佐賀県立高校2校のいじめを「重大事態」認定 唐津東では67日欠席、別の生徒はうつ病・PTSD

佐賀県立高校2校のいじめが重大事態と認定され、唐津東高校の生徒が計67日間欠席した問題を伝える報道アイキャッチ

佐賀県いじめ問題対策委員会は7月10日、県立高校2校で発生したいじめについて、いじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」に該当すると判断し、県教育委員会に調査結果を答申した。

唐津東高校では、部活動内で嫌がらせを受けた生徒が計67日間欠席し、現在も登校できていない。別の県立高校では、SNS上の誹謗中傷などを受けた生徒が、うつ病とPTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断されている。

唐津東高校では部活動内で複数の嫌がらせ

唐津東高校の事案は、2024年度に発生した。

被害生徒は、同じ部活動に所属する複数の生徒から、不快なあだ名を付けられたほか、部活動の開始時間を意図的に誤って伝えられるなどの行為を受けた。

その後、生徒は学校を休むようになり、欠席日数は計67日に達した。現在も登校できない状態が続いているという。

あだ名や虚偽の連絡は、一つひとつを切り離せば軽い悪ふざけと受け取られる可能性もある。しかし、特定の生徒に対して継続され、学校生活や部活動への参加を困難にした結果は重い。

県いじめ問題対策委員会は、長期欠席に至った経緯や被害の継続性を踏まえ、重大事態に該当すると判断した。

別の県立高校ではSNS上の誹謗中傷

もう1件は、学校名が公表されていない県立高校で起きた。

被害生徒は、2024~2025年度にかけてSNS上で誹謗中傷などを受け、医療機関からうつ病とPTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断された。

SNS上のいじめは、学校を離れた後も投稿やメッセージを通じて被害が続きやすい。内容が保存、転載、拡散されることで、被害生徒が精神的に逃げられる場所を失う危険もある。

同委員会は、心身に重大な影響が生じたことや、被害が複数年度に及んだ点を重く見て、この事案についても重大事態に当たると結論付けた。

学校側の把握と初期対応も検証へ

重大事態の調査では、いじめの具体的な経緯だけでなく、学校が被害をいつ把握し、どのような対応を取ったのかも重要な検証対象となる。

今回の答申では、県教育委員会や各校が初期段階で生徒の異変を把握できていたのか、相談や欠席の増加を受けて十分な支援を行ったのかが焦点となる。

県教育委員会はこれまでも、学校からの報告や相談体制の整備、いじめ防止に向けた教職員への指導を進めてきた。一方で、今回の2件では、部活動内の人間関係とSNS上という、教職員の目が届きにくい場面で被害が深刻化した。

学校側が表面上のトラブルだけで判断せず、生徒の欠席状況や態度の変化、交友関係の悪化などを早期に捉えられたかが問われる。

「いじめ重大事態」とは

いじめ防止対策推進法では、いじめによって児童や生徒の生命、心身または財産に重大な被害が生じた疑いがある場合や、相当期間にわたって学校を欠席することを余儀なくされた疑いがある場合を「重大事態」と位置付けている。

重大事態が確認された場合、学校や設置者には、事実関係を明らかにするための調査や、被害生徒と保護者への情報提供、再発防止策の検討が求められる。

いじめの認知件数が増加するなか、学校には、件数を把握するだけでなく、被害が長期欠席や精神疾患に至る前に支援へつなげる体制が必要となる。

被害生徒の回復を最優先に

県教育委員会は今後、答申内容を踏まえ、学校側の対応や事実関係を検証するとともに、再発防止策を具体化するとみられる。

唐津東高校の被害生徒は、現在も登校できていない。登校再開を急がせるのではなく、本人の心理状態や希望を確認しながら、学習機会の確保や専門家による支援を継続する必要がある。

SNS上の被害についても、投稿の削除だけで問題が解決するとは限らない。被害生徒の治療や学校生活への復帰、加害行為の再発防止まで含めた長期的な対応が求められる。

今回の2件は、学校内で目に見える暴力がなくても、言葉や情報操作、SNS上の攻撃によって、生徒の生活と健康が深刻に損なわれることを改めて示した。

特記事項:本記事は、佐賀県いじめ問題対策委員会の答申内容および公表情報を基に構成しています。被害生徒のプライバシー保護のため、公表されていない学校名、学年、性別などは記載していません。県教育委員会から追加の説明や調査結果が公表された場合、内容を更新する可能性があります。

週刊TAKAPI編集部/成田

編集部まとめ

佐賀県立高校2校で発生したいじめが、重大事態と認定された。

唐津東高校では、部活動内で不快なあだ名を付けられたり、開始時間を誤って伝えられたりした生徒が、計67日間欠席している。別の県立高校では、SNS上の誹謗中傷などを受けた生徒が、うつ病とPTSDと診断された。

今回問われるのは、加害行為の内容だけではない。学校や県教育委員会が生徒の異変をどの時点で把握し、被害の深刻化を防ぐ対応を取れたのかも検証される必要がある。

Q佐賀県で重大事態とされたのは何件ですか?
A県立高校2校で発生した2件です。いずれも、被害生徒の長期欠席や心身への重大な影響が確認されています。
Q唐津東高校ではどのようないじめがありましたか?
A同じ部活動に所属する複数の生徒から、不快なあだ名を付けられたり、部活動の開始時間を意図的に誤って伝えられたりする行為がありました。
Q唐津東高校の生徒は何日欠席しましたか?
A欠席日数は計67日です。現在も登校できていない状態が続いています。
Qもう1件の県立高校では何が起きましたか?
A2024~2025年度にかけてSNS上の誹謗中傷などがあり、被害生徒はうつ病とPTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断されました。
Qいじめ重大事態とは何ですか?
Aいじめによって児童や生徒の生命、心身、財産に重大な被害が生じた疑いがある場合や、相当期間の欠席を余儀なくされた疑いがある場合を指します。

佐賀県立高校2校のいじめ重大事態で判明したこと

佐賀県いじめ問題対策委員会は、県立高校2校で起きたいじめを重大事態と判断し、県教育委員会に答申した。唐津東高校では、部活動内であだ名を付けられたり、開始時間を誤って伝えられたりした生徒が計67日間欠席し、現在も登校できていない。別の県立高校では、2024~2025年度にSNS上の誹謗中傷などを受けた生徒が、うつ病とPTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断された。今後は、学校側の初期対応、被害把握の経緯、被害生徒への継続支援、再発防止策が焦点となる。

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