妻子がいることを隠し、独身であるかのように装って女性と交際していたとして、東京地裁が男性に約460万円の支払いを命じた裁判で、男性側が判決を不服として控訴したことが分かった。
この裁判は、30代女性とその両親が、交際相手だった男性に対し、慰謝料など総額約1900万円の損害賠償を求めていたもの。女性側は、男性が妻子の存在を隠し、「離婚歴がある」などと説明したうえで約2年間交際を続けたと主張していた。
女性は男性との将来を前提に、不妊治療を経て妊娠・出産。その後、男性が実際には既婚者だったことが判明したという。東京地裁は先月23日、男性に対し、慰謝料など約460万円を女性へ支払うよう命じる判決を言い渡した。
1審で男性側は、独身であるかのような説明をしたこと自体は認めた一方、交際開始時には妻との離婚を考えていたと主張した。また、女性との関係についても、明確な婚約関係ではなく、関係を終える機会を失ったまま続いていたという趣旨の説明をしていた。
しかし東京地裁は、交際の経緯や当事者間のやり取り、妊活・不妊治療に至る流れ、家族を含めた関係性などを踏まえ、両者の間には婚約関係が成立していたと認定した。そのうえで、妊娠判明後に男性が既婚者だったことが発覚した点を重くみて、正当な理由のない婚約破棄にあたると判断した。
男性側は、この1審判決を不服として控訴した。今後は控訴審で、婚約関係の成立が認められるか、男性の説明や行為がどの程度違法と評価されるか、賠償額が妥当かどうかが改めて審理される見通し。
独身を装った交際をめぐっては、近年、SNSなどでも被害相談が表面化している。結婚や出産を前提とする関係で身分関係を偽った場合、相手の人生設計に重大な影響を与える可能性があり、今回の控訴審の判断にも関心が集まりそうだ。
編集部まとめ
妻子がいることを隠し、独身であるかのように装って女性と交際していたとされる裁判で、約460万円の賠償を命じられた男性側が控訴した。
1審の東京地裁は、交際の実態や妊活・不妊治療の経緯、家族ぐるみの関係性などを踏まえ、両者の間に婚約関係があったと認定。そのうえで、男性が既婚者だったことが妊娠判明後に発覚したことを、正当な理由のない婚約破棄と判断した。
控訴審では、婚約関係の成立、男性側の説明の違法性、精神的損害の評価、賠償額の妥当性が主な争点になるとみられる。
特記事項:本記事は、裁判資料、公開情報、各社報道をもとに週刊TAKAPI編集部が整理・構成しました。1審判決の内容は現時点の司法判断であり、控訴審で判断が変更される可能性があります。
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