
広島大学附属小で発覚した「重大事態」
2022年夏、広島県内にある広島大学附属小学校で、当時6年生の男児が不登校となる事案が発生していた。いわゆる「いじめ重大事態」として扱われるケースだが、その認定をめぐって学校側の対応に大きな揺れがあったことが明らかになった。
学校が公表した報告書によると、男児は2022年6月から7月にかけて、同級生から身体的特徴を揶揄するあだ名で呼ばれるなどの言動を受けていた。また、ボール遊びの際に意図的に集中して狙われるなど、精神的負担を強く感じる状況が続いていたという。
その後、男児は同年8月29日から登校できなくなった。
■「いじめが主因ではない」とされた初期判断
事態を受けて学校側は調査委員会を設置。しかし、2022年12月にまとめられた当初の報告書では、「いじめに加えて受験ストレスなどの心理的負担が重なった」とされ、いじめが不登校の“主要因”とは位置付けられなかった。
この結論に対し、保護者側は強く反発。「事実のねつ造」とまで訴え、再調査を求める事態となった。
■約3年後の“訂正” 何が変わったのか
その後、調査委員会は男児本人の証言などを改めて精査。2025年12月、結論は大きく修正される。
「いじめが主要因で不登校になったと認めるのが相当」
当初の見解から一転し、いじめの影響を明確に認める形となった。
つまり――
最初の調査では“補助的要因”とされたいじめが、再調査では“中心的な原因”へと位置づけ直されたことになる。
■なぜ判断は揺れたのか
今回のケースで浮かび上がるのは、「調査の精度」と「子どもの声の扱い方」だ。
初期報告では、受験ストレスなど複数要因が強調され、いじめの影響は相対的に薄められていた。しかし再調査では、男児の具体的な体験や継続的な被害の実態が重視され、結論が覆った。
ここには、次のような問題が見え隠れする。
学校側の初動調査は十分だったのか 子どもの証言はどこまで正確に反映されていたのか 「いじめ」と認定することへの慎重さが、結果的に過小評価につながっていなかったか
■“重大事態”の重みと、遅すぎた認定
いじめ防止対策推進法では、不登校などに至るケースは「重大事態」として迅速かつ適切な調査が求められている。
しかし今回、主要因の認定が見直されるまでに約3年を要した。
この時間は、当事者である子どもや家族にとって、決して軽いものではない。
■見えてきた課題
今回の一件は、単なる学校内トラブルにとどまらない。
「いじめの認定は誰のためにあるのか」
「調査は本当に被害側に寄り添っているのか」
そんな根本的な問いを突きつけている。
■あなたはどう考えるか
最初の調査で見落とされたものは何だったのか。
そして、3年後の“訂正”は適切だったのか、それとも遅すぎたのか。
いじめをめぐる判断のあり方について、今あらためて考える必要がある。

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