偽造した養子縁組届を区役所に提出したなどとして、有印私文書偽造・同行使などの罪に問われたプロボクシング元世界王者、薬師寺保栄被告(58)の初公判が8月5日、名古屋地方裁判所で開かれた。
薬師寺被告は「間違いありません」と述べ、起訴内容を認めた。検察側は懲役1年を求刑し、弁護側は執行猶予付きの判決を求めた。公判は即日結審し、判決は9月16日に言い渡される予定。
交際女性と共謀し、妻の名前を無断記入か
起訴状などによると、薬師寺被告は2024年、当時交際していた29歳の女性と共謀し、女性を自身の養子とする内容の養子縁組届を作成したとされる。
その際、養母欄に妻の名前を無断で記入するなどして書類を偽造。同年11月、名古屋市内の区役所へ提出し、戸籍に事実と異なる内容を記録させたとして、有印私文書偽造・同行使、電磁的公正証書原本不実記録・同供用の罪に問われている。
共に起訴された女性も、初公判で起訴内容を認めた。
「自分が死んだ後に財産を分与したかった」
薬師寺被告は法廷で、虚偽の養子縁組届を提出した理由について、「自分が死んだ後に財産を分与したかった」と説明した。
検察側は、交際女性に財産を残す目的で妻の名前を無断使用したとして、動機を「安易」と指摘。薬師寺被告と女性に、それぞれ懲役1年を求刑した。
弁護側は、両被告が事実を認めて反省しているとして、執行猶予付きの判決を求めた。薬師寺被告については、事件後、経営するボクシングジムで退会者が出るなど、社会的な影響を受けているとも主張した。
辰吉丈一郎さんとの統一戦で国民的注目
薬師寺被告は1993年にWBC世界バンタム級王座を獲得し、王座を4度防衛した。
1994年12月には、辰吉丈一郎さんとの世界王座統一戦に判定勝ち。当時の日本ボクシング界を代表する王者同士の対戦として国民的な注目を集め、テレビ中継は関東地区で平均視聴率39.4%を記録したとされる。
引退後は名古屋市内でボクシングジムを経営するなど、後進の育成にも携わってきた。
9月16日に判決予定
初公判で両被告が起訴内容を認めたため、公判は即日結審した。
判決は9月16日に言い渡される予定で、裁判所が書類偽造の経緯や財産を残そうとした動機、反省状況などをどのように判断するかが焦点となる。
編集部まとめ
薬師寺被告は、交際女性に財産を残す目的で妻の名前を無断使用し、養子縁組届を偽造・提出したとする起訴内容を認めた。
検察側は懲役1年を求刑し、弁護側は反省や社会的影響を理由に執行猶予を求めている。ただし、現時点では判決は言い渡されておらず、有罪や刑の内容は確定していない。
週刊TAKAPI編集部/黒木
特記事項
本記事は、2026年8月5日に名古屋地方裁判所で開かれた初公判に関する複数の公開報道を基に再構成しています。薬師寺被告らは起訴内容を認めていますが、判決は確定していません。
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