【独自・豊橋】「あいちの水」全製品の飲用自粛続く 県「製造過程で混入かも断定できず」市は配布数把握せず

「あいちの水」の異物混入問題で全製品の飲用自粛が続いていることを伝える週刊TAKAPI独自報道

愛知県が製作・配布するボトル缶飲料「あいちの水」から金属製のネジが見つかった問題で、県による全製品の飲用自粛が続いている。

週刊TAKAPIが豊橋市と愛知県に独自取材したところ、豊橋市は市内で過去に何本が配布されたのかについて「把握していない」と回答した。

一方、愛知県企業庁も原因について現在も調査中としており、担当者は週刊TAKAPIの取材に「まだ製造過程で混入したかも断定できていない」と説明した。

異物が発見された商品は県の公式発表では290mlの小型缶だが、県は原因究明と安全確認が終わるまで容量を限定せず、すべての「あいちの水」を飲用しないよう求めている。

豊橋市「何本配ったか把握していない」

週刊TAKAPIは、豊橋市内で「あいちの水」がどの程度配布されてきたのかを防災危機管理課に確認した。

担当者は、市内での配布本数について「管理をしていない」と回答。

イベントなどさまざまな機会に配布されているため、どこで何本が市民の手に渡ったのかについて「把握しきれない部分がある」と説明した。

8月25日時点で、市民から「あいちの水が手元にある」「異物が入っていた」といった問い合わせが寄せられているかについては「何もない」と回答した。

豊橋市独自の回収や交換対応についても、現時点では確認されていない。

市側は、異物や水そのものに問題が確認された場合には必要な対応を取る考えを示しているが、追加の個別連絡など具体的な対応予定は明らかにしていない。

県「製造過程での混入とも断定できない」

今回の取材で特に注目されるのが、異物がどの段階で缶の中に入ったのかについて、県が現時点でも特定できていない点だ。

愛知県企業庁水道事業課は、原因について、

「いま調査中で、まだ公表できる段階ではない」

と説明。

さらに、

「まだ製造過程で混入したかも断定できていない。まずは製造業者に確認をしながら、実態を確認中」

と答えた。

つまり現段階では、製造ラインでネジが混入したのか、製造工程以外に原因があるのかについても結論は出ていない。

県の公式発表でも、製造業者と連携して原因調査を進めるとしており、原因を製造工程に限定していない。

調査終了時期も「明言できない」

原因調査がいつ終わるのかについて、県担当者は、

「調査の終わりも明言できないが、皆様に心配をかけているので、できるだけ早くと思っている」

とした。

現時点で異物混入が確認されているのは1本のみで、担当者によると、同様の異物混入は「いまのところない」といい、過去にも確認していないとしている。

健康被害についても、県は現在まで確認されていないとしている。

製造総数は約17万本 ただし「どこに何本配ったか」は別問題

愛知県の公式発表によると、今回の「あいちの水」は290ml小型缶が5万2416本、400ml大型缶が11万7360本製造されている。

合計すると16万9776本となる。

一方、週刊TAKAPIが取材した県担当者は、県営水道のPRなど企業庁自身が直接配布した数量は確認できるものの、県内のさまざまな関係機関やイベントを通じた配布もあるため、すべての配布実態を一元的に把握するのは難しいと説明した。

つまり「製造総数」は分かっているものの、現時点で市民や関係者の手元に何本残っているのかという全体像は別問題となる。

自治体によっては独自に配布数を把握しているケースもあるが、豊橋市は週刊TAKAPIの取材に、市内での配布本数を把握していないと回答している。

290mlからネジ 県は約17万本すべて飲用自粛

問題が判明したのは8月20日。

愛知県消防学校で8月18日から20日まで行われた少年消防クラブ員向けイベントで配布された「あいちの水」290ml小型缶1本から、長さ約18ミリ、径約3ミリの金属製ネジが見つかった。

イベントでは3日間で計603本が配布されていた。

県は異物が確認されたイベント配布分について飲用を控えて廃棄するよう求めるとともに、原因究明と安全確認が終わるまで「当面の間、全てのあいちの水を飲用しないよう」呼びかけている。

つまり飲用自粛は、異物が確認された290ml缶だけに限定されていない。

290mlと400mlの両方が対象となっている。

豊橋市は「400ml」と案内 県一次資料は290ml

豊橋市は8月22日、公式サイトで「あいちの水」の飲用を控えるよう市民に注意喚起した。

ただし、市公式ページでは異物が確認された製品を「あいちの水400mlボトル缶」と記載している。

一方、愛知県の一次発表では、実際にネジが見つかった商品は「小型缶290ml」と明記されている。

市と県の公式情報で容量表記に食い違いがある状態だ。

ただし、県が全製品の飲用自粛を要請しているため、市民が取るべき対応そのものは容量によって変わらない。

原因不明のまま続く「全製品飲用自粛」

今回の問題では、290ml缶1本から金属製ネジが発見されたという事実だけでなく、その後の調査状況も重要になる。

県は製造業者と調査を続けているものの、8月26日時点でも製造工程で混入したのかさえ断定できていない。

一方で、県が製造した「あいちの水」は約17万本に上り、すでに県内の自治体や関係機関、イベントなどを通じて広く配布されている。

その配布先・配布済み数量の全体像を一元的に把握するのが難しい中で、県は全製品を対象とした飲用自粛を続けている。

今後は、ネジがどこで、どのような経路で混入したのかに加え、同一製造工程や他の缶への影響がないと判断できる根拠をどのように示すのかも焦点となる。

編集部まとめ

今回の独自取材で見えてきたのは、異物混入の原因が単に「製造ミス」として整理できる段階には達していないということだ。

県担当者は「製造過程で混入したかも断定できていない」と説明しており、原因調査の終了時期も明言できていない。

一方、県は約17万本を製造したこと自体は公表しているものの、それらが県内のどこで何本配布され、現在どの程度が手元に残っているのかという配布実態の全容は把握しきれていない。

豊橋市についても、市内での配布数は把握しておらず、市民からの問い合わせは現時点で「何もない」としている。

健康被害や2件目の異物混入が確認されていないことは重要な事実だ。

その一方で、安全確認が終わるまで「全製品を飲まない」という対応が続いている以上、原因調査の進捗や安全性判断の根拠を可能な範囲で速やかに示す必要がある。

週刊TAKAPIでは、原因調査の結果、製造事業者側の確認内容、豊橋市と県の追加対応について引き続き取材する。

週刊TAKAPI編集部/成田

特記事項

本記事は2026年8月25日から26日にかけて実施した豊橋市防災危機管理課および愛知県企業庁水道事業課への週刊TAKAPIの独自取材と、愛知県・豊橋市の公式発表を基に構成した。

愛知県の公式発表では「あいちの水」の製造総数量について、290ml小型缶5万2416本、400ml大型缶11万7360本と公表されている。

一方、本記事でいう「配布実態を把握しきれていない」とは、県内の自治体や関係機関、イベントなどを通じて最終的に何本が配布されたのかという全体像についての取材回答を指す。

混入原因や製造工程での混入の有無は現在も調査中であり、製造事業者に原因があると断定するものではない。

Q「あいちの水」は現在飲んでもいい?
A愛知県は原因究明と安全確認が終わるまで、290ml・400mlを問わず、すべての「あいちの水」を飲用しないよう求めている。
Qネジが見つかったのはどの商品?
A愛知県の一次発表では290ml小型缶1本。長さ約18ミリ、径約3ミリの金属製ネジが確認された。
Qなぜネジが入ったの?
A原因は調査中。県は週刊TAKAPIの取材に、製造過程で混入したかどうかも現時点では断定できないと説明している。
Q豊橋市で何本配られた?
A豊橋市は週刊TAKAPIの取材に、市内の配布本数について把握していないと回答した。
Q健康被害は出ている?
A愛知県は現時点で、この事案に関連する健康被害は確認されていないとしている。

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