愛知県警中川署は、旭化成が保有する技術情報を不正に持ち出し、退職後に外部へ漏えいしたとして、同社元社員の古川祥一容疑者(66)を不正競争防止法違反の疑いで逮捕した。
警察によると、古川容疑者は旭化成に在職していた2018年、半導体製造などに用いられる接着剤の原料「潜在性硬化剤」に関する技術情報を不正に持ち出した疑いがある。
さらに退職から約6年後の2024年9月、他社関係者へメールを送信し、技術情報を漏えいした疑いが持たれている。
旭化成は社内調査の結果、情報の流出先は中国企業だったと説明しており、漏えい情報の利用停止などを求める民事訴訟を起こす方針を示している。
警察は古川容疑者の認否を明らかにしていない。
2018年、在職中に技術情報を持ち出した疑い
持ち出されたとされるのは、「潜在性硬化剤」に関する技術情報。
潜在性硬化剤は接着剤などに用いられ、半導体製造を含む電子材料分野でも利用されるとされる。
警察は、古川容疑者が旭化成に勤務していた2018年に、この技術情報を不正に持ち出した疑いがあるとみている。
一方、具体的にどの資料やデータを持ち出したとされるのか、情報の量や機密区分などは現時点で明らかになっていない。
元部長 2018年11月に依願退職
古川容疑者は旭化成で、電子材料関連事業の部長などを務めていたとされる。
2018年11月に依願退職した。
技術情報を持ち出したとされる時期は在職中で、外部への漏えいが疑われているメール送信は2024年9月。
持ち出しと漏えいの間には約6年の時間がある。
2024年9月、他社関係者へメール送信か
警察は、古川容疑者が2024年9月、他の企業の関係者へメールを送り、持ち出した技術情報を漏えいした疑いがあるとみている。
メールの送信先企業や受信者、送信された資料の具体的な内容について、警察は詳細を明らかにしていない。
また、情報が実際に製品開発や製造に利用されたかどうかについても、現時点では確認できていない。
旭化成「流出先は中国企業」
旭化成は社内調査の結果、技術情報の流出先が中国企業だったことを明らかにしている。
ただし、相手企業の社名は公表していない。
旭化成は今後、漏えいした情報の利用停止などを求め、民事訴訟を起こす予定としている。
刑事事件としての捜査と、旭化成が予定する民事訴訟は別の手続きとなる。
認否は非公表 技術情報の利用実態も未確認
警察は古川容疑者の認否を明らかにしていない。
また、今回確認できた情報では、
- 持ち出された技術情報の具体的範囲
- 流出先とされる中国企業の社名
- 技術情報が実際に利用されたか
- 旭化成側に生じた具体的な損害額
- 情報持ち出しの具体的な方法
などは明らかになっていない。
今後の捜査では、2018年の持ち出しから2024年のメール送信までの経緯や、漏えい情報がどのように扱われたのかも焦点となる。
編集部まとめ
旭化成の元社員で、電子材料関連事業の部長などを務めていた古川祥一容疑者(66)が、半導体製造などに用いられる「潜在性硬化剤」の技術情報を不正に持ち出し、退職後に外部へ漏えいした疑いで逮捕された。
旭化成は社内調査で流出先を中国企業とし、情報の利用停止などを求める民事訴訟を予定している。警察は古川容疑者の認否を明らかにしていない。
週刊TAKAPI編集部/成田
特記事項
本記事は2026年9月17日時点の旭化成の公表内容および公開情報を基に、事実関係を整理して構成しています。
古川祥一容疑者は不正競争防止法違反の「疑い」で逮捕された段階であり、有罪が確定したものではありません。
「流出先は中国企業」という点は旭化成の社内調査に基づく説明です。相手企業の社名や、漏えい情報の具体的な利用状況は現時点で公表されていません。
また、刑事捜査と旭化成が予定する民事訴訟は別の手続きです。
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