長崎県内の公立学校で、教職員に一方的な好意を寄せた教頭が、相手から拒否された後に無視や責める発言などのパワーハラスメントを繰り返していたことが分かった。
長崎県教育委員会は9月9日、この教頭を停職6カ月の懲戒処分とするとともに、管理職としての適格性を欠くとして、教諭へ降任させる分限処分を行った。
被害を受けた教職員は強い心理的負担を受け、適応障害と診断されたという。
教頭は県教委の調査に対し、被害者について「あわよくば恋愛対象になれれば」という趣旨の説明をしていた。
SNSで好意伝える 食事への誘いや深夜の呼び出しも
県教委などによると、処分を受けたのは長崎県内の公立学校に勤務していた教頭。
2026年4月中旬ごろから、教職員1人に対し、SNSなどを通じて私的、恋愛的な働きかけを繰り返した。
確認された行為には、
・2人きりで食事に誘う
・一方的に好意を伝える
・深夜に呼び出す
・身体に触れる
などがあったという。
県教委は、これらをセクシュアルハラスメントにあたると判断した。 (NCCTV)
好意を拒否されると一転 「あいさつを返さない」
事態は、被害を受けた教職員が教頭からの働きかけに対し、明確な拒否の意思を示した後にさらに深刻化した。
県教委によると、教頭は被害者に対する不満や怒りを募らせ、
・あいさつを返さない
・視線を合わせない
・無視する
・被害者を責める発言をする
などの行為を繰り返した。
県教委は一連の行為をパワーハラスメントと認定している。 (NCCTV)
個人的な好意が受け入れられなかった後、職場での対応が変化した形だ。
被害教職員は「適応障害」と診断
一連のセクハラ、パワハラによって、被害を受けた教職員は強い心理的負担を受けた。
その後、適応障害と診断されたという。
県教委は被害者のプライバシー保護を理由に、教頭と被害教職員の性別を公表していない。 (NCCTV)
週刊TAKAPIでも、被害者の特定につながる可能性がある情報については慎重に取り扱う。
「あわよくば恋愛対象になれれば」
教頭は県教委の調査に対し、被害者に好意を持つようになったとして、
より親しくなり、恋愛対象になれればと考えていた趣旨の説明をしている。
さらに、好意を受け入れてもらえなかったことで生じた感情が被害者に向かい、一連の行為に及んだとも説明したという。 (FNN)
また教頭は、「このようなことをして申し訳ありません」と謝罪している。 (NCCTV)
停職6カ月だけではない 「教頭」から「教諭」へ
今回の処分で注目されるのは、停職6カ月という懲戒処分だけではない。
県教委は教頭について、管理職としての適格性を欠くと判断。
教頭から教諭へ降任させる分限処分も同時に行った。
さらに、教頭を管理監督する立場だった校長についても、服務監督権者による指導措置を行っている。 (NCCTV)
県教委は、職員を指導する立場である教頭による今回の行為について、教育への信用を著しく失墜させるものとしている。
県教委「強い憤りを禁じえない」
長崎県教委は今回の処分を受け、これまで教職員に対し、不祥事防止やハラスメント防止の指導を行ってきたと説明。
それでも不祥事が発生したことについて「強い憤りを禁じえない」とする趣旨のコメントを出した。
特に、本来は不祥事の根絶を率先すべき立場にある教頭が複数の非違行為に及んだことを重く受け止めているとしている。 (TBS NEWS DIG)
今後、校長をはじめ教職員一人ひとりに対し、改めて自覚を促し、不祥事防止に取り組むとしている。
「恋愛トラブル」で片付けられない理由
今回の問題は、単なる職場内での「恋愛トラブル」として見るべきものではない。
人が誰かに好意を持つことと、その好意を拒否した相手に対し、職場で不利益や精神的圧力を与えることは全く別の問題だ。
まして教頭は、一般の教員を指導、監督する管理職でもある。
被害者側からすれば、相手が管理職である以上、私的な誘いや好意の表明そのものについても、同僚同士の場合とは異なる心理的圧力が生じる可能性がある。
そして今回、拒否の意思が示された後に無視や責める発言が繰り返され、最終的には被害者が適応障害と診断される事態となった。
県教委が停職処分にとどめず、教頭から教諭への降任まで決めた事実は、一連の行為を管理職として重大な問題と判断したことを示している。
Q&A|今回の長崎県公立校教頭の処分を整理
あわせて、管理職としての適格性を欠くとして、教頭から教諭へ降任させる分限処分も行った。 (NCCTV)
被害教職員は適応障害と診断されている。 (NCCTV)
長崎県教育委員会は、被害者のプライバシー保護を理由として、双方の性別を公表していない。
そのため、週刊TAKAPIでも性別について推測による記載は行わない。 (NCCTV)
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今回のケースでは、「好意を抱いたこと」そのものではなく、拒絶された後に管理職という立場にある人物が相手への対応を変え、ハラスメントを繰り返した点が問題の核心になる。
学校という職場では、教頭や校長と一般教職員の間には明確な職務上の上下関係がある。
だからこそ、教育委員会には不祥事が起きた後の処分だけでなく、被害を早期に把握できる相談体制や、管理職によるハラスメントを抑止する仕組みが機能していたのかについても、継続的な検証が求められる。
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