平均年収ランキング「中部に本社を置く411社」1位は豊田通商!3位ファナック、2位CBCを上回った理由を考察

「中部地方で、平均年収が最も高い会社はどこなのか?」

愛知、岐阜、静岡、三重、長野、山梨など、中部地方にはトヨタ自動車をはじめ、世界的なメーカーや金融機関、商社など数多くの有力企業が集まっています。

そんな中部地方の上場企業を対象にした最新の平均年収ランキングが発表されました。

今回のランキングで注目したいのが、1位・豊田通商、2位・中部日本放送、3位・ファナックという顔ぶれです。

特に驚かされるのは、トヨタ自動車ではなく、トヨタグループの総合商社である豊田通商が1位になったこと。

豊田通商の平均年収は1421万円

2位の中部日本放送は1334万円、3位のファナックは1144万円となり、豊田通商が2位以下を大きく引き離しました。

では、なぜ豊田通商の平均年収はこれほど高いのでしょうか。

今回は最新ランキングを紹介するとともに、「なぜ中部では豊田通商が1位なのか」を考察してみます。


結論|中部の平均年収1位は「豊田通商」

まず結論から。

2026年8月23日に公開された東洋経済オンラインの「平均年収ランキング『中部に本社を置く411社』」では、1位に入ったのは愛知県に本社を置く豊田通商でした。

平均年収は、

1421万円

です。

平均年齢は43.0歳。

2位の中部日本放送が1334万円なので、差は87万円あります。

さらに3位のファナックは1144万円。

つまり、今回のランキングでは、

豊田通商 → 中部日本放送 → ファナック

という順位になりました。


中部の平均年収ランキングTOP10

今回のランキング上位10社を見ると、中部経済の特徴がかなりはっきり見えてきます。

中部の平均年収ランキングTOP10

順位 企業名 平均年収 本社所在地

1位 豊田通商 1,421万円 愛知県

2位中部日本放送 1,334万円 愛知県

3位ファナック 1,144万円 山梨県

4位しずおかフィナンシャルグループ 1,111万円 静岡県

5位あいちフィナンシャルグループ 1,067万円 愛知県

6位十六フィナンシャルグループ 1,056万円 岐阜県

7位HIOKI1,034万円長野県

8位トヨタ自動車 1,006万円 愛知県

9位三十三フィナンシャルグループ 1,002万円 三重県

10位NGK 992万円 愛知県

※2025年4月期~2026年3月期の有価証券報告書などを基にしたランキング。対象は中部10県の上場企業で、単独従業員数20人以上の企業。平均年収は会社単体の数値。

中部地方では、上位9社が平均年収1000万円を超えています。

このランキングで興味深いのは、単純に「大企業ランキング」になっていないことです。

商社、放送、FA・ロボット、金融、自動車、電子計測機器、セラミックスなど、さまざまな業種が上位に入っています。

1位「豊田通商」の平均年収1421万円がすごい

今回もっとも注目したいのが豊田通商です。

豊田通商は、トヨタグループの総合商社。

自動車関連だけでなく、金属、機械、エネルギー、化学品、食料、アフリカ事業など、幅広い分野でビジネスを展開しています。

つまり「トヨタの商社」というイメージだけでは、現在の豊田通商の事業規模を捉えきれません。

総合商社としてグローバルに事業を展開していることが、今回の高い平均年収にもつながっていると考えられます。

特に商社は、国内だけで完結するビジネスではなく、海外企業との取引や投資、事業運営などを行います。

そのため、企業として生み出す付加価値が大きくなりやすい。

今回の1421万円という数字は、そうした豊田通商のビジネスモデルを考えるうえでも興味深い結果と言えそうです。


なぜ「トヨタ自動車」ではなく豊田通商が1位なのか?

ここは今回のランキングで最も検索されそうなポイントでしょう。

「トヨタグループならトヨタ自動車が一番年収が高いのでは?」

そう考える人も多いはずです。

しかし今回、トヨタ自動車は8位。

平均年収は1006万円でした。

一方、豊田通商は1421万円。

その差は415万円です。

もちろん、平均年収は単純に「会社の格」を表す数字ではありません。

従業員の年齢構成、職種、社員数、会社単体とグループ全体の違いなど、さまざまな要因があります。

そのため、

「豊田通商のほうがトヨタ自動車より優良企業」

と単純に判断するのは危険です。

むしろ今回のランキングから読み取れるのは、

「中部の高年収企業には、世界市場で高い付加価値を生み出す企業が多い」

ということではないでしょうか。


2位は意外?「中部日本放送」が平均年収1334万円

2位に入ったのが、名古屋を拠点とする中部日本放送です。

平均年収は1334万円

豊田通商に次ぐ高水準となりました。

中部日本放送、いわゆるCBCは、東海地方では非常に知名度の高い放送局です。

テレビ・ラジオなど地域メディアとして長い歴史を持っています。

今回のランキングを見ると、

「テレビ局=全国ネットの巨大企業」

というより、

地域に強いメディア企業が高い収益力を持っている

という点も見えてきます。

中部地方では、名古屋を中心とした経済圏が形成されており、広告市場や地域企業とのネットワークも重要です。

こうした地域密着型のビジネスモデルが、平均年収の高さの背景にある可能性があります。


3位は世界的メーカー「ファナック」

3位は山梨県に本社を置くファナック。

平均年収は1144万円でした。

ファナックといえば、工場の自動化に欠かせないNC装置や産業用ロボットなどで世界的に知られる企業です。

ここで注目したいのが、

「中部の高年収企業=名古屋の大企業」ではない

ということです。

今回の対象地域は愛知県だけではありません。

愛知、岐阜、静岡、三重、福井、石川、富山、新潟、山梨、長野の10県が対象。

その中で山梨県のファナックが3位に入っています。

つまり、中部圏には名古屋だけではなく、地方に本社を置きながら世界市場で稼ぐ企業が存在するということです。


4位以下を見ると「金融」の強さも目立つ

4位はしずおかフィナンシャルグループで1111万円。

5位はあいちフィナンシャルグループで1067万円。

6位は十六フィナンシャルグループで1056万円。

さらに9位には三十三フィナンシャルグループが1002万円で入っています。

TOP10のうち、金融関連企業が4社。

これはかなり特徴的です。

地方銀行は地域経済と密接に関係しています。

企業への融資、資産運用、M&A支援、地域企業の事業承継など、銀行の役割も変化しています。

特に金融持株会社になることで、銀行業務だけではなく、証券、リース、コンサルティングなど幅広い金融サービスを展開する企業も増えています。

今回のランキングは、こうした金融業界の変化も反映しているのかもしれません。


トヨタだけではない「中部の高収入企業」

中部地方の企業と聞くと、どうしてもトヨタ自動車を中心とした自動車産業を思い浮かべます。

もちろん自動車産業は中部経済の大きな柱です。

しかし今回のランキングを見ると、実際にはかなり多様です。

中部の高年収企業に見える特徴

  • 総合商社
  • 放送・メディア
  • FA・ロボット
  • 自動車
  • 金融
  • 電子計測
  • セラミックス・素材

つまり、

「製造業だけが強い地域」ではない

ということです。

むしろ、製造業を中心にしながら、商社、金融、メディアなどが周辺に広がっていることが中部経済の強さなのではないでしょうか。


なぜ中部には高年収企業が多いのか?

今回のランキングを見て、もう一つ気になるのが「なぜ中部には高年収企業が多いのか」という点です。

考察すると、大きく3つの理由がありそうです。

① 世界で稼ぐ製造業が集積している

トヨタ自動車を中心とした自動車産業。

さらにファナックのようなFA・ロボット関連企業、HIOKIのような計測機器企業、NGKのような素材・セラミックス関連企業があります。

国内市場だけでなく、海外市場を相手にする企業が多い。

これが高い収益力につながる可能性があります。


② 名古屋を中心に巨大な産業圏が形成されている

愛知県を中心とした中部圏には、自動車メーカーだけでなく、

  • 部品メーカー
  • 工作機械メーカー
  • 商社
  • 金融機関
  • 物流企業
  • 素材メーカー
  • IT企業

などが集まっています。

一つの産業だけで経済が成り立っているわけではありません。

企業同士の取引が多層的に存在することで、大きな経済圏を形成しています。


③ 地方に本社を置きながら世界市場を狙う企業がある

今回のファナックが象徴的です。

本社は山梨県。

しかし事業は世界規模。

これは非常に重要なポイントです。

「地方に本社がある=給与水準が低い」

とは限りません。

むしろ、世界市場で高いシェアを持つ企業なら、地方に本社があっても非常に高い給与水準を実現できます。


中部の平均年収ランキングから見える「地域格差」の意外な姿

今回のランキングでは、上位20社のうち愛知県の企業が11社と最多でした。

一方で、TOP10には6県の企業が入っています。

ここが面白いところです。

「愛知県だけが圧倒的に強い」という結果ではありません。

静岡、山梨、岐阜、長野、三重などにも高年収企業があります。

これは中部地方の産業構造が、比較的分散していることを示しているとも考えられます。


「平均年収1000万円」はどれくらいすごい?

今回、中部地方では9社が平均年収1000万円を超えました。

もちろん平均年収なので、全社員が1000万円をもらっているわけではありません。

平均年齢や役職構成などによって数字は大きく変わります。

それでも、上場企業の中で平均年収1000万円を超える企業が複数存在することは、中部地方の企業競争力を考えるうえで興味深いデータです。

特に、

豊田通商1421万円

という数字は今回のランキングを象徴しています。


「年収が高い会社=働きやすい会社」ではない

ここはランキングを見るうえで注意したいポイントです。

平均年収が高いからといって、

  • 残業が少ない
  • 有給休暇が取りやすい
  • 若手でも高収入
  • 福利厚生が充実
  • 転勤が少ない

とは限りません。

平均年収はあくまで一つの指標です。

就職や転職を考える場合は、年収だけではなく、

平均年齢・平均勤続年数・有給取得率・離職率・残業時間・仕事内容・勤務地

などを総合的に見る必要があります。


今回のランキングで「愛知県」が強かった理由

上位20社のうち愛知県企業が11社。

やはり愛知県の存在感は圧倒的です。

その背景には、トヨタ自動車を頂点とする巨大な自動車産業があります。

しかし、それだけではありません。

豊田通商、CBC、あいちフィナンシャルグループなど、異なる業種の企業も上位に入っています。

つまり、

製造業の集積+商社+金融+メディア

という複数の産業が名古屋経済圏を支えていると考えられます。


豊田通商1位は「中部経済の現在」を象徴している?

今回のランキングを筆者なりに考察すると、豊田通商の1位は非常に象徴的な結果だと感じます。

トヨタ自動車そのものではなく、トヨタグループの商社がトップになった。

これは、

「モノを作る企業」だけでなく、「世界中でモノ・資源・サービスを動かす企業」の価値が高まっている

ことを示しているようにも見えます。

自動車産業がEV化やソフトウェア化など、大きな変化を迎える中で、商社の役割も変わっています。

資源、エネルギー、物流、海外事業、サプライチェーンなど、企業活動を支える領域はますます重要になっています。

その意味では、今回の豊田通商1位は単なる「年収ランキング」以上の意味を持っているのではないでしょうか。


中部の高年収企業ランキングは今後どう変わる?

今後注目したいのは、自動車産業の変化です。

EV、ハイブリッド車、ソフトウェア、半導体、AI、ロボットなど、製造業を取り巻く環境は大きく変化しています。

一方で、中部地方には、

トヨタ × 工作機械 × ロボット × 半導体 × 素材 × 商社 × 金融

という巨大な産業ネットワークがあります。

このネットワークが今後さらに進化すれば、中部地方から新たな高収益企業が生まれる可能性もあります。

特にAIや自動化が進むことで、ファナックのようなFA関連企業や、製造業を支える部品・素材メーカーの存在感はさらに高まるかもしれません。


まとめ|中部で平均年収1位は豊田通商

今回の「中部に本社を置く411社」の平均年収ランキングでは、1位に輝いたのは豊田通商でした。

平均年収は1421万円

2位は中部日本放送の1334万円。

3位はファナックの1144万円でした。

そしてTOP10には金融、製造業、商社、放送など、さまざまな業種がランクイン。

この結果から見えてくるのは、

「中部=トヨタだけの地域」ではない

ということです。

世界的な製造業の集積を土台に、商社、金融、メディア、ロボット、計測機器など、さまざまな産業が成長しています。

そして今回の1位・豊田通商は、その中部経済の変化を象徴する企業の一つと言えるでしょう。

今後、EVやAI、ロボット、半導体、エネルギーなどの分野が成長していけば、中部の「高年収企業ランキング」もさらに顔ぶれが変わっていくかもしれません。


Q中部地方で平均年収が最も高い会社はどこ?
A2026年8月23日に公開されたランキングでは、愛知県の豊田通商が1位で、平均年収は1421万円です。
Q中部日本放送の平均年収はいくら?
A中部日本放送は2位で、平均年収は1334万円でした。
Qファナックは何位?
A山梨県に本社を置くファナックは3位で、平均年収は1144万円でした。
Qトヨタ自動車は何位?
Aトヨタ自動車は8位で、平均年収は1006万円でした。
Q中部の対象地域は?
A今回のランキングでは、愛知、岐阜、静岡、三重、福井、石川、富山、新潟、山梨、長野の10県が対象です。
Q平均年収が高ければ高待遇企業と判断できる?
A平均年収は企業を比較するうえで重要な指標の一つですが、平均年齢や職種構成などにも左右されます。転職・就職では年収以外の条件も合わせて確認することが重要です。

※本記事は公開されている企業情報、報道内容、地域特性、市場動向などをもとに編集部が独自に考察した内容です。企業や関係者が公表している出店理由・経営方針を断定するものではなく、一部に編集部の見解や推測が含まれます。最新かつ正確な情報は、各企業・自治体の公式発表をご確認ください。

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週刊TAKAPI編集部:黒木

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