名古屋市南区の泉楽中町内会で、17歳の高校生が町内会長を務めています。
2026年4月に就任したのは、高校3年生の加藤瑞稀さん。高齢化によって役員のなり手が減り、将来への不安が広がっていた町内会で、自ら手を挙げました。
「この地域が好きなので。お世話になった人たちの力になりたい」
飾り気のない言葉ですが、その覚悟は住民に強く伝わりました。
高校生活の合間に、地域の会合へ
加藤さんは部活動を終えた後、町内会の定例会に参加しています。
会合のお知らせを作る際には、学校で配られるプリントを参考にしながらAIを活用。内容を整理し、住民に伝わりやすい案内づくりへつなげています。
さらにオンライン会議も取り入れました。
その結果、転入したばかりの妊娠中の女性も参加しやすくなるなど、これまで会合に足を運びにくかった住民にも新たな入口が生まれています。
高齢化が進む町内会に、若い世代の発想が少しずつ変化をもたらしています。
多言語ポスターで見えた町の現在
5月には、学校の友人や教員と協力し、ごみの分別方法を多言語で伝えるポスターを作成しました。
きっかけは、地域で暮らす外国人住民の存在です。
加藤さんはこの取り組みを通じて、自分が育ってきた町にさまざまな背景を持つ人たちが暮らしていることを改めて実感したといいます。
町内会長になったことで、これまで見慣れていた地域の姿を、別の角度から見つめるようになりました。
若さだけでは進めない 大人の経験も力に
加藤さんは、新しい仕組みを次々と取り入れる一方で、分からないことを一人で抱え込んではいません。
判断が難しい議題については、長く町内会活動を支えてきた住民に相談しながら進めています。
若い発想と、地域に蓄積された経験。その両方を生かす姿勢が、周囲の空気も変え始めました。
引退を考えていた高齢の女性役員も、「瑞稀くんが頑張っているから」と続投を決意したといいます。
住民からは、「町が明るくなった」「若い力が入ってうれしい」といった声が上がっています。
17歳の一歩が、止まりかけていた人たちを再び動かしています。
大学受験を控えても「最後までやり抜く」
町内会長の任期は2年です。
加藤さんは大学受験を控えていますが、清掃活動や会合への参加を続けています。
「引き受けたからには最後までやり抜く」
その言葉どおり、学校生活と地域活動を両立しながら、町内会長としての役割に向き合っています。
将来、同世代の町内会長が増えれば、SNSを使って情報交換したいという構想もあります。
地域の課題を共有し、若い世代同士で知恵を持ち寄る。そんな新しい町内会の形も思い描いています。
17歳が変えたのは仕組みだけではない
AI、オンライン会議、多言語ポスター。
加藤さんの取り組みには、これまでの町内会になかった発想があります。
ただ、本当に大きな変化は、デジタル技術を導入したことだけではありません。
若者が本気で地域に関わる姿を見たことで、離れかけていた大人たちが再び動き始めたことです。
高齢化や担い手不足に悩む町内会は、全国にあります。
名古屋の一つの町内会で始まった17歳の挑戦は、地域活動を次の世代へつなぐための現実的なヒントになりそうです。
編集部まとめ
解散の不安があった町内会に、17歳の高校生が飛び込みました。
加藤さんが持ち込んだのは、AIやオンライン会議だけではありません。地域に関わることを諦めない姿勢そのものです。
若い力が大人の経験と結びついたとき、町は再び動き始めます。泉楽中町内会の変化は、世代交代ではなく、世代が手を組むことで地域を立て直せる可能性を示しています。
週刊TAKAPI編集部/黒木
特記事項:本記事は提供された情報を基に、構成と表現を独自に再編集しています。
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