【独自】東海汽船、調査結果は「9月中旬目途」 改善計画の具体策は未定 聴聞内容・違反把握時期は明かさず

東海汽船が特別調査委員会の調査結果を9月中旬目途としている一方、改善計画の具体策は未定と本紙取材に回答した問題を伝えるニュース画像

船員の酒気帯び乗務やアルコール検査の肩代わり、舷門を閉鎖しない状態での運航などを巡り、国土交通省関東運輸局が行政処分を検討している東海汽船が、本紙の取材に対し、特別調査委員会の調査結果について「9月中旬に出していただくようお願いしている」と明らかにした。

一方、調査結果を踏まえて策定する再発防止策や改善計画について、具体的な内容は「まだ決まっていない」と説明した。

8月21日に行われた聴聞で会社が何を説明したのか、法令違反をいつ把握したのか、管理職が問題を認識していたのかについては、いずれも回答を差し控えた。

今回の取材で新たに確認できたのは、調査結果について会社側が9月中旬を一つの目途としていることと、行政処分にも関係し得る改善計画の具体策が現段階で固まっていないことだ。

調査結果「9月中旬に出していただくようお願い」

東海汽船は8月7日、一連の問題について事実関係や原因を調査する特別調査委員会を設置した。

委員長は早稲田大学理工学術院の小松原明哲教授で、元東京高裁判事の弁護士を含む外部専門家2人が委員を務める。

本紙が調査結果の時期について確認したところ、会社側は、

「正確な日程は決まっていないが、なるべく早めに、9月中旬に調査結果を出していただくようお願いしている」

と回答した。

9月中旬は確定した公表日ではなく、会社側が特別調査委員会に求めている目途となる。

改善計画の具体策は「まだ決まっていない」

東海汽船は一連の問題を「重く受け止めている」としたうえで、

「特別調査委員会の結果を踏まえ、再発防止策と実効性のある改善計画を速やかに作り、信頼回復に努めたい」

と回答した。

一方、本紙が改善計画に盛り込む具体策について確認すると、「まだ決まっていない」とした。

今回問題となったアルコール検査の運用や飲酒管理、現場から管理部門への報告体制などを具体的にどう改めるのかは、特別調査委員会の結果を踏まえて決めることになる。

聴聞内容、違反把握時期、管理職の認識は回答せず

関東運輸局は8月21日、一般旅客定期航路事業の停止や安全統括管理者の解任などを含む行政処分案について聴聞を実施した。

本紙が聴聞で会社としてどのような説明をしたのか確認したところ、東海汽船は、

「内容については差し控える。会社としては運輸局からの質問に答えた」

と回答した。

また、酒気帯び乗務やアルコール検査の肩代わりなどの法令違反をいつ把握したのかについては、

「特別調査委員会の調査実施中で、行政手続きの関係からも回答は差し控える」

とした。

管理職が問題の実態を認識していたかについても明らかにしなかった。

このため、問題行為がいつ社内で把握され、現場から管理部門へどのように報告されていたのかという経緯は、現段階では確認できていない。

事業停止時の代替輸送、具体案は示さず

事業停止となった場合の伊豆諸島への影響について、東海汽船は「処分内容が決まっていない段階ではお話しできない。島民の方になるべく影響が出ないよう考え、進めている」と回答した。代替輸送の具体的な手段や、東京都、島しょ自治体などとの協議状況については明らかにしていない。

改善計画は行政処分にも関係

国の行政処分基準では、事業停止によって離島などの生活交通に著しい障害が生じるおそれがある場合、事業者が再発防止、安全確保、生活交通確保について具体的な改善計画を提出し、その実効性が認められれば、事業停止以外の処分が選択される余地がある。

東京と伊豆諸島を結ぶ生活航路を担う東海汽船にとって、今後示す改善計画は、再発防止だけでなく行政処分の判断にも関係する可能性がある。

2025年にも安全管理を巡り是正命令

東海汽船は2025年4月にも、船員の労働時間、教育訓練、非常時の操練などを巡り、国から是正命令と輸送の安全確保に関する命令を受けている。

過去に改善を求められた後、今回新たに酒気帯び乗務やアルコール検査の肩代わりなどが問題となったことで、会社の安全管理体制がどのように機能していたのかも焦点となっている。

編集部まとめ

今回の取材で会社側が具体的に明らかにしたのは、特別調査委員会の結果を9月中旬を目途に求めていることと、改善計画の具体策がまだ決まっていないことだ。

一方、違反を把握した時期、管理職の認識、聴聞での具体的な説明内容については回答していない。

つまり、問題行為そのものは行政手続きの対象として明らかになっている一方、それを会社がいつ把握し、組織としてどこまで認識していたのかという安全管理上の核心は、現時点でも会社から説明されていない。

9月中旬を目途とする調査結果で、この部分がどこまで明らかになるかが最大の焦点となる。

週刊TAKAPI編集部/成田

特記事項

本記事は、東海汽船に対する本紙の独自取材、同社の公表資料、国土交通省・関東運輸局が公表している行政手続き、安全管理に関する資料を基に構成した。

東海汽船は本紙の取材に対し、8月21日の聴聞での具体的な説明内容、法令違反を把握した時期、管理職が実態を認識していたかについて回答を差し控えた。

特別調査委員会の調査結果については「9月中旬に調査結果を出していただくようお願いしている」と説明したが、正確な日程は決まっていない。このため、9月中旬の公表が確定しているものではない。

改善計画の具体策、事業停止となった場合の具体的な代替輸送案、関東運輸局による最終的な行政処分についても、8月27日時点では明らかになっていない。

Q東海汽船の特別調査委員会の結果はいつ出ますか?
A正確な日程は決まっていません。会社は本紙の取材に対し、9月中旬に調査結果を出すよう委員会へ依頼していると説明しています。
Q東海汽船の改善計画は決まっていますか?
A具体策はまだ決まっていません。特別調査委員会の結果を踏まえて策定するとしています。
Q8月21日の聴聞で何を説明しましたか?
A東海汽船は具体的な内容について回答を差し控え、「運輸局からの質問に答えた」としています。
Q東海汽船は違反をいつ把握していましたか?
A会社は把握時期について回答を差し控えています。管理職が実態を認識していたかについても明らかにしていません。
Q今後の最大の焦点は何ですか?
A特別調査委員会が違反の把握時期や安全管理体制をどこまで明らかにし、その結果を具体的な再発防止策と改善計画に反映できるかです。

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