ヴィジュアル系ロックバンド「the GazettE」の元ギタリスト・葵が、「u.」に名義を変更し、音楽活動を再開する意向を示した。
葵をめぐっては、the GazettE側が2026年3月に「除名」を発表。一方、本人は「2025年9月末で既に脱退していた」と反論しており、バンドを離れた経緯について双方の説明が食い違った状態が続いている。
元the GazettE・葵が「u.」名義で約半年ぶりに近況報告
葵は2026年9月4日、「u.」名義となった自身のXを約半年ぶりに更新した。
投稿では、長期間にわたりファンに心配をかけたことに触れたうえで、元気な姿を見せるために準備を進めてきたと説明。さらに、「もう少し音楽を続けてみたくなりました」と伝えた。
具体的な活動内容や楽曲の発表時期、ライブ開催などは明らかにしていない。しかし、名義を「葵」から「u.」へ変更したことと合わせ、ソロまたは新たな形で音楽活動を再開する可能性を示した発言として注目されている。
現時点では、正式な活動開始の発表というよりも、再始動に向けた準備と本人の意思をファンへ報告した段階とみられる。
the GazettE側は2026年3月に葵の「除名」を発表
the GazettEは2026年3月10日、公式サイトで葵を除名し、今後は別々の道を歩むと発表した。
バンド側はその理由について、葵による一方的な活動の放棄や、決定していたリリース・ツアーへの妨害行為、度重なる背信行為などがあったと説明。メンバーが直接の話し合いを求めても応じてもらえず、代理人を介した連絡しか取れない状態が続いたとも主張している。
さらに、ライブ出演を拒むような言動や金銭をめぐる要求などがあり、今後も同じ思いを共有してステージに立つことは難しいと判断したとしていた。
ただし、これらはあくまでバンド側が公式発表で示した認識である。双方の間でどのようなやり取りが行われたのか、その全容を確認できる契約書や協議記録などは公表されていない。
葵側は「除名ではなく、前年9月末に脱退した」と反論
バンド側の発表と同じ3月10日、葵も自身のXで見解を公表した。
葵は、バンド側の発表には事実と異なる内容が多く含まれているとしたうえで、2025年4月に他のメンバーへ脱退の意向を伝え、同年9月末をもって既にthe GazettEを脱退していたと説明した。
このため、2026年3月に発表された除名処分によってバンドを離れたのではない、というのが葵側の主張だ。
また、活動放棄や妨害、背信行為に当たる行動はしていないと否定。バンド側が問題視した金銭の要求についても、未払いのギャランティーと、所属会社との間で既に合意していた金銭の支払いを求めたものだと説明していた。
一方で、騒動によってファンや関係者に心配をかけたことについては謝罪。約23年間にわたる活動を「かけがえのない時間」と振り返り、メンバーやファンへの感謝も記していた。
「除名」と「脱退」の食い違いは現在も解消されていない
今回の投稿で明らかになったのは、葵が「u.」として音楽活動の再開を考えているという点だ。
一方、the GazettEを離れた経緯をめぐる双方の認識には、依然として大きな隔たりがある。
主体:the GazettE側
公表している認識:2026年3月、活動上の問題などを理由に葵を除名した
主体:葵側
公表している認識:2025年4月に脱退の意思を伝え、同年9月末に既に脱退していた
現在の状況:契約上の終了時期や協議内容を裏付ける資料は公表されておらず、「除名」と「自主脱退」の食い違いは解消されていない。
23年以上活動したthe GazettEから新たな道へ
the GazettEは2002年に結成。葵はギタリストとして、長年にわたりバンドのサウンドと活動を支えてきた。
2024年4月にはベーシストのREITAさんが死去。その後もバンドは活動を続けていたが、2026年3月の葵をめぐる発表により、現在はRUKI、麗、戒の3人となっている。
葵は3月の声明で、RUKIやREITAさん、戒らメンバーへの感謝を表明していた。厳しい言葉で双方の主張が対立する一方、23年間の活動そのものを否定するような姿勢は示していない。
今回、「u.」という新しい名義を掲げたことは、過去の活動との一定の区切りをつけ、新たな音楽人生に進む意思の表れとも受け取れる。
ただし、本人は現時点で詳細な活動計画を発表していない。今後、楽曲制作やSNSでの発信、ライブ出演などが正式に告知されるかが注目される。
週刊TAKAPI編集部の視点|再始動と過去の争いは分けて見る必要がある
今回の投稿は、ファンにとって待望の近況報告といえる。その一方で、活動再開への期待と、過去の除名・脱退問題は分けて考える必要がある。
バンド側と葵側は、活動終了の時期だけでなく、話し合いの経緯や金銭問題についても異なる説明をしている。しかし、その判断材料となる契約内容や支払い記録などは公開されていない。
そのため、SNS上の断片的な情報だけで一方を加害者、もう一方を被害者と決めつけるのは適切ではない。
今後、双方から追加説明があるのか。それとも、それぞれが新たな活動へ進むことで事実上の決着となるのか。「u.」として再び音楽を届けようとする葵の動きとともに、引き続き慎重に見ていく必要がある。
週刊TAKAPI 編集部/黒木
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