岐阜県警は、岐阜県と愛知県にある廃業した病院や薬局などに無断で侵入したとして、名古屋市に住む30歳の男性と長野市に住む26歳の男性を、建造物侵入の疑いで書類送検しました。
2人は自らを「廃墟マニア」と称していたとされ、2026年1月から6月にかけて、岐阜、愛知両県の計8カ所に侵入した疑いが持たれています。長野市の26歳男性は、信濃毎日新聞社に勤務する記者です。
1月から侵入か 6月の下呂市の通報が捜査の端緒に
侵入の疑いが持たれている期間は2026年1月から6月です。このうち6月、岐阜県下呂市金山町の廃業した医院で、通行人から「不審者2人が塀を乗り越えて敷地内に入っている」と警察に通報があり、事件が発覚しました。
その後の捜査で、岐阜県と愛知県にある病院や薬局など計8カ所への侵入容疑が浮上しました。
2人のスマートフォンなどからは100点以上の廃墟の写真が見つかり、その一部はSNSにも投稿されていたということです。
警察の調べに対し、2人は「廃墟の中が見たかった」と話し、容疑を認めています。
26歳男性は信濃毎日新聞社の記者
長野市に住む26歳男性は、信濃毎日新聞社に勤務する記者であることが明らかになっています。
同社によると、男性記者は会社側の聞き取りに対し、「好奇心を優先させてしまった。申し訳ありません」と説明したということです。
信濃毎日新聞社は「社員が書類送検された事態を重く受け止め、厳正に対処します」とコメントしています。
警察への「廃墟の中が見たかった」という供述と、勤務先への「好奇心を優先させてしまった」という説明は、それぞれ異なる場面での発言です。
名古屋市の30歳男性も書類送検 愛知県内にも侵入先
もう1人の書類送検対象は名古屋市に住む30歳の男性です。
一部報道では、2人が侵入した疑いのある施設は岐阜、愛知両県にまたがるとされています。愛知県在住の男性が関与しているだけでなく、侵入先にも愛知県内の施設が含まれていることになります。
具体的な愛知県内の施設名や所在地については、現時点で確認できる報道では明らかになっていません。
廃墟でも無断侵入が問題になる場合
刑法130条は、正当な理由なく、人の住居や「人の看守する」建造物などに侵入した場合、3年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金を定めています。
ただし、使用されなくなった建物すべてが当然に同条の「人の看守する建造物」に当たるわけではありません。実際に同条が適用されるかは、建物の管理状況や立ち入り方など個別の事情によって判断されます。
今回の2人については、警察が建造物侵入容疑で書類送検しています。
編集部まとめ
今回の事件では、岐阜、愛知両県の複数施設への侵入疑いに加え、2人のスマートフォンなどから100点を超える廃墟写真が見つかり、一部がSNSへ投稿されていたことも明らかになっています。
警察は、こうした廃墟の写真や動画がSNSに投稿されることで、窃盗事件などの発生につながるおそれがあるとして捜査を進めていました。
廃墟探索そのものを一律に犯罪とみなすことはできませんが、所有者や管理者の承諾なく建物へ立ち入れば刑事事件になる可能性があります。また、内部の状況をSNSで公開する行為についても、場所の特定や別の侵入・窃盗につながる危険性が指摘されています。
2人は書類送検された段階で、有罪が確定したものではありません。今後の刑事処分は検察が判断します。
週刊TAKAPI 編集部/一条
特記事項
この記事は2026年9月4日時点で確認できる公開情報と刑法の現行条文をもとに構成しています。
2人は建造物侵入の疑いで書類送検された段階です。刑事責任について確定したものではありません。
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