糖尿病治療薬「マンジャロ」をめぐり、厚生労働省が警戒を強めている。
上野厚生労働大臣は6月5日の会見で、SNS上などで広がりつつあるマンジャロの個人間売買について、「マンジャロを個人間で売買することは違法であります」と明言した。そのうえで、厚労省として都道府県と連携し、SNSを含むインターネット上の監視体制を強化する方針を示した。
近年、マンジャロは本来の糖尿病治療目的を超え、「痩せる薬」としてSNS上で話題となり、一部ではフリマサイトやSNSを通じた個人売買も確認されている。しかし医療用医薬品は、適切な管理や医師の診察を前提として処方されるものであり、個人間での譲渡や販売は法律上の問題となる。
厚労省が問題視しているのは、違法な転売だけではない。
上野大臣は、医師の処方を受けた場合であっても、ダイエット目的での使用について「安全性や有効性は確認されておらず、思わぬ副作用につながる可能性が否定できない」と指摘。安易な美容目的での使用に改めて警鐘を鳴らした。
マンジャロは血糖値のコントロールを目的とした2型糖尿病治療薬であり、吐き気や嘔吐、下痢、低血糖などの副作用が報告されている。SNSでは著名インフルエンサーや美容系アカウントによる発信が相次ぎ、「短期間で痩せる薬」として拡散されてきたが、医療の専門家からは以前から危険性が指摘されていた。
最近では、人気インフルエンサーによるマンジャロ関連の発信が炎上し、謝罪や活動休止に発展する事例も発生している。今回の厚労大臣の発言は、こうした状況に対し国が正式に懸念を示した形ともいえる。
SNS時代では、医療用医薬品が口コミや体験談によって急速に拡散される。しかし、医薬品は美容商品や健康食品とは異なり、副作用や健康被害のリスクを伴う。
「痩せるから」「みんな使っているから」という理由で安易に購入・使用することは、自身の健康だけでなく、違法行為に巻き込まれるリスクにもつながる。
厚労省は今後、ネットパトロールを強化し、違法な販売や広告について厳正に対処していく方針だ。
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