フジテレビが、2027年1月期に放送を予定している「月9」ドラマの企画内容を見直したと、7月10日にスポーツニッポンが報じた。
当初は恋愛を軸とした作品として脚本制作が進み、主演俳優も内定していたとされる。しかし、ドラマ『夫婦別姓刑事』の撮影現場をめぐって浮上した佐藤二朗と橋本愛のハラスメント問題を受け、企画の方向性を変更する方針になったという。
だが、SNSでは「恋愛ドラマをやめれば解決する問題なのか」「見直すべきは作品の内容ではなく制作現場ではないか」と、フジテレビの対応に疑問を呈する声が上がっている。
月9の「恋愛もの」を変更か
報道によると、2027年1月期の月9は、当初、恋愛を中心に描く作品として準備が進められていた。
ところが、『夫婦別姓刑事』をめぐる騒動を受け、フジテレビ側が企画内容を再検討することになったとされる。
今回の方針転換に対し、SNSでは、
「そういう問題ではない」
「恋愛作品が悪いわけではない」
「変えるべきは現場のルールと制作体制」
などの趣旨の投稿がみられた。
視聴者が問題視しているのは、作品のジャンルではなく、出演者同士の認識の違いを制作側が事前に整理できなかったことや、問題が起きた後の対応だったと考えられる。
恋愛作品を避けたとしても、接触を伴う演技の確認方法や、出演者が不安や異議を伝えられる仕組みが曖昧なままであれば、根本的な再発防止にはならない。
佐藤二朗と橋本愛、残る認識の隔たり
騒動の発端となったのは、7月1日に「文春オンライン」が報じた『夫婦別姓刑事』の撮影現場をめぐる問題だった。
文春は、佐藤の言動について、フジテレビが外部弁護士による調査を行い、ハラスメントに当たると判断したと報道。その後、フジテレビも制作現場での経緯や対応について説明した。
一方、佐藤側は「週刊新潮」の取材などで、自身が認識している撮影当時の状況や、フジテレビ側の対応について反論している。
橋本側は所属事務所を通じ、フジテレビが公表した内容を事実と認識しているとの趣旨のコメントを出したとされ、両者の認識にはなお隔たりが残っている。
文春の報じ方にも批判
フジテレビだけでなく、騒動を最初に大きく報じた文春オンラインに対しても、SNSでは疑問の声が出ている。
一部では、当事者間の認識の違いや制作側の情報共有不足が十分に整理されないまま、刺激の強い見出しによって佐藤側だけに責任があるような印象が広がったのではないか、との指摘がみられた。
その後に報じられた内容では、橋本側が身体的接触に関する事情を事前に制作側へ伝えていた一方、その情報が佐藤本人には共有されていなかったとの説明もある。
こうした経緯から、SNSでは「当初の記事だけでは全体像が分からない」「フジテレビ側の責任も検証すべきだ」と、報道の構成を疑問視する投稿もみられる。
もっとも、SNS上の反応だけを根拠に、文春報道全体が誤っていたと断定することはできない。報道機関には追加情報が判明した際、当初の記事との関係を丁寧に説明する姿勢が求められる。
フジ側の担当弁護士にも批判
さらに、佐藤への事情聴取や、その後の橋本との接し方を伝えたとされるフジテレビ側の担当弁護士に対しても、SNSで批判が集まっている。
佐藤は「週刊新潮」の取材で、担当弁護士から橋本の状態や自身の俳優活動への影響を示唆する強い言葉を受けたほか、橋本と2人でいる際には雑談をしないよう求められた、との趣旨の主張をしていると報じられた。
この説明を受け、SNSでは、
「事情聴取する側として高圧的ではないか」
「会話を控えるよう求めながら、距離を取れば態度が悪いとされるのは矛盾している」
「中立的な調査だったのか説明が必要」
といった趣旨の声が一部で上がった。
ただし、これらは佐藤側の説明や報道をもとにした反応であり、弁護士側が実際にどのような表現を使い、どのような意図で対応したのかは、公開情報だけでは全容が分からない。
弁護士個人への批判を拡大させるのではなく、フジテレビが調査の目的や手順、出演者への指示内容について説明することが必要だろう。
弁護士個人の思想や経歴を結び付ける投稿も
SNSでは、担当弁護士の過去の活動や政策課題への賛同歴を取り上げ、今回の対応と結び付けて批判する投稿も確認されている。
しかし、弁護士個人の政治的・社会的な立場と、今回の調査が適切だったかどうかは分けて検証すべき問題だ。
政策への賛否だけを根拠に、調査が偏っていたと断定することはできない。問われるべきなのは、事情聴取が公平に行われたのか、関係者の主張を十分に聞いたのか、指示や判断の根拠が適切だったのかという具体的な手続きである。
企画変更より先に説明すべきこと
フジテレビが次期月9の企画を見直すこと自体は、企業としての判断だ。
しかし、『夫婦別姓刑事』をめぐっては、出演者への事前説明、制作スタッフ間の情報共有、問題発生後の聞き取り、弁護士による対応など、複数の論点が残されている。
その検証が十分に見えないまま「恋愛ものを変更する」と伝われば、視聴者が「問題の本質を取り違えている」と感じるのも無理はない。
必要なのはジャンルの変更ではなく、出演者と制作側が演技内容を事前に確認する仕組みや、問題を相談できる窓口、第三者調査の公平性を担保する手続きの明確化ではないか。
編集部まとめ
フジテレビが2027年1月期の月9ドラマについて、当初予定していた恋愛作品から企画内容を変更する方針だと報じられた。
背景には、『夫婦別姓刑事』の撮影をめぐる佐藤二朗と橋本愛のハラスメント問題があるとされる。
しかし、SNSではフジテレビの企画変更に対して「変えるべき場所が違う」との声が上がったほか、文春オンラインの報じ方や、フジテレビ側の担当弁護士による事情聴取・指示にも疑問が寄せられている。
一方で、弁護士側の対応については佐藤側の主張を通じて報じられている部分が多く、現時点で一方の説明だけを事実として断定することはできない。
フジテレビには、次のドラマの方向性を変えるだけでなく、制作現場と調査過程で何が起きたのかを具体的に説明する責任がある。
編集部コメント
今回の騒動では、佐藤二朗、橋本愛、フジテレビ、文春、担当弁護士という複数の当事者に批判が向かっている。
だが、誰か一人を「悪者」として決着させれば、制作側の情報共有不足や調査手続きの問題が見えなくなる。
文春の報道が適切だったのか。弁護士の事情聴取は中立だったのか。フジテレビは出演者の事情を正しく共有していたのか。それぞれを個別の証拠と説明に基づいて検証する必要がある。
「恋愛ドラマをやめる」という表面的な対応ではなく、制作現場と調査体制をどう変えるのか。フジテレビが示すべき答えは、そこにある。
本記事は、スポーツニッポン、文春オンライン、週刊新潮、フジテレビおよび関係者の公表内容、複数の報道をもとに、週刊TAKAPI編集部が独自に整理・構成しました。担当弁護士に関する記述には佐藤二朗側の主張に基づく報道が含まれており、弁護士側の見解を含む全容は明らかになっていません。SNS上の投稿は一部の意見であり、世論全体を示すものではありません。
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