静岡県浜松市は7月31日、中央区雄踏地区の住宅用地をめぐり、固定資産税と都市計画税を合わせて3472万5700円を過大に徴収していたと発表した。対象は58件、57人で、1件あたりの過大徴収額は最大で約380万円にのぼるという。
市はすでに対象者への説明と謝罪を始めており、過大に徴収した本税に加え、還付加算金を上乗せして返還する方針だ。
住宅用地の特例を誤適用
問題となったのは、住宅用地に認められる課税標準の軽減措置だった。
住宅1戸あたり200平方メートルまでの小規模住宅用地については、本来、固定資産税は評価額の6分の1、都市計画税は3分の1に軽減される。しかし市は、同じ土地に複数の住宅が建っている場合に戸数分の特例を反映していなかったほか、住宅用地を非住宅用地として扱うなど、課税処理を複数にわたって誤っていた。
このため、本来より高い税額が長年にわたり課されていた。
現地調査で判明 58件を確認
誤りが明らかになったのは2024年10月ごろ。職員が雄踏地区で現地確認を行った際、住宅用地の課税内容に不自然な点が見つかり、その後の重点調査で58件の過大徴収が確認された。
市によると、住宅の増築や取り壊しなどで土地や建物の状況に変化がない場合、課税内容を改めて見直す機会が少なく、誤りの発見が遅れた可能性があるという。
旧雄踏町時代から継続か
浜松市は、誤った課税が旧雄踏町時代から続いていた可能性が高いとみている。雄踏町は2005年に浜松市へ編入されているが、関係書類の保存期間が20年に限られるため、いつから過大徴収が始まったかは特定できないとしている。
このため、課税ミスが最長で20年以上続いていた可能性もある。
返還額はさらに膨らむ見通し
市は7月28日から対象者の自宅を個別に訪問し、経緯の説明と謝罪を進めている。返還にあたっては、過大徴収分の本税だけでなく、利息にあたる還付加算金も支払う予定だ。
市によると、返還総額は本税の約1.4倍に達する見込みで、最終的な支払額は3472万5700円を大きく上回る可能性がある。
問われる確認体制の実効性
長期間にわたる課税ミスが判明したことで、市民からは市の確認体制や再発防止策の実効性を疑問視する声が出ている。
浜松市は今後、住宅用地の課税状況を改めて点検し、複数職員による確認や情報管理の強化に取り組むとしている。ただ、なぜこれほど長期間にわたって誤りが見過ごされたのか、既存のチェック体制がどこで機能しなかったのかを具体的に検証することが欠かせない。
また、雄踏地区以外にも同様の誤課税がないかどうか、調査範囲をどこまで広げるのかも今後の焦点となる。
編集部まとめ
今回の問題は、単なる事務ミスでは済まされない。税は市民生活に直接かかわる行政サービスの根幹であり、軽減措置の適用漏れが長期化していた点は重い。
対象者への返還を確実に進めることは当然として、浜松市には、誤りが続いた経緯と責任の所在を整理したうえで、再発防止策を具体的に示す説明責任が求められる。あわせて、他地域への波及調査をどこまで行うのかも厳しく問われそうだ。
週刊TAKAPI編集部/松本
特記事項
本稿は浜松市の発表内容を基に再構成しています。過大徴収の開始時期は特定されておらず、返還総額は還付加算金の算定結果によって変動する可能性があります。
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