【独自・豊川】豊川調整池で複数箇所から漏水 越流管は設置50年余り、県「老朽化が原因」恒久復旧は未定

愛知県豊川市の豊川調整池で8月21日、県営水道施設から漏水が発生した。

対応を進める中で、当初想定されていた箇所以外にも漏水箇所が確認され、愛知県企業庁は越流管下部を撤去し、鉄板を溶接して閉塞する応急措置を実施した。

断水は回避されたものの、出水不良1件、濁水3件が確認されている。

週刊TAKAPIは8月31日、愛知県企業庁 水道事業課に電話取材を実施。漏水原因や施設の老朽化、応急措置の安全性、恒久復旧の見通し、他施設への影響などについて確認した。

県側によると、今回問題となった越流管は設置から50年余りが経過しており、現時点では漏水原因について「老朽化が考えられる」としている。

一方、現在の鉄板による閉塞はあくまで応急措置で、恒久復旧の方法、工事時期、費用はいずれも未定だ。


豊川調整池の漏水はいつ起きた?8月21日に県営水道施設で発生

豊川調整池で漏水が確認されたのは8月21日

愛知県企業庁が対応を進めたところ、当初想定していた箇所以外にも漏水箇所があることが分かった。

このため、問題が確認された越流管下部を撤去し、その部分を鉄板で溶接して閉塞する応急措置が実施された。

今回の対応では大規模な断水は回避された。

ただし、水道利用への影響として出水不良1件、濁水3件が確認されている。


豊川調整池の漏水原因は何?県は「老朽化」と説明

週刊TAKAPIが8月31日、愛知県企業庁水道事業課に確認したところ、今回の漏水原因について、現時点では老朽化が考えられるとの認識を示した。

腐食や経年劣化による可能性についても、老朽化に伴うものとみている。

今回問題となった越流管は、設置から50年余りが経過しているという。

施工不良や構造上の問題ではないのか

施工方法や構造そのものが原因となった可能性について、県側は現時点では主な原因とはみていない。

設置からすでに数十年が経過していることから、仮に施工不良が主因であれば、もっと早い段階で異常が出ていた可能性が高いとの趣旨で説明した。

現段階では、長期使用による経年劣化・老朽化が有力な要因とみられている。


なぜ漏水を事前に発見できなかった?地中管点検の難しさ

今回の漏水では、老朽化が原因として考えられている一方で、なぜ事前に劣化を発見できなかったのかという疑問も残る。

県企業庁によると、問題となった配管の一部は地中に埋設されており、人の目で直接確認することができない

水道管がどの程度腐食・劣化しているのかを詳しく確認するには、掘削が必要になる場合がある。

しかし、点検目的だけで定期的に掘削することについては、費用が大きくかかるほか、道路部分であれば交通への影響も出るため、現実的ではないという。

「異常なし」ではなく「直接確認が難しい」

今回の取材から見えてきたのは、過去の点検で完全に「問題なし」と確認されていたというより、地中部分そのものを直接確認することに限界があったという点だ。

今後、老朽化した水道インフラをどのような方法で監視し、異常の兆候を早く見つけるかが課題となる。


越流管を「鉄板で閉塞」したのはなぜ?現在は応急措置

今回の復旧で注目されるのが、越流管下部を撤去したうえで、鉄板を溶接して閉塞したという対応だ。

県企業庁によると、この措置は応急措置にあたる。

では、鉄板で閉塞したままでも安全なのか。

現状でも適切に監視しながら運用すれば、直ちに水道供給へ支障が生じる状態ではないとの認識を示した。


越流管とは何?どんな役割がある設備なのか

越流管は、調整池の水位に異常が生じた際などに、水を放流するための設備だ。

県企業庁によると、豊川調整池の水位は遠方監視が可能

仮に異常が発生した場合には、ポンプの運転を止めるなどの対応もできるという。

このため、現在の応急措置について県側は、監視を続けながら適切に運転することで給水への支障は避けられるとみている。


豊川調整池の恒久復旧はいつ?工事方法・時期・費用は未定

もっとも、現在の鉄板閉塞は恒久的な対応ではない。

週刊TAKAPIが恒久復旧について確認したところ、8月31日時点で具体的な復旧方法は決まっていない

そのため、

恒久復旧の工事方法

工事の開始時期

工事完了時期

復旧費用

についても、現段階では明らかになっていない。

今後は、県企業庁が応急措置後の運用状況を確認しながら、恒久復旧の方法を検討していくことになる。


豊川調整池の漏水で断水の可能性はあった?

今回、実際の断水は回避された。

一方、作業が長引くなど不測の事態が発生した場合には、断水につながる可能性が全くなかったとは言えないとの趣旨で説明した。

ただし、水道事業にとって断水は最も避けるべき事態の一つであり、県側は断水を起こさないよう対応したという。

このため、今回の事案について「断水寸前だった」と断定することはできない


豊川で濁水3件・出水不良1件 原因は?

今回の漏水対応に伴い、濁水3件、出水不良1件が確認された。

県企業庁は、通常とは異なる運用となったことで、管の表面などに付着していた鉄分などが影響した可能性があるとみている。

ただし、具体的にどの地域で発生したのか、何時頃だったのか、健康被害や設備被害があったのかについては、県企業庁では詳細を把握していない。

県営水道は、各家庭に直接給水しているのではなく、市町村の水道事業者に水を供給する立場にあるためだ。

なお、8月31日時点で、愛知県企業庁水道事業課には一般住民からの苦情は入っていないという。


仮に断水していたら豊川市のどこに影響した?

県営水道から供給された水は、市町村の配水施設を経て各家庭へ送られる。

このため、県企業庁では、豊川調整池から送った水が具体的にどの地域、何世帯、何人に供給されているかまでは把握していない。

仮に断水していた場合の詳細な影響地域や給水人口については、豊川市側での確認が必要となる。


東三河の調整池は何カ所?県管理では8カ所

今回の漏水を受け、他の調整池でも同じような老朽化が進んでいるのではないかという懸念もある。

ナガサワ氏によると、東三河水道事務所管内の調整池は8カ所

おおむね豊川用水を水源としている地域の施設にあたるという。

ただし、この8カ所すべてが豊川調整池と同じ構造、同じ築年数という意味ではない。

同程度に古い設備は存在するとみられるが、今回問題となった越流管と同型の設備が何カ所あるのかについては、8月31日の取材時点では明らかにならなかった。


他の調整池も緊急点検する?県は確認強化へ

県企業庁は今回の漏水を受け、同様の事案が発生しないよう、他の設備についても確認していく方針を示している。

ただし、地中部については直接確認することが難しい。

このため、今後は調整池周辺に、

不自然な水たまりができていないか

地表から水が染み出していないか

配管の放流先から水が漏れ始めていないか

といった兆候をより慎重に確認するという。

点検方法は変わる?

新たな点検方法については、8月31日時点で具体的に決まっているものはない。

従来の確認を続けながらも、今回の事案を踏まえてより慎重に兆候を確認し、見落としがないようにしていくとの考えを示した。


豊川調整池で同様の漏水は過去にもあった?

8月31日の取材で、豊川調整池で今回と同様の漏水が確認されたのは今回が初めてだと説明した。

設置から50年余りが経過した設備で複数箇所の漏水が確認された今回の事案は、老朽化した水道インフラの維持管理という課題を改めて浮き彫りにした。


今後の焦点は「恒久復旧」と老朽化した水道インフラ対策

今回の豊川調整池の漏水では、断水は回避されたものの、当初想定していなかった箇所からも漏水が確認された。

県側は原因について老朽化が考えられるとしている。

さらに、問題となった越流管は設置から50年余りが経過しており、地中部分は直接確認することが難しいという課題もある。

今後の最大の焦点は、現在の鉄板閉塞による応急措置をいつ、どのような方法で恒久復旧するのかという点だ。

加えて、東三河水道事務所管内にある他の調整池や老朽化した水道設備について、どのように異常の兆候を早期発見していくのかも問われる。

県企業庁が今後、恒久復旧の工法や工事時期、費用をいつ示すのか注目される。


豊川調整池の漏水原因は何ですか?

愛知県企業庁は、8月31日の週刊TAKAPIの取材に対し、現時点では老朽化が原因として考えられるとの認識を示しています。

越流管は何年使われていたのですか?

今回問題となった越流管は、設置から50年余りが経過しています。

鉄板で閉塞した状態は安全ですか?

県側は、鉄板による閉塞は応急措置としながらも、水位を遠方監視し、必要に応じてポンプ運転を停止するなど適切に管理すれば、現時点で給水に支障があるとは考えていないと説明しています。

恒久復旧はいつ行われますか?

8月31日時点では未定です。復旧方法、工事開始時期、完了時期、費用も決まっていません。

豊川市では断水しましたか?

断水は回避されました。ただし、濁水3件、出水不良1件が確認されています。

他の調整池にも同じ問題はありますか?

東三河水道事務所管内には調整池が8カ所あります。ただし、すべてが豊川調整池と同じ構造、同じ築年数という意味ではありません。


取材日時:2026年8月31日
取材先:愛知県企業庁 水道事業課
取材方法:電話取材週刊TAKAPI 編集部/黒木

各種ご相談、情報提供、現地写真・動画、関係者からの証言などをお持ちの方は、メール(info@108takapi.jp)、各種SNSのDM、または公式LINEまでお寄せください。週刊TAKAPI編集部が内容を確認のうえ、取材・報道の参考とさせていただきます。

週刊TAKAPI編集部:黒木

リアルタイム
サイト訪問者数
51