者を私用スマホで撮影
病院の説明では、看護師は患者の誕生日に合わせ、患者と同僚看護師が写った写真を撮影した。
業務用端末ではなく、看護師個人のスマートフォンが使われていた。
撮影した看護師は「友人間で共有したかった。軽率な行為で反省している」と説明しているという。
しかし、医療機関で撮影された患者の写真は、顔が完全に表示されていなくても、背景や服装、投稿時期、病院関係者との組み合わせなどから本人が特定されるおそれがある。
病院は、患者や保護者へ事情を説明し、謝罪したとしている。
24時間で消える投稿が外部へ転載
看護師が使用したのは、一定時間が経過すると表示されなくなるインスタグラムのストーリーズだった。
一方で、閲覧者が画像を保存したり、別のSNSへ転載したりすることは可能だ。
今回も、元の投稿から約8カ月後、別の看護師がX上で転載画像を発見したことで発覚した。
投稿時の閲覧可能人数は最大8人とされているが、その後、画像がどの範囲まで共有されたのかは明らかになっていない。
病院は、写真の保存や転載状況について確認を進めているとみられる。
診療情報提供書を別の小学校へ誤送付
同病院では、別の個人情報漏えいも発生していた。
今年5月、医師が作成した診療情報提供書を送付する際、医療秘書が住所を誤って入力し、本来とは異なる小学校へ送付したという。
診療情報提供書には、患者の氏名や病状、診療内容など、慎重な管理が必要な医療情報が含まれる場合がある。
今回、どの範囲の情報が記載されていたのか、誤送付先で閲覧されたかどうかは明らかにされていない。
病院は、対象となった患者や保護者へ謝罪し、書類送付時の確認手順を見直すとしている。
SNS投稿と書類誤送付 異なる経路で漏えい
今回公表された2件は、発生原因が異なる。
看護師による写真投稿は、職員が患者情報を私的に取り扱ったことによるものだった。一方、診療情報提供書の誤送付は、住所入力と発送確認のミスによって起きた。
個人のモラルだけでなく、私用端末の持ち込みや撮影ルール、SNS利用、書類発送時のダブルチェックなど、病院全体の管理体制が問われる。
病院は職員教育を改めて行い、患者情報の取り扱いと再発防止策を強化するとしている。
編集部まとめ
患者の誕生日を祝う目的だったとしても、無断撮影とSNS投稿が許されるわけではない。
24時間で消える機能を使っても、保存や転載まで防ぐことはできず、今回も別のSNSへ画像が広がったことで問題が発覚した。
さらに、診療情報提供書の誤送付も同じ時期に起きている。茨城県立こども病院には、個々の職員への注意だけで終わらせず、撮影、端末管理、SNS利用、書類送付の各段階で情報漏えいを防ぐ仕組みが求められる。
週刊TAKAPI編集部/成田
特記事項:本記事は茨城県立こども病院の発表内容を基に構成しています。患者や保護者、関係職員を特定できる情報は掲載していません。
患者写真のSNS投稿と診療書類の誤送付で明らかになった問題
茨城県立こども病院では、看護師が患者を私用スマートフォンで無断撮影し、インスタグラムへ投稿していたことが、別のSNSへの転載によって発覚しました。さらに、診療情報提供書を別の小学校へ誤送付する事案も起きています。写真投稿は職員個人による不適切な情報利用、誤送付は住所入力と確認作業のミスによるもので、異なる経路から患者情報が外部へ漏れた点が問題です。今後は、投稿画像の拡散範囲、関係職員への処分、私用端末や書類発送を含む再発防止策が焦点となります。
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