法務省は2026年8月21日、2009年に大阪市此花区のパチンコ店に放火し、客や従業員5人を殺害したとして死刑が確定していた高見素直死刑囚(58)の刑を執行した。
平口洋法相が同日午前、法務省で臨時記者会見を開き、執行を発表した。
国内で死刑が執行されたのは、2025年6月の白石隆浩元死刑囚以来、約1年2カ月ぶり。2025年10月に発足した高市早苗政権下では初めての死刑執行となる。
平口法相「慎重な上にも慎重な検討」
平口法相は会見で、高見死刑囚が起こした事件について、周到な計画と準備のもとで無差別に多数の人を焼き殺そうとした極めて残虐な犯行で、5人の命を奪う重大な結果を引き起こしたと指摘した。
その上で、死刑執行について「慎重な上にも慎重な検討を加えた上で死刑の執行を命令した」と説明した。
死刑は人の生命を奪う極めて重大な刑罰であり、法務大臣が個別の確定判決などを踏まえて執行を命令する。
今回の執行は、平口法相の就任後、高市政権下で初めてとなった。
営業中のパチンコ店にガソリンをまき放火
確定判決によると、高見死刑囚は2009年7月5日、大阪市此花区の営業中のパチンコ店にガソリンをまき、火を付けた。
店内では急速に火や煙が広がり、客4人と従業員1人の計5人が死亡。さらに10人が重軽傷を負った。
不特定多数の客や従業員がいる営業時間中に行われた無差別放火で、社会に大きな衝撃を与えた。
高見死刑囚は事件翌日に自首し、その後逮捕された。
裁判では責任能力が争点に
刑事裁判では、高見死刑囚の犯行当時の責任能力が大きな争点となった。
弁護側は、妄想などの影響を受けており、責任能力が限定されていたなどと主張した。
一方、裁判所は犯行の計画性や事件前後の行動などを踏まえ、完全責任能力があったと認定した。
一審、二審はいずれも死刑を言い渡し、最高裁も2016年に上告を退けたことで死刑判決が確定した。
事件発生から17年で執行
事件が起きた2009年7月から、今回の死刑執行まで約17年が経過した。
死刑確定からは約10年となる。
国内での死刑執行は2025年6月以来となり、今回の執行によって収容中の確定死刑囚は100人となった。
死刑制度をめぐっては、犯罪被害者や遺族の感情、刑罰としての必要性を重視する立場がある一方、国家が生命を奪う刑罰の是非や、誤判が生じた場合に取り返すことができない点などをめぐり議論が続いている。
高市政権で初の死刑執行
高市政権が2025年10月に発足して以降、死刑が執行されたのは今回が初めてとなる。
死刑執行の命令は法務大臣が行うため、歴代政権や法相によって執行の間隔には違いがある。
今回、平口法相は事件の重大性や確定判決などを踏まえ、慎重な検討を行った上で執行を命令したと説明している。
今後は、高市政権下で死刑制度がどのように運用されるのかについても注目される。
編集部まとめ
2009年に大阪市此花区のパチンコ店で5人が死亡、10人が重軽傷を負った無差別放火事件から17年。死刑が確定していた高見素直死刑囚の刑が2026年8月21日に執行された。
国内では約1年2カ月ぶり、高市政権では初の死刑執行となった。
平口法相は事件の重大性を指摘した上で、「慎重な上にも慎重な検討」を経て執行を命令したと説明している。
週刊TAKAPI編集部
一条
特記事項
本記事は、2026年8月21日に公表された法務省の発表と平口洋法相の臨時記者会見の内容、確定判決などを基に構成した。
死刑執行の具体的な時刻や、執行命令に至る法務省内部の詳細な検討過程は公表されていない。
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