【愛媛・松山】小学校で「いじめ重大事態」 女子児童名で偽手紙、公園へ呼び出す内容 被害児童は不登校に

松山市立小学校で女子児童の名前を使った偽の手紙を対象児童に渡したいじめが不登校重大事態と認定された事案を伝える週刊TAKAPIの報道アイキャッチ

2026.09.30

松山市教育委員会は、市立小学校で起きたいじめについて、2025年12月にいじめ防止対策推進法に基づく「不登校重大事態」と認定し、2026年9月に調査報告書の概要を公表した。

調査によると、複数の児童が対象児童の好意を寄せる相手を探る中で、同じ学級の女子児童の名前を使った偽の手紙が作られた。

手紙は、放課後に近くの公園へ来るよう求める内容だった。偽物だったことが判明した後、対象児童は登校できない状態となった。

女子児童の名前で「放課後、公園へ」

調査報告書によると、事案が起きたのは2025年10月21日。

3時間目の終了後、関係児童AとBが、対象児童が好意を抱いている異性について話し、関係児童Cにも意見を求めた。

その中で、同じ学級の女子児童Dの名前が挙がった。

昼休みにはAがDの名前を使い、対象児童に放課後、近くの公園へ来るよう求める内容の手紙を作成した。

BとCは手紙を書いている様子を見ていたものの、制止や注意はしなかったとされる。

母親が違和感 女子児童は「書いていない」

Aは5時間目が始まる前に対象児童へ手紙を渡した。

放課後、対象児童は塾でCに手紙を見せたが、Cは偽物だと知りながら、そのことを伝えなかったとされる。

帰宅後、対象児童が母親に手紙を見せたところ、母親が内容に違和感を持った。

母親が名前を使われた女子児童Dの家庭へ確認した結果、D本人が手紙を書いていないことが判明した。

母親は同日午後6時ごろ、学級担任へ連絡した。

その後、対象児童は登校できない状態となった。

2025年12月に「不登校重大事態」と認定

学校は保護者から連絡を受けた後、関係児童から聞き取りを行い、管理職を含めて情報を共有した。

校内のいじめ防止対策委員会を開催し、いじめとして認知。関係児童への指導や保護者への説明、学級アンケートなどを実施した。

しかし、対象児童が登校できない状態は続いた。

2025年12月、保護者から相談を受けた松山市教委は、いじめにより相当期間の欠席を余儀なくされた疑いがあるとして、「不登校重大事態」と認定した。

2026年9月に、その調査結果をまとめた報告書の概要が公表された。

学習支援や謝罪方法 学校対応にも課題

調査報告書では、いじめ発生後の学校側の対応についても複数の課題が指摘された。

対象児童の保護者が担任に依頼した学習プリントが届かなかったほか、前日と同じ課題が送られたケースもあったとされる。

学校からの手紙が、不登校となってから2週間以上たって届いたことも記載された。

謝罪方法をめぐっては、被害児童側が双方の保護者が立ち会う形を希望した一方、学校側は児童同士による謝罪を進めようとしたとされる。

また、学校側が教育委員会の同意を得ていない状態で「教育委員会も同意している」と説明したことや、対象児童の保護者について「関係児童の前で冷静でいられないだろう」と発言したことも報告書に記載された。

報告書は、こうした対応について、保護者の心情への配慮が十分ではなかったと検証している。

転校時の情報提供でも確認不十分

対象児童が転校する際には、保護者への確認が十分でない状態で、転校先へ情報が提供されたことも報告書に記載された。

また、調査報告書では、対象児童本人への直接の聞き取りが実施されていなかったことも明らかにされている。

市教委は、対象児童が登校できない状態になった結果を踏まえ、本人の心理状態や保護者の心情に、より丁寧に寄り添う必要があったとしている。

2026年2月末に市外へ転居

対象児童はその後、松山市の教育支援施設「松山わかあゆ教室」に通い、学習機会を確保した。

2026年2月末には市外へ転居した。

調査報告書によると、転校先の小学校では落ち着いた学校生活を送ることができたという。

関係児童3人については、市教委担当者とそれぞれの保護者が立ち会う中で謝罪の機会が設けられた。

市教委、再発防止を各校へ周知

松山市教委は今回の事案を受け、市内の小中学校長や生徒指導主事に対し、いじめ重大事態への初期対応やガイドラインに沿った対応を改めて周知した。

学校側には、児童間の関係や学級の雰囲気を日常的に把握すること、教職員研修、複数の教職員による見守り、相談しやすい環境づくりなどを求めている。

編集部まとめ

松山市の市立小学校で、女子児童の名前を使い、放課後に公園へ来るよう求める偽の手紙を対象児童へ渡した行為がいじめと認定された。

偽手紙だったことが判明した後、対象児童は登校できなくなり、市教委は2025年12月に「不登校重大事態」と認定。2026年9月に調査報告書の概要を公表した。

報告書では、いじめ行為だけでなく、学習支援、謝罪方法、保護者への説明、転校時の情報提供など、学校側の事後対応についても改善すべき点が指摘されている。

週刊TAKAPI 編集部

特記事項

この記事は2026年9月に松山市教育委員会が公表した「松山市立小学校いじめ重大事態調査報告書 概要版」と、9月30日時点の公開情報をもとに構成しています。

いじめ重大事態としての認定は2025年12月、調査報告書概要の公表は2026年9月です。

被害児童、関係児童、名前を使用された女子児童、学校を特定できる情報は掲載していません。

報告書では関係児童をA、B、C、名前を使用された女子児童をDとして匿名化しています。本稿でも児童の特定につながる情報は扱いません。

Q何が「いじめ重大事態」と認定されたのですか?
A女子児童の名前を使った偽の手紙を対象児童へ渡し、放課後に公園へ来るよう求めた事案です。その後、対象児童が登校できない状態となりました。
Q手紙を書いたのは女子児童本人ですか?
Aいいえ。調査報告書によると、別の児童が女子児童の名前を使って作った偽の手紙でした。
Qいつ「重大事態」と認定されたのですか?
A松山市教育委員会が「不登校重大事態」と認定したのは2025年12月です。調査報告書の概要は2026年9月に公表されました。
Q学校側の対応にも課題があったのですか?
Aはい。調査報告書では、学習支援、謝罪方法、保護者への説明、転校時の情報提供などについて、より丁寧な対応が必要だったとしています。
Q被害児童は現在どうしていますか?
A2026年2月末に市外へ転居し、調査報告書では転校先の小学校で落ち着いた学校生活を送ることができたとされています。
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