美容室チェーンの本部職員を装い、女性美容師に謝罪やわいせつな言葉を要求するなどして業務を妨害したとして、警視庁捜査1課が東京都豊島区南大塚の会社員、唐鎌弘行容疑者(39)を偽計業務妨害の疑いで逮捕したことが、10月22日までに分かった。
唐鎌容疑者は埼玉県内の美容室に電話をかけ、客から苦情が寄せられていると偽って美容師に謝罪を要求。「ご主人様、お許しください」などと言わせようとした疑いが持たれている。警視庁は、同じチェーンの複数店舗に約70件の電話をかけていたとみて、余罪の有無を調べている。
「客からクレームが入っている」本部職員を装って謝罪要求
捜査関係者によると、唐鎌容疑者は6月26日と27日、首都圏を中心に展開する大手美容室チェーンの埼玉県内の店舗に電話をかけ、フランチャイズ本部の職員を名乗って美容師らの業務を妨害した疑いがある。
電話では「お客さんからクレームが入っている」と説明したうえで、「俺に謝罪しろ。『ご主人様、お許しください』と言え」などと要求したとされる。さらに、女性美容師にわいせつな文言を言わせようとした疑いもあり、警視庁が詳しい経緯を調べている。
本部職員を装い、客からの苦情という業務上の用件を持ち出した点が今回の手口の特徴だ。実際の苦情対応と見せかけて従業員を電話口に呼び出し、業務とは関係のない要求を繰り返していたとみられている。
ホームページで名前や写真を確認 特定の女性美容師を呼び出しか
唐鎌容疑者は電話をかける前に、美容室のホームページなどで従業員の名前や顔写真を確認し、特定の女性美容師を電話口に呼び出していたとみられている。
美容室のホームページには、利用客が担当者を選ぶ際の参考となるよう、従業員の顔写真や経歴などが掲載されていることが多い。今回の事件では、そうした公開情報が特定の女性従業員に接触するために使われた疑いがあり、単に店舗へ無差別に電話をかけていたわけではない可能性が浮上している。
一方、女性美容師を選んだ具体的な基準や、電話で要求された内容の全容については明らかになっていない。
「困った女の子の反応を聞いてストレス発散」容疑認める
警視庁の調べに対し、唐鎌容疑者は容疑を認めており、困った女性の反応を聞くために電話をかけ、ストレスを発散させていたという趣旨の供述をしている。
本部職員という立場を偽り、女性美容師を名指ししたうえで謝罪やわいせつな発言を求めていたとされる今回の事件。供述からは、実際に店側の対応へ不満を持っていたのではなく、女性従業員を困惑させることを目的としていた可能性がうかがえる。
警視庁は電話の内容や回数を確認するとともに、同様の要求がほかの店舗でも繰り返されていなかったか調べている。
6月下旬から7月上旬に約70件か 系列店からの相談で発覚
事件が明らかになったのは、同じ美容室チェーンの別の店舗から警視庁に相談が寄せられたことがきっかけだった。
7月に不審な電話について相談を受けた警視庁が捜査を進めたところ、唐鎌容疑者の関与が浮上したという。捜査1課は、6月下旬から7月上旬にかけて、同チェーンの複数店舗に約70件の電話をかけていたとみている。
ただし、約70件すべてが今回の逮捕容疑に含まれているわけではない。逮捕容疑の対象は6月26日と27日の埼玉県内の店舗に対する電話で、ほかの電話については内容や業務への影響などを調べている段階だ。
特定の従業員を呼び出す行為が何店舗で繰り返されていたのか、わいせつな文言を求める電話がどの程度あったのかについても、今後の捜査で解明が待たれる。
編集部まとめ
本部職員を装って女性美容師に謝罪やわいせつな言葉を要求したとされる今回の事件では、従業員の名前や写真を事前に確認し、特定の女性を電話口に呼び出していた疑いがある。
警視庁は約70件に及ぶ電話についても調べており、同様の手口がどの範囲まで繰り返されていたのかが焦点となる。接客業務に必要な従業員の公開情報が、不審な接触に利用されたとみられる点も見過ごせない。
特記事項
本記事は2026年10月23日までに確認された警視庁の捜査に関する報道情報に基づき構成した。逮捕容疑は捜査段階のものであり、刑事責任が確定したものではない。
週刊TAKAPI 編集部/黒木
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