香川県立高松北中学校で外国語指導助手(ALT)として勤務していた英会話講師の男(34)が、女子生徒にわいせつな行為をしたとして、不同意わいせつ容疑で再逮捕されました。
学校側は複数の生徒から被害の訴えを把握し、派遣会社は男との契約を解除していました。しかし、香川県教育委員会から警察への相談は行われず、保護者が自ら相談したことで捜査が始まりました。
今回問われているのは、被害を把握した後、なぜ学校内部の対応だけで止まったのかという点です。
一対一のスピーキングテスト中に接触か
警察などによると、男は2025年11月、高松北中学校で行われた一対一の英語スピーキングテスト中、女子生徒の胸を服の上から触った疑いが持たれています。
男は別の女子生徒に対する同様の容疑で2026年7月16日に逮捕され、8月5日に再逮捕されました。調べに対して「ノーコメント」とし、認否を留保しています。
警察は、ほかにも被害を受けた生徒がいる可能性を視野に捜査しています。
複数の申告後も外部機関につながらず
学校では2025年12月以降、生徒から被害の訴えが出ていました。派遣会社は男の出勤を停止し、2026年1月に契約を解除しています。
その後、学校側の調査で複数の生徒から申告が確認されましたが、県教委は警察に相談しませんでした。捜査が始まったのは、同年5月に保護者が警察へ相談した後でした。
男は逮捕されるまで、岡山市内の子ども向け英会話教室で勤務していたと報じられています。学校から外す措置は取られた一方、別の教育現場で子どもと接する可能性までは防げなかったことになります。
香川県教育委員会の淀谷圭三郎教育長は、7月23日の定例記者会見で、複数の申告が確認された3月の段階で警察へ相談すべきだったとの認識を示しました。県教委は、当時の対応を検証するとしています。
一対一指導の安全策は機能していたのか
事件が起きたとされるのは、生徒とALTによる一対一のスピーキングテストでした。
現時点では、実施場所や座席配置、日本人教員の同席・巡回、外部から室内を確認できる環境だったかは明らかになっていません。
県教委には、被害申告後の対応だけでなく、第三者が異変を把握できる運用になっていたのかを具体的に検証する必要があります。
学校、派遣会社、県教委の対応が分断
今回の事案では、学校が生徒の申告を把握し、派遣会社が出勤停止と契約解除を実施しました。一方、犯罪の可能性を外部機関へ伝える判断は行われませんでした。
つまり、校内から男を外す雇用上の対応は進んだものの、被害の全容解明や再発防止につながる警察への相談は止まったままでした。
学校、派遣会社、県教委の間で、誰が警察への相談を判断するのかが明確でなかった可能性があります。県教委の検証では、各組織がいつ、どの申告を把握し、誰の判断で外部への相談を見送ったのかを明らかにすることが不可欠です。
編集部まとめ
今回の事件で最も重いのは、複数の生徒から被害の訴えが出た後も、警察への相談につながらなかった点です。
契約解除によって学校内から講師を外しても、事実関係の解明や、ほかの教育現場での被害防止まで完了したことにはなりません。
県教委には、一対一テストの運用、申告後の判断過程、派遣会社との情報共有、警察への相談を見送った経緯について、具体的な説明が求められます。
問題を外国人ALT全体へ広げるのではなく、国籍や雇用形態を問わず、生徒に接する指導者への安全基準と通報手順を統一することが再発防止の出発点です。
週刊TAKAPI編集部/成田
※本記事は、香川県教育委員会が公開した2026年7月23日の教育長定例記者会見記録と、警察・学校関係者への取材に基づく報道をもとに構成しています。逮捕は有罪を意味せず、容疑者には有罪判決が確定するまで無罪が推定されます。
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