東京都新宿区が、住宅地や学校周辺などでの民泊営業を原則として認めない方向で条例改正を進める方針を固めたと報じられている。新規施設だけでなく、すでに営業している民泊も対象とする方向で、一定の移行期間や例外措置も検討されている。
現時点では条例改正前の段階で、禁止区域や猶予期間などの最終的な内容は確定していない。
新宿区の民泊届出3700件超 市区町村で全国最多
公開報道によると、住宅宿泊事業法に基づく新宿区内の民泊届出は、7月中旬時点で3700件を超え、市区町村別では全国最多とされている。
一方、区には昨年度、騒音やごみ出し、私有地への立ち入りなどをめぐる苦情や相談が1300件以上寄せられたとされ、前年度から大幅に増加した。
区は違反を繰り返した事業者への業務停止や廃止命令などを行ってきたものの、個別対応だけでは生活環境への影響を十分に抑えられないと判断。人員面の負担も踏まえ、地域単位で営業を制限する方向へ規制を強める考えとされる。
住居専用地域や文教地区などを対象に検討
営業を原則認めない区域として検討されているのは、都市計画上の住居専用地域や文教地区など。
既存の民泊についても対象に含める方向だが、直ちに営業できなくするのではなく、一定期間の猶予を設ける案が検討されている。
また、家主が同じ建物に住みながら運営するケースなど、一定の条件を満たす施設については例外的に営業を認める仕組みも検討されている。
商業地域では全面禁止ではなく、年間の営業可能日数を現在より短縮する方向が報じられている。
既存施設まで対象とする点が大きな焦点
今回の方針で特に影響が大きいのは、これから開業する民泊だけでなく、すでに届出を行い営業している施設も規制対象となる可能性がある点だ。
観光庁は今年7月、住民の生活環境や教育環境への影響が生じている場合、自治体が条例によって民泊営業を禁止できるとする通知を出したとされる。
既存施設についても、ほかに適切な手段がない場合には、一定の猶予期間を設定したうえで規制できるとの考え方が示されている。
京都市でも住宅地などを対象とした規制が検討されているとされるが、新規施設を中心とする方向と報じられており、既存施設まで広く対象とする新宿区の案は影響範囲が大きい。
来年2月の区議会へ改正案提出の見通し
新宿区は今後、意見公募などを行ったうえで、来年2月の区議会定例会に条例改正案を提出する見通しとされている。
施行時期は来年夏以降が想定されているが、条例案の条文や議会での審議によって内容が変更される可能性がある。
規制が実施された場合、住宅地を中心に新宿区の民泊運営環境が大きく変わる可能性があり、既存事業者にどの程度の移行期間を設けるかも重要な論点となる。
週刊TAKAPI編集部/一条
現時点で確定していない点
- 営業禁止となる区域の最終的な範囲
- 既存施設に設ける移行・猶予期間
- 家主居住型などの例外要件
- 商業地域で設定する営業日数の上限
- 規制によって営業継続が難しくなる施設数
- 条例改正案の最終的な条文
- 区議会審議による修正の有無
特記事項
この記事は2026年9月7日時点の公開報道を基に再構成しています。新宿区の方針は条例改正前の段階であり、規制内容は今後の意見公募や区議会審議によって変更される可能性があります。届出件数や苦情・相談件数についても公開報道で示された数値を使用しています。
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