【長野】元県幹部が勤務先で盗撮7件認める 検察「10年以上繰り返した」と懲役1年求刑 判決は9月30日

長野県の元部長級職員が勤務先などで女性のスカート内を計7回撮影した罪を認め、検察が懲役1年を求刑した裁判を伝える報道アイキャッチ

長野県の元部長級職員で、松本地域振興局長を務めた長野市の男性(61)が、勤務先などで複数の女性のスカート内を盗撮したとして性的姿態等撮影の罪に問われた裁判で、男性が起訴内容を認めた。

松本地裁松本支部で開かれた初公判で、男性は起訴事実について「間違いございません」と認めた。

検察側は、今回起訴された事件以外にも2013年ごろから10年以上にわたり同様の行為を繰り返していたとして常習性を指摘し、懲役1年を求刑した。

一方、弁護側は家族とともに更生に取り組んでいることなどを挙げ、罰金200万円が相当だと主張した。

判決は9月30日に言い渡される予定。

2024年1月から9月に計7回 勤務先などで複数女性を撮影

起訴状によると、男性は2024年1月から9月にかけて、松本市内の勤務先などで計7回、スマートフォンを使って複数の女性のスカート内を撮影したとされている。

男性は当時、長野県の部長級職員で、松本地域振興局長を務めた経歴がある。

初公判では、起訴された7件について事実関係を争わず、認める姿勢を示した。

検察「2013年ごろから10年以上」 常習性を重視

検察側は論告で、今回起訴された2024年の7件だけでなく、男性が2013年ごろから10年以上にわたり同様の行為を繰り返してきたと指摘した。

その上で、長期間にわたる常習性や犯行態様を重くみて、「悪質で身勝手な犯行」として懲役1年を求刑した。

ただし、2013年ごろからの行為すべてが今回の起訴事実になっているわけではない。今回の刑事裁判で直接審理されているのは、起訴状に記載された2024年の計7件で、過去の行為については検察側が量刑判断に関わる事情として主張したものとなる。

弁護側は罰金200万円を主張

一方、弁護側は、男性について、性的欲求の充足そのものよりも、通常は見えない部分を確かめたいという好奇心が行動を強めたとの趣旨で説明した。

また、現在は家族とともに更生に向けた取り組みを続けているとして、拘禁刑ではなく罰金200万円が相当だと主張した。

検察側が長期間の常習性を重く評価する一方、弁護側は現在の更生状況などを量刑上考慮するよう求めており、裁判所がこれらをどう判断するかが焦点となる。

県は2025年に停職6か月 行政調査では2011年度以降の行為も把握

長野県は2025年3月、当時60歳だった本庁の部長級職員について、盗撮行為を理由に停職6か月の懲戒処分としていた。

県の当時の調査では、2011年度以降、職場や通勤中の電車などで多数の女性を盗撮していたとされている。

ここで注意が必要なのは、県の懲戒処分で把握された事実と、今回の刑事裁判で起訴されている事実の範囲が一致していない点だ。

今回の刑事裁判で起訴されているのは2024年の7件であり、県の内部調査で把握された過去の行為全体がそのまま刑事裁判の対象になっているわけではない。

退職手当は現在も支払差止め

元職員の退職手当についても、現在まで行政上の手続きが続いている。

長野県が県民からの意見や質問への回答を掲載する「県民ホットライン」で8月27日に更新した内容によると、元職員の退職手当については2025年3月21日に支払差止処分が行われ、2026年7月6日の県回答時点でも差し止めが継続している。

県は、今後の事実関係や条例上の要件を踏まえ、退職手当を支給するかどうかを判断するとしている。

このため、9月30日の刑事判決は、元職員個人の刑事責任だけでなく、県側が退職手当の扱いを整理する上でも一つの重要な節目になる可能性がある。

9月30日判決 量刑判断が焦点

今回の初公判では、起訴された7件について被告側が事実関係を争わなかった。

一方、刑の重さを巡っては、10年以上にわたるとする常習性を重視する検察側と、更生状況などを考慮するよう求める弁護側で評価が分かれている。

松本地裁松本支部が、犯行の継続性や態様、被告の現在の状況などをどのように評価するかが注目される。

判決は9月30日に言い渡される予定。

編集部まとめ

今回の判決は、元県幹部の刑事責任を確定させるだけでなく、長野県が退職手当の支給可否を判断する上でも実務的な意味を持つ可能性がある。

現在は支払差止めが続いているが、県は刑事手続きや事実関係を踏まえて最終判断する方針を示している。9月30日の判決で、裁判所が常習性や犯行態様をどこまで重く評価するかは、県側が今後処分を整理する際の重要な材料になり得る。

ただし、刑事判決が出れば自動的に退職手当の支給・不支給が決まるわけではない。刑事責任の確定と、条例に基づく退職手当の行政判断は別手続きであり、判決後に県がどのような結論を示すかまで確認する必要がある。

週刊TAKAPI 編集部/成田

特記事項

男性は起訴された7件について初公判で認めていますが、判決はまだ言い渡されていません。

検察側が指摘した2013年ごろからの行為、長野県が懲戒処分時に把握した2011年度以降の行為、今回刑事裁判で起訴されている2024年の7件は、それぞれ対象範囲が異なります。

また、退職手当の扱いは刑事判決とは別の行政判断であり、判決によって自動的に支給・不支給が決まるものではありません。

Q元長野県幹部は何の罪に問われている?
A性的姿態等撮影の罪に問われています。起訴状によると、2024年1月から9月にかけて、松本市内の勤務先などで計7回、複数の女性のスカート内をスマートフォンで撮影したとされています。
Q初公判で起訴内容を認めた?
Aはい。男性は「間違いございません」と述べ、起訴された7件を認めました。
Q検察側の求刑は?
A検察側は、2013年ごろから10年以上にわたり同様の行為を繰り返していたと常習性を指摘し、懲役1年を求刑しました。
Q弁護側は何を求めた?
A家族とともに更生に取り組んでいることなどを挙げ、罰金200万円が相当だと主張しました。
Q判決はいつ?
A松本地裁松本支部で9月30日に判決が言い渡される予定です。

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