【埼玉】自民県連元幹事長の小谷野県議を書類送検 党費約320万円を私的流用した背任疑い 県連調査は約2795万円

自民党埼玉県連の党費を私的に流用した背任の疑いで小谷野五雄県議が書類送検された問題を伝えるニュース画像

2026年8月27日

自民党埼玉県連の経費を私的に流用したとして、埼玉県警は8月27日、背任の疑いで、県連元幹事長の小谷野五雄県議(70)=西8区、日高市=をさいたま地検に書類送検した。

県警は書類送検にあたって処分意見を明らかにしていない。今後、さいたま地検が捜査資料などを精査し、起訴・不起訴を判断する。書類送検は逮捕を伴わず、捜査書類などを検察へ送る手続きで、有罪が確定したものではない。

今回の刑事手続きで報じられている損害額は約320万円。一方、自民党埼玉県連が内部調査で私的流用と認定した総額は2794万8493円に上る。対象期間や件数も異なっており、刑事事件として送検された範囲と県連による内部認定を分けて見る必要がある。

告訴状では77回、約320万円の損害か

自民党埼玉県連は2025年12月24日、小谷野氏について背任の疑いで埼玉県警に刑事告訴し、告訴状は同日受理された。

県連は告訴時、告訴状の具体的な内容を公表していなかった。

その後の報道によると、告訴対象とされたのは2022年1月から2025年7月までの77回で、私的な飲食代などを県連経費として請求し、約320万円の損害を与えた疑いがあるとされている。

27日の書類送検が、この告訴状に記載された行為のどこまでを対象としているのかなど、具体的な立件範囲の全容は現時点で明らかになっていない。

県連調査では1357件、2794万8493円を認定

一方、自民党埼玉県連が2025年に実施した内部調査では、さらに大きな金額が認定されている。

県連は2025年10月、小谷野氏が2020年から2025年に精算した領収書など計1357件、総額2794万8493円について、私的流用に当たると認定した。

県連の調査では、経費として精算されたものの中に、バッグやチャイルドシートなどの乳幼児用品、健康食品、日用品、生鮮食品などが含まれていた。

ウイスキーについては466本、約213万円分が確認されたとされる。

この2794万8493円は県連による内部調査上の認定額であり、今回、背任容疑で書類送検された金額そのものを意味するわけではない。

約320万円と約2795万円 なぜ金額が違うのか

今回の事件では、2つの金額を明確に区別する必要がある。

約2795万円は、自民党埼玉県連が内部調査で私的流用と認定した1357件の総額。

これに対し、約320万円は、刑事告訴の対象として報じられている2022年1月から2025年7月までの77回分の損害額だ。

党内調査による認定と、刑事事件として捜査機関が背任罪の成立を検討する範囲は同一ではない。

そのため、「約2795万円全額について背任容疑で書類送検された」とするのは現段階では正確ではない。

今後、さいたま地検がどの行為について刑事責任を問えると判断するかが重要になる。

2025年11月に自民党から除名

小谷野氏は2019年から自民党埼玉県連幹事長を務めていたが、経費を巡る問題が表面化したことを受け、2025年8月に幹事長としての役職を一時停止された。

県連党紀委員会は同年11月14日、内部調査の結果などを踏まえ、党の処分として最も重い除名を全会一致で決定した。期限までに再審査請求がなかったため、同月26日までに除名処分が確定した。

小谷野氏は処分前に提出した弁明書で、問題とされた支出の多くについて政治活動として正当な目的に基づくものだったとし、「故意の私的流用は一切ない」と主張していた。

除名後、小谷野氏は自民党埼玉県議団を退団している。埼玉県議会は2025年11月26日、会派からの退団届が提出されたことを公表した。

民事でも約3000万円の損害賠償請求

刑事手続きとは別に、自民党埼玉県連は小谷野氏に対する民事上の責任も追及している。

県連は小谷野氏に対し、私的流用と認定した党費などの返還を求めてさいたま地裁に提訴。2026年3月13日に第1回口頭弁論が開かれた。

民事訴訟では、県連側が弁護士費用を含め約3062万円の損害賠償を求めており、小谷野氏側は反論する資料を提出していると報じられている。

刑事事件の背任容疑と民事上の返還・損害賠償請求は別の手続きで、それぞれ独立して判断される。

小谷野氏は1998年に埼玉県議に初当選し、現在8期目。県連幹事長には2019年に就任していた。

編集部まとめ

今後の焦点は、さいたま地検がどの支出を背任事件として評価し、起訴・不起訴を判断するかだ。

特に、刑事告訴で報じられている約320万円と、県連内部調査で認定された約2795万円の関係をどこまで捜査で明らかにするかがポイントとなる。

週刊TAKAPI編集部/一条

特記事項

本記事は2026年8月27日時点で確認できる埼玉県警による書類送検に関する報道、自民党埼玉県連の内部調査・党処分、埼玉県議会の公表資料、民事訴訟に関する情報などを基に構成した。

小谷野五雄県議は背任の疑いで書類送検された段階であり、起訴されたわけではなく、有罪が確定したものでもない。県警は送検時の処分意見を明らかにしていない。

県連が内部調査で認定した2794万8493円、1357件と、刑事告訴の対象として報じられている約320万円、77回は対象範囲が異なる。本記事では両者を明確に区別した。

また、小谷野氏は県連による処分前の弁明で「故意の私的流用は一切ない」と主張していた。

Q小谷野五雄県議は何の疑いで書類送検されましたか?
A自民党埼玉県連の経費を私的に流用し、県連に損害を与えたとする背任の疑いです。
Q書類送検された金額は約2795万円ですか?
A現時点でそのようには確認されていません。刑事告訴の対象として報じられている損害額は約320万円です。一方、約2795万円は自民党埼玉県連が内部調査で私的流用と認定した総額です。
Q自民党埼玉県連は何件を私的流用と認定しましたか?
A2020年から2025年に精算された1357件、総額2794万8493円について私的流用と認定しています。
Q小谷野県議は自民党からどのような処分を受けましたか?
A自民党埼玉県連党紀委員会は2025年11月、最も重い除名処分を決定しました。その後、再審査請求がなく処分が確定しています。
Q今後どうなりますか?
Aさいたま地検が送検された証拠や捜査資料を精査し、起訴・不起訴を判断します。刑事手続きとは別に、県連が損害賠償を求める民事訴訟も続いています。

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