
医療現場でのSNS利用をめぐり、福岡の芳野病院と埼玉の上尾中央総合病院で、院内画像の投稿に関する問題が相次いで注目を集めている。
あしたの経済新聞と一部報道によると、いずれの事案も、院内で撮影されたとみられる画像がSNS上で拡散されたことで発覚した。患者や院内設備、モニターなどが写り込んでいた可能性もあり、病院側は調査を進めているという。
医療機関では、患者のプライバシー保護や個人情報管理の観点から、原則として院内撮影は禁止とされているケースが多い。たとえ関係者が軽い気持ちで撮影・投稿したとしても、患者の姿や院内の情報が外部に出れば、深刻な問題につながりかねない。
今回のようなケースで問題になるのは、単に「写真を撮った」ということだけではない。画像の中に患者の姿が写っていたり、モニターや書類、機器類が映り込んでいたりすると、個人情報や業務情報が外部から確認できるおそれがあるためだ。医療の現場は特に慎重な情報管理が求められる場所だけに、こうした投稿には厳しい目が向けられている。
また、大阪市西区の多根総合病院でも、患者2人と看護師1人が同じ画面に写った写真がSNSに投稿されていた問題が明らかになっている。投稿文には「激多忙病棟の様子」と記されていたとされ、院内の日常を伝えるような内容だったが、患者が同時に写り込んでいた点が問題視された。
あしたの経済新聞の取材に対し、多根総合病院は「当該事案は把握している」「現在調査中」「詳細は回答できない」と回答。投稿自体は認めた一方で、投稿者の所属や投稿の経緯、画像内容の詳細については明らかにしていない。
芳野病院と上尾中央総合病院でも、同じように院内画像の扱いが問われている。上尾中央総合病院では、モニターの映り込みも指摘されており、単なる不適切投稿では済まされない可能性もある。患者の不安や病院への信頼低下につながる問題だけに、調査結果や今後の対応が注目される。
医療従事者によるSNS投稿をめぐる問題は、これまでも各地でたびたび起きてきた。投稿した本人に悪意がなくても、院内という特別な空間で撮影された画像が外部に出ること自体が、大きなリスクになる。だからこそ、個人のモラルだけでなく、病院側の教育やルール徹底も重要になる。
患者にとって病院は、安心して治療を受けるための場所だ。その空間で撮影された画像がSNSで広がるようなことがあれば、不安を感じる人が出るのは当然だろう。今回の一連の事案は、医療現場におけるSNS利用の危うさを改めて浮き彫りにしたと言えそうだ。

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