広島県の県立中高一貫校に通っていた中学2年の男子生徒が2022年8月に死亡した事案で、県の第三者委員会が、学校側の指導体制や支援のあり方に厳しい指摘を加えた。
第三者委の報告書で問題視されたのは、男子生徒が抱えていた大量の課題と、教員による繰り返しの強い叱責だった。男子生徒は入学後、課題の提出に追われる状態が続き、提出が遅れた際には厳しい言葉を受けていたとされる。
報告書では、人格を否定するような発言や、周囲の生徒がいる場での強い指導があったことも指摘された。男子生徒は叱責を強く恐れるようになり、家庭でも課題提出への不安を訴えていたという。
さらに、学校生活アンケートでは、男子生徒について「支援が必要」と判定されていたにもかかわらず、その結果が本人や家族に十分共有されず、具体的なフォローにもつながらなかった点が問題視された。
第三者委は、男子生徒が強い緊張状態の中で学校生活を送り、心理的に限界に近い状態に置かれていた可能性を指摘している。
学校は開校当初、「個性尊重」を掲げていた。一方で、報告書では、次第に進学実績を重視する文化へ傾いていった可能性も示された。課題量の増加、提出管理の厳格化、強い叱責が重なれば、子どもにとって学校は学びの場ではなく、追い詰められる場になりかねない。
現校長は、今回の事案を重く受け止め、再発防止委員会を設置したと説明している。県はスクールカウンセラーの配置時間を増やす補正予算を可決したが、議会からは「それだけでは不十分」とする意見も出ている。
第三者委は、学校内部だけで対応を完結させることの限界を強調し、県教委から独立した外部相談窓口の整備を求めた。生徒が学校に相談できない場合でも、外部につながれる仕組みがなければ、SOSは埋もれてしまう。
遺族は、学校組織の体質が変わらない限り、同じことが起きるとの危機感を示している。
今回の事案は、成績や進学実績を優先する学校文化の中で、生徒の不安や限界をどう受け止めるのかを問うものだ。第三者委の提言を形式的な再発防止策で終わらせず、指導、支援、相談体制を具体的に見直せるかが問われている。
週刊TAKAPI編集部/成田
編集部まとめ
広島県の県立中高一貫校に通っていた中学2年の男子生徒が死亡した事案で、第三者委員会は、大量課題、教員による強い叱責、学校生活アンケート後の支援不足を問題視した。男子生徒は課題提出への不安を家庭でも訴えていたとされ、第三者委は、強い緊張状態の中で心理的に追い込まれていた可能性を指摘している。学校は再発防止委員会を設置し、県はスクールカウンセラーの配置時間を増やす方針だが、第三者委は独立した外部相談窓口の整備も求めている。
第三者委員会報告書、学校側説明、遺族コメント、県の対応、各社報道を基に構成。自死に関する事案のため、方法や現場の詳細な描写は避け、学校側の指導体制、支援不足、再発防止策に焦点を当てています。今後、県教委や学校側の追加説明により内容が更新される可能性があります。
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