大規模災害などで東京の首都中枢機能が維持できなくなった場合に備える「副首都」を巡り、北海道、宮城県、群馬県、愛知県、大阪府、広島県、福岡県の7道府県が、指定に向けた申請を検討していることが分かりました。
札幌市、新潟市、名古屋市、大阪市、北九州市、福岡市の6政令指定都市も申請を検討しており、東京一極集中からの機能分散を巡って、各地域の動きが本格化する可能性があります。
国会で成立した法律では、副首都について、大規模災害時に首都中枢機能の全部または大部分を一定期間代替するとともに、多極分散型経済圏の中核を担う道府県と位置付けています。
愛知県も申請検討 名古屋市とともに候補へ
副首都への申請を検討しているのは、
北海道
宮城県
群馬県
愛知県
大阪府
広島県
福岡県
の7道府県です。
東海地方では愛知県が含まれています。
政令指定都市では札幌市、新潟市、名古屋市、大阪市、北九州市、福岡市が申請を検討しており、愛知県と名古屋市の双方が副首都構想に関心を示している形です。
法律上、副首都の指定対象は市ではなく、要件を満たす地域を含む道府県です。内閣総理大臣が、政令で定める行政機構、人口・経済集積、地方行政体制などの要件を満たす道府県を指定する仕組みとなっています。
副首都は「東京の代わり」だけではない
今回の制度で重要なのは、副首都が単なる災害時のバックアップ拠点として位置付けられているわけではない点です。
法律では、東京圏で首都中枢機能を維持することが困難になった場合、首都中枢機能の全部または大部分を一定期間代替する機能に加え、多極分散型経済圏の形成を担うことも求めています。
国会審議でも、副首都には東京圏と同時に被災する可能性が低いことに加え、一定の人口・経済規模や行政機能などが必要になるとの考え方が示されています。
副首都に指定されれば、災害対応だけでなく、国の機関のバックアップ拠点、都市機能の整備、民間投資などを含めた地域戦略にも影響する可能性があります。
「首都中枢機能代替地域」は副首都とは別制度
一方、「副首都」とは別に、「首都中枢機能代替地域」という仕組みも設けられています。
副首都が首都中枢機能の全部または大部分を代替するのに対し、首都中枢機能代替地域は、東京圏で大規模災害が発生した際に首都機能の一部を代替する地域として位置付けられています。
今回の自治体調査では、4県が首都中枢機能代替地域になることを希望しています。
ただし、どの4県なのかについては今回提供された情報だけでは特定できないため、本記事では県名を断定しません。
政令の具体的要件を見極める自治体も
副首都の指定では、国の行政機構の立地状況、人口・経済の集積、地方行政体制などについて、政令で具体的な基準が定められることになっています。
このため、現段階で申請への態度を決めていない自治体も少なくありません。
今回の調査でも、指定要件がまだ明確ではないとして態度を保留する自治体が多く、今後示される具体的な要件を確認したうえで判断する自治体が増える可能性があります。
法律上、副首都は政令指定都市が存在する道府県だけに限定されていません。
一方で、地域全体として首都機能を代替できる行政体制をどのように構築するのかは、実際の指定を巡る重要なポイントになりそうです。
愛知が副首都候補になれば東海の位置付けも変化
今回の7道府県の中で、愛知県は中部圏から唯一名前が挙がっています。
名古屋市も申請を検討していることから、今後具体的な指定要件が示されれば、愛知・名古屋がどのような構想を打ち出すのかが東海地方では大きな焦点になります。
副首都の指定は単なる「第2の首都」を決める制度ではありません。
災害時の国家機能維持と、東京に集中している人口・経済・行政機能をどのように分散させるのかという、日本の国土構造そのものに関わる制度です。法律でも、国家社会機能が特定地域へ過度に集中することによる弊害を克服し、国土全体へ人口や機能を分散配置する方向性が示されています。
編集部まとめ
副首都への申請を検討しているのは北海道、宮城、群馬、愛知、大阪、広島、福岡の7道府県です。中でも愛知県と名古屋市がともに検討している点は、東海地方にとって注目度の高い動きです。
ただし、実際にどの地域が指定対象になるかは今後定められる具体的な要件と各自治体の正式な申出次第であり、現時点で7道府県が副首都に指定されることが決まったわけではありません。
週刊TAKAPI編集部:一条
特記事項
本記事は2026年8月15日時点で確認できる公表情報および自治体調査の内容をもとに構成しています。
「申請を検討」は、副首都への指定や正式な申請を意味するものではありません。
また、首都中枢機能代替地域を希望したとされる4県について、今回確認できた情報では具体的な県名を特定できていないため記載していません。
今回の調査で分かったこと
副首都への申請を検討している道府県は、北海道、宮城県、群馬県、愛知県、大阪府、広島県、福岡県の7道府県です。
政令指定都市では札幌市、新潟市、名古屋市、大阪市、北九州市、福岡市が検討しています。
副首都は大規模災害時の首都機能代替だけではなく、多極分散型経済圏の中核を担う制度として設計されています。
副首都指定までに何が決まるのか
今後の焦点は、副首都に必要な人口・経済規模、国の行政機構、地方行政体制などについて、政府が具体的にどのような基準を示すかです。
基準を満たした道府県からの申出を踏まえ、内閣総理大臣が副首都を指定する仕組みとなっています。
現段階では申請を「検討」している自治体が中心であり、候補地が正式に確定した段階ではありません。
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