札幌市教育委員会が公表している学校職員の懲戒処分を週刊TAKAPIが確認したところ、2026年度は9月18日現在、6件の処分が行われていることが分かった。
児童への体罰のほか、学校で扱う給付金の請求を長期間怠った事案、人身交通事故、スーパーで商品をレジに通さず店外に出た事案などが含まれる。
札幌市教委が公表する年度別統計によると、2026年度の処分は停職2件、減給3件、戒告1件の計6件。事由別では体罰2件、その他服務2件、交通事故2件となっている。前年度の2025年度には計27件の懲戒処分があり、体罰8件、交通事故10件などが計上されていた。
児童を叩く体罰、40代小学校教諭を減給
直近では9月18日、札幌市立小学校に勤務する40代の男性教諭が、児童に対する体罰を理由に減給1カ月の懲戒処分を受けた。
市教委の発表によると、教諭は児童を指導している際に「叩く体罰」を行った。
学校名や発生時期、児童の学年、叩いた回数や部位、けがの有無などは公表されていない。市教委は、被害児童のプライバシーへの配慮と二次被害の防止などを理由に、それ以外の事項を非公表としている。
この処分は、2026年度に札幌市教委が公表した体罰による懲戒処分として2件目となる。
胸を押して尻もち、後頭部も押す
もう1件の体罰処分は6月25日に行われた。
処分を受けたのは札幌市立小学校の40代男性教諭で、処分は戒告だった。
市教委によると、清掃時間中、トイレの手洗い場付近が水浸しになっていたため、その場にいた児童を指導した。教諭はその際に感情的となり、児童を別室へ連れて行って強い口調で叱責。さらに胸を手で押して尻もちをつかせた。
その後、清掃場所へ戻った際にも児童の後頭部を手で押したという。
同じ年度に小学校教諭2人がそれぞれ体罰で懲戒処分を受けたことになる。
給付金10件、約4年間にわたり請求せず
8月28日には、札幌市立小学校の60代女性教諭が停職1カ月となった。
市教委の発表では、女性教諭は2022年2月から2026年3月にかけ、保護者から提出された日本スポーツ振興センター災害共済給付金の申請書類の一部を保管したまま失念。10件、総額3万2922円の給付金を請求していなかった。
さらに2026年3月から4月にかけ、未処理の給付金申請書類などを含む文書を自宅へ持ち出したほか、校内の執務室外にある職員が出入りする物品庫にも放置していた。
市教委の公表資料には、さらに看過できない記載がある。この女性教諭について「過去に同様の不適切な事務処理により懲戒処分を受けている」としている。
過去の処分後にどのような再発防止策や管理が行われていたのかは、今回公表された資料だけでは分からない。
人身事故でも2人を懲戒処分
交通事故による処分も2件あった。
7月24日には、札幌市立中学校の20代男性教諭が減給3カ月となった。
事故が起きたのは2025年1月9日。教諭が私用で自家用車を運転し、北50条東7丁目付近の交差点で右折しようとしたところ、直進車と衝突した。
相手車両の運転手は全治10日程度のけがを負い、同乗者も足を骨折するなどした。教諭は違反点数8点、免許停止30日間の行政処分を受けたほか、略式起訴され、罰金40万円の刑事処分を受けた。
8月28日には別の交通事故で、札幌市立中学校の60代男性非常勤講師が減給3カ月となった。
市教委によると、講師は2月8日、厚別中央3条3丁目付近の交差点で赤信号を見落として進入しようとし、右方から信号に従って進入した車と衝突した。
相手車両の運転手が右手関節捻挫で加療1週間、同乗者が左第5肋骨骨折などで加療1カ月と診断された。講師は違反点数8点、免許停止30日間の行政処分を受け、略式起訴され罰金60万円となった。
スーパーで2421円相当の商品をレジ通さず店外へ
年度最初の処分は4月23日だった。
札幌市立中学校の50代男性教諭が、3月18日午後、豊平区内のスーパーで食料品など3点、計2421円相当を手に持ったままレジを通らず店外へ出た。
警備員に呼び止められ、警察から事情聴取を受けたという。
市教委はこの事案を「窃盗事故」として、男性教諭を停職1カ月とした。
一方、公表資料には逮捕や起訴、有罪判決などの記載はない。このため、刑事手続きについて公表内容を超えた判断はできない。
前年度は27件、体罰8件・交通事故10件
札幌市教委の統計を見ると、2025年度の学校職員に対する懲戒処分は27件だった。
内訳は免職3件、停職6件、減給9件、戒告9件。処分理由では体罰8件、わいせつ1件、ハラスメント2件、その他服務5件、交通事故10件、監督責任1件となっている。
2026年3月27日だけでも4人が処分された。
60代男性中学校教諭は、生徒への指導中に感情的となり、顔を上げさせようとして右手指先で生徒の左顎を強く跳ね上げたとして減給1カ月。
別の50代男性中学校教諭は、指導中に感情的になって生徒の胸倉をつかみ、恫喝と感じられる発言をしたとして停職3カ月となった。
同じ日には、複数の生徒とSNSを使って私的なやりとりをしたとして、20代男性教諭と60代男性学校職員がそれぞれ停職1カ月となっている。
札幌市教委の統計では、2024年度の懲戒処分は18件だったため、2025年度は9件増加したことになる。特に交通事故は8件から10件、体罰は2件から8件へ増えている。
ただし、2026年度については9月18日時点の途中集計であり、前年度の年間27件と単純に比較することはできない。
処分件数だけでは見えない再発防止
札幌市教委は、懲戒処分の透明性確保と非違行為の未然防止を目的として「学校職員の懲戒処分に関する指針」を策定している。
それでも、2025年度には27件の懲戒処分があり、2026年度も半年を待たず6件が公表された。
とりわけ確認が必要なのは、過去にも同様の不適切な事務処理で懲戒処分を受けていた小学校教諭が、再び給付金の未請求や書類の不適切な取り扱いで処分された事案だ。
前回の処分後にどのような再発防止措置が取られたのか。給付金の未処理を約4年間把握できなかったチェック体制はどうなっていたのか。体罰についても、2025年度の8件を受けて実施した対策と、その効果を検証する必要がある。
公表された「処分」の先にある学校と教育委員会の再発防止策まで確認することが、今後の焦点となる。
このニュースのポイント
担当記者:週刊TAKAPI編集部

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