週刊TAKAPI編集部/担当記者:成田
グラウンドなら、誰かの目がある。
寮では、それが見えにくい。
新潟県上越市の関根学園高等学校硬式野球部で、男性監督(34)が部員への体罰と報告義務違反により、日本学生野球協会から2カ月間の指導停止処分を受けていたことが分かった。
関係者によると、今年5月中旬、学校寮で野球部員同士が口論となった。監督はトラブルの原因とみなした生徒に対し、部屋に入るよう促したが、生徒がすぐに従わなかったため、その胸を手で強く押したという。
確認された行為は少なくとも2回。日本学生野球協会は、これを体罰と認定した。
問題は、単に「押したかどうか」ではない。
学校寮は、生徒にとって生活の場だ。そこに監督が入ってくる。部屋に入れと促される。すぐに従わない。そこで胸を押される。
この流れの気持ち悪さは、けがの有無だけでは測れない。
事案は5月末、被害を受けた生徒の保護者から学校に連絡があり発覚した。学校は被害生徒と監督から事実関係を確認し、内部処分を実施。その後、日本学生野球協会が6月19日の審査会議で審議し、5月26日から7月25日までの指導停止を決定した。
学校側は部員に処分内容を説明し、現在は野球部長、顧問、外部コーチが指導を担っている。部長と顧問は部員と個別面談を行い、メンタルケアにも当たっているという。
鈴木重幸校長は、重大なけがには至らなかったものの許される行為ではないとし、被害生徒へのケアと人権を尊重した指導の徹底を説明している。
ただ、読者が知りたいのは「再発防止に努めます」という整った言葉ではない。
なぜ寮の中で、監督の手が生徒の胸元まで伸びたのか。なぜ体罰だけでなく、報告義務違反まで認定される事態になったのか。そこが抜ければ、処分はただの事務処理で終わる。
関根学園高野球部は、地域で存在感のあるチームとして知られる。だからこそ、勝敗よりも先に問われるものがある。
強いチームかどうかは、試合で分かる。
だが、まともなチームかどうかは、寮の中で分かる。
胸を押した2回。
その小さく見える動作に、指導現場の古い嫌な空気がにじんでいる。
本記事は、学校関係者への取材および関係機関の処分内容をもとに構成しています。被害生徒の特定につながる情報は記載していません。今後、学校側や関係機関から追加説明があった場合は、内容を追記・更新します。
編集部まとめ
今回の処分で一番厄介なのは、行為が「小さく見える」ことだ。
小さく見えるから、処理される。
処理されるから、忘れられる。
忘れられるから、現場に残る。
だが、生徒の側に残るのは「2カ月停止」という処分名ではない。
寮の中で、監督の手が胸元に来た瞬間だ。
勝てるチームを作る前に、手を出さない現場を作れ。
それができない強豪の看板は、ただの飾りである。
Q1. 関根学園高野球部監督はなぜ処分されたのですか?
学校寮で部員の胸を手で強く押した行為が体罰と認定され、さらに報告義務違反もあったためです。
Q2. 処分期間はどれくらいですか?
日本学生野球協会から2カ月間の指導停止処分を受けています。
Q3. どのような行為が体罰と認定されたのですか?
部員同士の口論をめぐり、監督が生徒に部屋へ入るよう促した際、生徒がすぐに従わなかったため、胸を手で強く押した行為です。少なくとも2回確認されています。
Q4. なぜ学校寮での体罰が問題視されるのですか?
寮は生徒の生活空間であり、外部の目が届きにくい閉じた場所です。そこで指導者が身体的な力を使った場合、生徒は心理的に逃げにくく、力関係の問題がより深刻になります。
Q5. 今回の問題で最も問われている点は何ですか?
体罰行為そのものに加え、報告義務違反まで認定された点です。現場で何が起き、誰が把握し、なぜ適切に報告されなかったのかが問われています。
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