豊橋市で「犯罪被害者等支援条例」施行 被害者・家族を地域で支える仕組みへ 市民意見は0件

愛知県豊橋市で10月1日、「豊橋市犯罪被害者等支援条例」が施行された。

犯罪被害に遭った本人だけでなく、その家族や遺族などを含む「犯罪被害者等」への支援を総合的に進め、安全に安心して暮らせる地域社会の実現を目指す。豊橋市は同日、条例の施行について正式に公表した。 (豊橋市公式サイト)

週刊TAKAPIの調べによると、豊橋市ではこれまでも安全生活課に犯罪被害者等の相談窓口を設置し、国や愛知県の制度、市の各種行政サービスにつなぐ対応を行ってきた。

一方、過去の市議会答弁では、市側が「本市では、犯罪被害者等に特化した支援制度はありません」と説明していた。今回の条例制定は、こうした従来の対応から一歩進め、犯罪被害者等への支援を市の施策として体系的に位置付けるものとなる。 (豊橋市公式サイト)

被害後に続く「二次被害」も支援の課題に

犯罪による被害は、事件そのものだけで終わるとは限らない。

被害者や家族、遺族は、身体的・精神的な被害に加え、生活環境の変化や経済的な問題など、事件後もさまざまな困難に直面することがある。

豊橋市が条例制定に先立って2026年6月24日の市議会総務委員会に示した「豊橋市犯罪被害者等支援条例(仮称)の考え方」では、犯罪被害者等への支援を総合的に推進する方向性が示されていた。 (豊橋市公式サイト)

市が今回の条例で掲げる目的は、犯罪被害者等への支援に関する施策を総合的に推進し、「安全に安心して暮らすことができる地域社会」の実現につなげることだ。 (豊橋市公式サイト)

犯罪被害者支援を、事件直後だけの問題ではなく、その後の生活をどう支えるかという地域行政の課題として位置付けた形だ。

市役所に「総合的対応窓口」

豊橋市は犯罪被害者等に対する総合的な対応窓口を、市民協創部安全生活課に設けている。

「どこに相談したらよいかわからない」といった場合も含め、犯罪被害者等支援担当が相談を受け付ける。

市は市役所内部の支援業務についても担当部署や連絡先をまとめており、必要に応じて愛知県、愛知県警、法テラス、被害者サポートセンターあいちなどの関係機関につなぐ体制を案内している。 (豊橋市公式サイト)

総合的対応窓口は安全生活課の「犯罪被害者等支援担当」で、電話番号は0532-51-2554。

被害者自身が複数の行政窓口や支援機関を一から探さなければならない負担を、どこまで軽減できるかも今後の運用上のポイントとなる。

条例案への市民意見は「0件」

条例制定までの過程では、市民からの意見募集も行われた。

豊橋市は7月6日から8月5日まで、「豊橋市犯罪被害者等支援条例(仮称)の考え方について」のパブリックコメントを実施した。

しかし、市が公表した結果によると、期間中に提出された意見は0件だった。 (豊橋市公式サイト)

犯罪被害者支援は、実際に被害に遭うまで行政制度との接点を持ちにくい分野でもある。

条例を制定するだけでなく、いざというときに市民が制度や相談窓口を知っている状態をどうつくるのか。施行後は制度そのものの周知も課題となる。

「条例制定」で終わらせない運用が問われる

今回の条例施行によって、豊橋市における犯罪被害者等への支援は新たな段階に入った。

市はこれまでも相談窓口を設け、国や県などの制度につなぐ対応を行ってきた。一方で、過去の市議会では犯罪被害者等に特化した市独自の支援制度がないことも明らかになっていた。 (豊橋市公式サイト)

条例という法的な枠組みが整った以上、次に重要になるのは実際の運用だ。

被害直後の相談から、その後の生活、精神的負担、経済的問題などに対して、市役所内部や警察、県、民間支援団体などがどのように連携するのか。

そして、犯罪被害者等が必要な支援へ実際にたどり着ける仕組みになるのか。

週刊TAKAPIでは、条例施行後の具体的な支援制度や利用状況、市の運用について引き続き確認していく。


このニュースのポイント

Q豊橋市で何が始まった?
A「豊橋市犯罪被害者等支援条例」が2026年10月1日に施行されました。犯罪被害者本人だけでなく、家族や遺族などへの支援を総合的に進めるための条例です。
Qこれまで支援はなかった?
A相談窓口などは以前からありました。ただ、過去の市議会答弁では、豊橋市は犯罪被害者等に特化した市独自の支援制度はないと説明していました。
Qどこに相談すればいい?
A豊橋市安全生活課の「犯罪被害者等支援担当」が総合的対応窓口です。電話は0532-51-2554です。
Q市民から条例案への意見はあった?
A7月6日から8月5日まで実施されたパブリックコメントでは、提出された意見は0件でした。
Q今後のポイントは?
A条例を制定しただけでなく、被害者や家族が必要な支援へ実際につながれるか、関係機関との連携や市民への周知を含めた運用が焦点になります。

【担当記者:松本】

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