【愛知・豊橋】「ニセ警察詐欺」の前兆電話が多数発生 郵便局・配送業者から警察役へ「このままでは逮捕」「LINEで事情聴取」

愛知県豊橋市内で9月2日、郵便局や配送業者を装った人物から電話をかけ、その後「警察官」を名乗る人物に引き継いでLINE通話へ誘導する「ニセ警察詐欺」の前兆電話が多数確認されている。

豊橋市は同日午後1時23分、「豊橋ほっとメール」で緊急の注意喚起を配信した。市によると、市内に住む多数の人に同様の電話がかかっているという。

現時点で、今回の一連の電話によって実際に金銭被害が発生したとの情報は、市の注意喚起では示されていない。

最初は「郵便局」「配送業者」 その後ニセ警察官へ

豊橋市が公表した手口では、まず郵便局や配送業者を装った人物が電話をかけ、

「他県であなた名義の荷物が届いている」

などと説明する。

その後、警察官を装う人物が電話に登場し、

「このままでは逮捕になる」

などと不安をあおったうえで、

「事情聴取するためにLINE通話に切り替える」

などと持ちかけ、LINEへ誘導するという。

最終的には、警察による捜査や資産調査などを装って金銭をだまし取ろうとする手口とされる。

「LINEで事情聴取」は詐欺 警察庁も明確に注意喚起

警察庁はニセ警察詐欺について、本物の警察官がメッセージアプリで連絡したり、個人のスマートフォンに突然ビデオ通話をしたりすることはないと注意を呼びかけている。

また、警察手帳や逮捕状の画像を送ったり、電話で「捜査対象になっている」と告げて金銭を要求したりすることもないとしている。

愛知県警も、「LINEで取り調べをする」などとしてビデオ通話へ誘導し、偽の警察手帳や逮捕状を見せて信用させる手口を具体例として紹介している。

つまり今回、豊橋市内で相次いでいるという

「警察官を名乗る」
→「逮捕される」と脅す
→「LINEで事情聴取する」

という流れそのものが、警察が繰り返し警告してきた典型的なニセ警察詐欺のパターンと重なる。

豊橋では7月にも「郵便局→ニセ警察→LINE」

今回と酷似する前兆電話は、豊橋市内ですでに確認されている。

7月8日には、市内の複数の人の携帯電話に郵便局を名乗る電話があり、「送った郵便物に他人名義のキャッシュカードが入っていた」などと説明された。

その後、警察官を装う人物に代わり、

「調書を取る」
「動画撮影する」

などと言われ、LINEの交換を求められる事例が確認されていた。

市は当時も、警察が携帯電話やSNSで取り調べをすることはないとして注意を呼びかけている。

8月にも相次いだ わずか数日前にも「ニセ警察詐欺」注意喚起

8月に入ってからも、豊橋では特殊詐欺の前兆電話が相次いでいる。

8月16日には浪ノ上町の住民宅に、福岡県の郵便局職員を名乗る人物から「あなたのクレジットカードなどが郵便局に届いている」などとする電話が確認された。

8月17日には大橋通の住民宅へ郵便局を装う電話、野田町では金融機関を装った人物から「カードが大阪の貴金属店で使われている」「大阪府警につなぐ」などという電話も確認された。

さらに8月27日、市は改めて「ニセ警察詐欺」に特化した注意喚起を発信。

8月31日にも、豊橋市飯村北の住民宅へNTTを装う音声ガイダンスがかかり、別途、携帯電話には愛知県警を装う詐欺電話も確認されたとしている。

今回の9月2日の「多数発生」は、単発の電話ではなく、豊橋市内でこの夏繰り返し確認されてきた特殊詐欺電話の延長線上にあるとみられる。

豊橋市の特殊詐欺被害額、7月時点で約9億円

豊橋警察署によると、2026年7月時点の豊橋市内における特殊詐欺被害額は、

9億49万8783円

に上り、前年同期と比べて約8億3253万円増加している。

これは今回9月2日に確認された電話による被害額ではなく、豊橋市内の特殊詐欺全体の被害額だ。

豊橋警察署は、特殊詐欺では国際電話が使われるケースが多いとして、固定電話の国際電話利用休止や、携帯電話への詐欺対策アプリの導入を呼びかけている。

電話番号が警察署と同じでも信用しない

ニセ警察詐欺では、実在する警察署などの電話番号を偽装して、着信画面に表示させる手口も確認されている。

警察庁は、画面に警察署の番号が表示されていたとしても、そのまま信用せず、いったん電話を切ったうえで、自分で警察署の電話番号を調べて確認するよう求めている。

相手から教えられた電話番号へ折り返すのも避ける必要がある。

豊橋市が呼びかける対策

豊橋市は今回の注意喚起で、固定電話については「国際電話不取扱センター」への申し込みにより、国際電話からの発着信を止める対策を案内している。

携帯電話については、警察庁推奨の詐欺対策アプリを導入するよう呼びかけている。

不審な電話を受けた場合の相談先として、**豊橋警察署(0532-54-0110)**を案内しているほか、市では詐欺防止機能付き電話機の購入費に対する補助制度も設けている。問い合わせは豊橋市役所安全生活課(0532-51-2550)。

Q&A|豊橋で多発している「ニセ警察詐欺」

Q9月2日に豊橋で何が起きている?
A豊橋市内に住む多数の人へ、ニセ警察詐欺につながる前兆電話がかかっているとして、市が午後1時23分に注意喚起した。
Qどんな電話?
A郵便局や配送業者を装って「他県であなた名義の荷物が届いている」などと話した後、ニセ警察官が登場し「このままでは逮捕になる」などと脅す手口。
Q警察がLINEで事情聴取することはある?
A警察庁は、本物の警察官がメッセージアプリで連絡したり、突然ビデオ通話をしたりすることはないとしている。
Q豊橋では今回が初めて?
A初めてではない。7月には郵便局を名乗る電話からニセ警察官へつながり、LINE交換を求める酷似した事案が複数確認されている。8月にも同種の注意喚起が繰り返されている。
Q電話を受けたらどうすればいい?
A相手との通話を切り、相手から教えられた番号ではなく、自分で調べた警察署の電話番号や警察相談専用電話「#9110」に相談する。

編集部まとめ

豊橋市が9月2日に発信した注意喚起では、市内の「多数」の住民に同じニセ警察詐欺の前兆電話が確認されている

特に「郵便局・配送業者を名乗る電話」「逮捕すると告げる警察官役」「LINE通話で事情聴取」という流れは、7月にも豊橋市内で確認されている。現時点で今回の電話による具体的な金銭被害は公表されていないが、市内では特殊詐欺被害そのものが高水準となっており、警戒が必要だ。

週刊TAKAPI 編集部/黒木

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