横浜市は9月8日、中区の認可保育園に通っていた男児をめぐる第三者委員会の検証報告書を公表した。
報告書は、他の園児から「しね ばか だいきらい」と書かれた手紙を渡されるなどした行為について、年齢を除けば、いじめ防止対策推進法が定める「いじめ」の要件を満たすとして、「いじめに相当すると考えられる行為」と位置づけた。
一方、保育園側の対応についてはネグレクトには該当しないと判断したものの、事案の重大性に対する認識が不足していたと指摘した。
「太っている」「ママ消えればいいのに」など確認
報告書によると、男児は2024年度、当時5歳児クラスに在籍していた。
他の園児から「太っている」と言われたほか、「ママ消えればいいのに」との発言を受けたことが確認された。
卒園が近づいた2025年3月ごろには、折り紙に「しね ばか だいきらい」と書かれた手紙を渡され、「ゴキブリをつけてやる」と言われたことも確認されたとしている。
第三者委員会は、こうした一連の行為を検証した上で「いじめに相当すると考えられる行為」と整理した。
未就学児は法律上の「いじめ」対象外
保護者は、いじめ防止対策推進法の「重大事態」に準じた第三者調査を横浜市に求めていた。
ただ、同法が対象とするのは学校に在籍する児童・生徒で、保育園などに通う未就学児は直接の対象に含まれていない。
このため横浜市は、児童福祉法に基づく第三者検証として、学識経験者や弁護士らによる調査を実施した。
今回の報告書は、法律上の正式な「いじめ認定」ではなく、未就学児について確認された行為を、いじめの要件に照らして評価したものとなる。
園の対応はネグレクトに当たらず 説明の遅れを問題視
園側は、問題となる行為を把握するたびに関係する園児への指導を行っていた。
このため第三者委員会は、必要な対応を完全に放置していたとは認められず、ネグレクトには該当しないと判断した。
その一方で、「しね」などと書かれた手紙について、園が把握してから約2週間、保護者から問い合わせを受けるまで説明しなかった点を問題視した。
また、園側から「そもそも、職員にいじめの認識がない」との説明があったことについても、事案の重大性への認識不足として指摘している。
市には事例収集 保育園には報告手順の整備を提言
報告書は横浜市に対し、保育現場で「いじめに相当すると考えられる行為」の事例を収集し、市内の保育施設で共有・活用するよう求めた。
各保育園には、子どもの異変を把握した場合の対応や、保護者への報告について手順を定めることを提言している。
対象となった園の運営法人は、報告書の内容を真摯に受け止め、再発防止に取り組むとの趣旨のコメントを公表している。
週刊TAKAPI編集部/黒木
現時点で公表されていない点
- 園名
- 男児や他の園児の氏名
- 保護者が訴えているPTSDについての詳しい診断経過
- 提言を受けた具体的な改善策の実施時期
特記事項
この記事は2026年9月8日に横浜市が公表した第三者委員会の検証内容を基に構成しています。未就学児は、いじめ防止対策推進法の直接の対象ではなく、今回の報告書も「いじめに相当すると考えられる行為」と位置づけています。
情報提供募集
各種ご相談、情報提供、現地写真・動画、関係者からの証言などをお持ちの方は、メール(info@108takapi.jp)、各種SNSのDM、または公式LINEまでお寄せください。週刊TAKAPI編集部が内容を確認のうえ、取材・報道の参考とさせていただきます。
サイト訪問者数

コメント
0件まだコメントはありません。最初のコメントを投稿してみませんか。