【愛知・名古屋】いじめ訴えた日記に「花丸」、660万円の賠償請求を棄却 椙山女学園小訴訟で名古屋地裁

愛知県名古屋市の椙山女学園大学附属小学校で、いじめを訴えた日記への花丸を巡る訴訟について、名古屋地裁が660万円の損害賠償請求を棄却した判決を伝える報道アイキャッチ

名古屋市千種区の私立・椙山女学園大学附属小学校で、いじめを訴えた女子児童の日記に担任教諭が「花丸」をつけて返却したことなどを巡り、児童と父親が学校法人などに計660万円の損害賠償を求めた訴訟で、名古屋地裁(作田寛之裁判長)は10月15日、原告側の請求を棄却した。

裁判所は、教諭が日記の記載内容を肯定的に評価する目的で花丸をつけたとは認められないと判断。学校側の対応について、損害賠償責任を生じさせる不法行為が成立するとまでは認めなかった。

学校を運営する学校法人椙山女学園は判決当日、学園側の主張が全面的に認められたとの見解を公表した。

小学5年の女子児童が「死ね」と書かれた日記を提出

判決によると、当時小学5年だった女子児童は2023年、別の児童から「死ね」などと言われたと訴える内容を日記に書き、担任教諭に提出した。

ところが、教諭はその日記に花丸を書いて返却した。

児童と父親は、いじめを訴えた内容に花丸をつける行為は、暴言などを肯定的に評価したと受け止められる不適切な対応だったなどと主張。学校側の対応によって精神的苦痛を受けたとして、運営法人などに計660万円の損害賠償を求めていた。

名古屋地裁「内容を肯定する趣旨ではない」と判断

15日の判決では、花丸が何を意味していたのかが争点の一つとなった。

裁判所は、担任教諭が日記の内容について、一方的ないじめではなく、相手児童から言い返された場面だと判断していた点などを考慮した。

さらに、花丸は日記の提出を確認した印だったという教諭側の説明を認め、記載内容を肯定的に評価する趣旨だったとは認められないと判断した。

そのうえで、学校側の対応が不法行為に当たるとまでは認めず、原告側の請求を退けた。

この判決は、花丸をつけた行為などについて損害賠償責任を認めなかったもので、児童が訴えた個々の言動がすべて存在しなかったと判断したものとは区別する必要がある。

2023年には学校側が不適切と説明 今回は賠償責任認めず

この問題が表面化した2023年12月、学校側は報道機関の取材に対し、担任は日記を確認した意味で花丸をつけたものの、記載内容を踏まえると適切ではなかったとの認識を示していた。

一方、今回の民事訴訟では、花丸をつけた行為について、損害賠償を命じる法的責任があるかどうかが問われた。

学校側が当初、教育上の対応として適切ではなかったと説明したことと、裁判所が不法行為の成立を認めなかったことは、判断の対象が異なる。

椙山女学園「主張が全面的に認められた」 判決当日に声明

学校法人椙山女学園は10月15日、椙山泰生理事長名で判決に関する声明を発表した。

学園は、裁判所が適正な判断を示し、学校側の主張が全面的に認められたとの受け止めを表明した。

また、これまで一貫して誠実に対応してきたと説明し、今後も社会的責任を果たしながら関係者の信頼に応えるよう努めるとしている。

一方、係争に関する詳細についてはコメントを差し控えるとした。

編集部まとめ

名古屋地裁は、いじめを訴えた日記に花丸をつけた行為について、記載内容を肯定する意図があったとは認めず、660万円の賠償請求を棄却した。

2023年に学校側が示した教育上の対応への認識と、今回の民事上の法的判断は区別する必要がある。

週刊TAKAPI 編集部/一条

特記事項

本記事は、2026年10月15日の名古屋地裁判決に関する読売新聞、共同通信、中京テレビの報道と、学校法人椙山女学園が同日に公表した理事長名の正式声明を照合して作成した。

2023年当時の学校側の認識については、同年12月の報道に基づく。

判決文の全文は取得できていないため、裁判所の判断は判決を報じた各社の情報に基づいている。控訴の有無も確認できていない。

女子児童および相手児童については、未成年者のプライバシー保護のため、氏名など個人を特定する情報は掲載していない。

Q椙山女学園大学附属小学校の「花丸」訴訟とは何ですか?
A2023年、当時小学5年の女子児童がいじめを訴えた日記に担任教諭が花丸をつけて返却したことなどを巡り、児童と父親が学校法人などに損害賠償を求めた訴訟です。
Q名古屋地裁の判決はどうなりましたか?
A2026年10月15日、名古屋地裁は原告側の660万円の損害賠償請求を棄却しました。
Q裁判所はなぜ花丸を不法行為と認めなかったのですか?
A担任教諭が日記の記載内容を肯定する目的で花丸をつけたとは認められず、提出確認の印だったという説明などを考慮したためです。
Q判決でいじめがなかったと認定されたのですか?
A今回報じられた判決の中心は、学校側の対応に損害賠償責任が生じるかという点です。請求棄却だけをもって、児童が訴えたすべての言動が存在しなかったと断定することはできません。
Q学校法人椙山女学園は判決をどう受け止めていますか?
A学園は10月15日、学校側の主張が全面的に認められ、適正な判断が示されたとの見解を公表しました。

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