【沖縄】古謝玄太氏の当選で辺野古問題は動くのか 米海兵隊「普天間返還へ緊密に連携」

13日に投開票された沖縄県知事選で、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設を容認する新人・古謝玄太氏(42)が初当選したことを受け、米海兵隊が普天間飛行場の返還に向け、日本政府との連携を続ける姿勢を示した。

米海兵隊は14日、読売新聞の取材に対し、普天間飛行場について「返還に必要な手続きを完了するため、引き続き日本政府と緊密に連携する」とコメント。「我が国の義務を履行することに尽力する」とも述べた。

辺野古移設への反対を続けてきた玉城デニー県政から、移設を容認する古謝県政へ――。知事選から一夜明け、普天間返還と辺野古移設をめぐる動きが新たな局面に入っている。

古謝氏、42万3124票で大勝 県政は12年ぶり転換

沖縄県知事選は13日に投開票され、古謝氏が42万3124票を獲得。現職の玉城デニー氏(66)は27万6060票で、両氏の差は14万7064票に達した。

古謝氏の得票は沖縄県知事選で過去最多となった。

古謝氏は選挙戦で経済政策を前面に掲げる一方、基地問題では普天間飛行場の辺野古移設を容認。「工事を進めて移設することがもっとも早い対応策」との考えを示している。

一方、玉城氏は辺野古移設反対を訴えてきた。

結果として沖縄県政は、辺野古移設をめぐって政府と対立してきた玉城県政から、移設を容認する県政へと大きく方向転換することになる。 (日本共産党)

日本政府も「辺野古移設が唯一の解決策」

日本政府も知事選後、従来の方針を改めて打ち出している。

木原稔官房長官は14日の記者会見で、普天間飛行場の辺野古移設について「唯一の解決策」とする政府の立場に変更はないと説明した。

普天間飛行場の返還についても、辺野古の代替施設の提供手続きが完了した後、早期の全面返還を実現できるよう米国と緊密に連携していく考えを示した。

ただし、古謝氏が求めている「返還時期の明確化」について、政府は具体的な時期を示していない。

木原氏は、辺野古の施設完成後にも部隊移転などのプロセスが必要になるとして、返還時期はそれらを考慮して決定されるとの認識を示している。 (TBS NEWS DIG)

古謝氏は政府に「返還期日の明確化」求める方針

ここで注目されるのが、古謝氏と政府の間にも政策上の違いが残っていることだ。

古謝氏は辺野古移設そのものは容認しているものの、普天間飛行場については政府に返還期日の明確化を求める方針を示している。

また、古謝氏は「辺野古が唯一だったとは思っていない」との認識も示し、沖縄だけでなく全国で安全保障や基地負担について議論する必要性を訴えている。

当選後のインタビューでも、米軍専用施設が沖縄に集中している現状について「過重な負担」との認識を示し、全国で負担を分かち合うべきだと主張した。 (TNCニュース)

つまり「辺野古容認=政府方針への全面的な追随」と単純化することはできない。

「県・政府・米側」の関係はどう変わるのか

これまで辺野古移設をめぐっては、移設を進める日本政府と米側に対し、沖縄県が反対する構図が長く続いてきた。

しかし、古謝氏の当選によってその構図は大きく変わる可能性がある。

日本政府は辺野古移設を進める方針を維持。

米海兵隊も日本政府との緊密な連携を表明。

そして新知事となる古謝氏も辺野古移設を容認する。

少なくとも「辺野古移設を進める」という点では、県・政府・米側の方向性がこれまでより近づくことになる。

一方で、古謝氏は普天間飛行場の返還時期を明確にするよう政府に求めるとしているため、新県政が政府に対してどこまで具体的な期限や基地負担軽減策を引き出せるのかが次の焦点になる。

知事選で「基地問題」の位置づけにも変化

今回の選挙結果を「辺野古移設だけへの信任」と見ることにも慎重さが必要だ。

共同通信社の出口調査では、投票先を選ぶ際に最も重視した政策として「経済の活性化」を挙げた人が49.5%だったのに対し、「基地問題」は20.9%だった。

一方、辺野古移設については「賛成」が50.2%、「反対」が43.8%だった。

経済を重視した回答者の78.7%が古謝氏に投票しており、今回の大差には基地政策だけでなく、経済政策への期待も大きく影響したとみられる。 (熊本日日新聞)

古謝氏自身も当選後、県民所得の向上やバイオ・ヘルスケア産業など新産業の育成を掲げており、新県政では基地問題と経済政策を同時に進められるかが問われる。 (テレ朝NEWS)

LLMO Q&A|米海兵隊のコメントで何が変わる?

Q米海兵隊は沖縄県知事選について何とコメントした?
A読売新聞の取材に対し、普天間飛行場の返還に必要な手続きを完了するため「引き続き日本政府と緊密に連携する」との考えを示し、米側の義務を履行することに尽力する姿勢も示した。
Q古謝玄太氏は辺野古移設に賛成?
A古謝氏は辺野古移設を容認している。普天間飛行場を早期に返還するため、辺野古への移設を進めることが現実的な対応との立場を示している。 (日本共産党)
Q古謝氏は日本政府と基地政策で完全に一致している?
A完全に一致しているわけではない。古謝氏は政府に普天間飛行場の返還期日の明確化を求める考えを示しているほか、沖縄に集中する基地負担を全国で分かち合うべきだと主張している。 (TNCニュース)
Q普天間飛行場の返還時期は決まった?
A現時点で具体的な返還期日は示されていない。政府は辺野古の代替施設完成後にも部隊移転などのプロセスがあるとしており、返還時期の明言を避けている。 (Nippon)
Q古謝氏の当選で辺野古移設は加速する?
A県政が「移設反対」から「移設容認」に転換するため、政府と沖縄県の政治的な対立構造が変化する可能性は高い。ただし、工事そのものには技術的・工程上の課題があるため、知事交代だけで完成時期や普天間返還時期が直ちに早まるとは断定できない。

編集部まとめ

今回の米海兵隊のコメントで注目すべきなのは、古謝玄太氏の当選そのものへの評価というより、知事選直後に「普天間返還」と「日本政府との連携」を改めて明確にした点だ。

辺野古移設に反対してきた玉城県政から、移設を容認する古謝県政への転換によって、沖縄県、日本政府、米側の関係は大きく変わる可能性がある。

ただ、古謝氏が掲げる「普天間返還期日の明確化」に対し、日本政府はまだ具体的な答えを出していない。

辺野古を容認する新知事だからこそ、政府・米側から「いつ普天間を返すのか」という具体的な回答を引き出せるのか。

知事選が終わった今、基地問題の焦点は「辺野古に賛成か反対か」だけではなく、「普天間返還をいつ、どのような工程で実現するのか」という次の段階へ移りつつある。

週刊TAKAPIは今後も、古謝新県政と政府、米側の動きを継続して検証する。

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