【佐賀・唐津】虐待認定は1件、元職員19人中18人は「不適切な保育」 城内シオン保育園で保護者13人が再調査要求

佐賀県唐津市の城内シオン保育園で虐待1件が認定され元職員19人中18人が不適切な保育を指摘し保護者13人が再調査を求めている問題

佐賀県唐津市の私立「城内シオン保育園」で、保育士による園児への虐待が1件認定された問題を巡り、保護者13人でつくる有志の会が、佐賀県に再調査を求めています。

県と唐津市はこれまで、園への立ち入り調査や職員への聞き取りなどを行い、1件を虐待と認定しています。一方、9月2日の保護者側の会見では、園を退職した元職員19人へのアンケートで、18人が「不適切な保育がなされていたと思う」と回答したとの結果が示されました。

ただし、「19人中18人」という数字がそのまま新たな虐待件数を意味するわけではありません。「不適切な保育」と行政上の虐待認定は別の概念で、有志側はこのアンケートなどを根拠に、これまでの調査範囲が十分だったのかを改めて確認するよう求めています。

7月に問題表面化 県と唐津市が立ち入り調査

城内シオン保育園の問題が表面化したのは2026年7月です。

7月15日の報道では、園児への虐待が疑われる行為があったとして、佐賀県と唐津市が園への立ち入り調査、職員への聞き取り、園内カメラ映像の確認などを行ったことが明らかになりました。県は当時、職員の対応が適切ではなかったとして、園に再発防止のための研修や報告を求める指導をしています。

その後、一連の行政調査で1件が虐待と認定されていたことが明らかになりました。

7月の報道では、関係者の話として、保育士が園児を押し倒したとされる行為や、園児の頭にけがが確認されたことも伝えられています。ただし、これらが県の「虐待1件認定」の具体的内容と一致することまで、行政が公表したわけではありません。

元職員19人中18人が「不適切な保育」

9月2日の会見で保護者側が示した重要な材料の一つが、退職した職員へのアンケートです。

会見に同席した唐津市議によると、元職員19人を対象にしたアンケートで、18人が「不適切な保育がなされていたと思う」と回答したということです。

有志側は、現在勤務している職員だけではなく、すでに園を離れた元職員にも直接聞き取りを行うことで、園内の状況をより広く確認する必要があるとしています。

一方、公開されている情報では、アンケートの全質問項目や回答者それぞれの在職時期、具体的にどの行為を「不適切」と判断したのかまでは明らかになっていません。

このため、アンケート結果は再調査を求める材料の一つではありますが、現時点で新たな虐待が行政認定されたことを示すものではありません。

保護者側「園の説明に食い違い」 退職職員への聞き取り求める

保護者有志は、園が7月と8月に行った説明について、自分たちが把握している内容との間に食い違いがあると主張しています。

会見では、園児から「よくたたかれる」といった趣旨の話を聞いたとする保護者側の訴えも示されました。

ただし、この発言について、いつ、誰が、どのような状況で聞き取ったのか、また行政調査で裏付けが取られているのかは、公開情報では確認できません。

有志側は、こうした訴えや元職員アンケートの結果を踏まえ、県に対し、保護者への直接説明と、退職した職員への聞き取りを含む再調査を求めています。

県は「これまでの調査は終了」の認識 再調査は未決定

佐賀県こども未来課は、これまで実施してきた調査については終了しているとの認識を示す一方、有志の会から提出された申し入れについては、内容を確認したうえで回答する考えを示しています。

現時点で、県が再調査を行うと決めたわけではありません。

今後の焦点は、今回示された元職員アンケートや保護者側の訴えについて、県が従来の調査とは別に追加確認が必要な情報と判断するかどうかです。

特に、有志側が求めている退職職員への聞き取りについて、これまでの行政調査でどの範囲まで確認されていたのかが重要になります。

園は7月と8月に保護者会 新たな指摘への詳細回答は確認できず

城内シオン保育園は、問題発覚後の7月と8月に保護者会を開いています。

7月の報道では、園長は取材に「何も話せない」と回答していました。その後、保護者有志は園の説明に食い違いがあると主張していますが、9月2日の会見で新たに示されたアンケート結果や訴えについて、園側がどのように説明しているのかは、9月4日夜までに確認できた公開情報では明らかになっていません。

城内シオン保育園は社会福祉法人友愛会が運営する私立保育所で、定員は80人。園の公式サイトでは「一人ひとりの個性を大切に」することを保育理念として掲げています。

編集部まとめ

現時点で行政が認定している虐待は1件です。一方、保護者側は元職員19人中18人が「不適切な保育」を認識していたとするアンケートなどを示し、調査範囲そのものを問い直しています。

次に注目されるのは、佐賀県が申し入れにどう回答し、退職職員への聞き取りなど追加確認に踏み込むかどうかです。

編集部/成田

特記事項

本記事は、7月15日の問題発覚時の報道、9月2日の保護者有志による会見を伝えた報道、城内シオン保育園の公開情報をもとに整理しています。

行政が現時点で虐待と認定しているのは1件です。元職員19人中18人が「不適切な保育がなされていたと思う」と回答したとするアンケート結果は、行政による虐待認定とは区別して記載しています。

また、7月に報じられた「押し倒す」などの内容や、9月の会見で示された園児の発言についても、県が新たな虐待として認定した事実とは分けて扱っています。

9月4日夜時点で、佐賀県が再調査の実施を決定したことは確認できていません。

Q城内シオン保育園では何件の虐待が認定されていますか?
Aこれまでの佐賀県と唐津市による調査では、1件が虐待と認定されています。保護者側はほかにも問題となる保育があった可能性を指摘していますが、追加の虐待が行政認定された段階ではありません。
Q元職員19人へのアンケートではどのような結果が出ていますか?
A会見に同席した唐津市議によると、19人中18人が「不適切な保育がなされていたと思う」と回答したとされています。ただし、「不適切な保育」と行政上の「虐待」は同じ意味ではありません。
Q保護者側は何を求めていますか?
A県から保護者への直接説明に加え、退職した職員への聞き取りを含む再調査を求めています。
Q佐賀県は再調査を行うと決めたのですか?
Aいいえ。現時点で再調査の実施が決定したことは確認されていません。県は従来の調査について終了との認識を示し、有志側の申し入れには回答するとしています。
Q園側は今回の新たな指摘に回答していますか?
A園は7月と8月に保護者会を開いていますが、9月2日の会見で示された元職員アンケートなどへの詳細な回答は、9月4日夜までに確認できた公開情報では明らかになっていません。

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