糖尿病治療薬「マンジャロ」をダイエット目的で入手するため、日本の医療機関を受診する韓国人が増えていると報じられている。
背景にあるのは、日本と韓国の価格差だ。
韓国のSNSでは、マンジャロを比較的安く処方するとされる日本のクリニック情報が共有され、一部では「聖地」と呼ばれる例もあるという。
一方、厚生労働省は、糖尿病治療薬の目的外使用について健康被害や、本来治療を必要とする患者への供給への影響を懸念し、適正使用を呼び掛けている。
「航空券とホテル代を払っても安い」 日本で処方受ける韓国人
報道によると、日本国内の医療機関でマンジャロの処方を受けたソウル在住の30代女性は、韓国で購入する場合との価格差について、日本への航空券や宿泊費を含めても安くなるという趣旨の説明をしている。
女性が訪れた医療機関では、ほかにも韓国人とみられる中年女性らがマンジャロの処方を受けていたという。
韓国のSNS上では、日本国内でマンジャロを安く処方するとされるクリニックの情報も共有されている。
ただし、SNS上の体験談や「何キロ痩せた」といった個人の事例は、効果や安全性を一般化できるものではない。
仁川空港で289件摘発 越境持ち込みに規制
報道によると、韓国では海外からの医薬品持ち込みに法令上の制限があり、仁川空港の税関では2026年1月から5月までに、マンジャロなどの医薬品を持ち込んだとして289件が摘発されたという。
日本の医療機関で処方を受けたことと、その薬を韓国へ持ち込めるかどうかは別の問題となる。
医薬品の持ち込み可否や必要な手続きは、薬の種類や数量などによって異なる可能性があるため、各国の法令や税関ルールの確認が必要になる。
専門家「帰国後に管理が切れるリスク」
薬の政策に詳しい専門家は、マンジャロについて、本来は処方した医師と相談しながら用量を調整して使用する薬だと指摘している。
海外で処方を受け、そのまま帰国した場合、継続的な診察や副作用への対応が途切れる可能性がある。
薬を入手できるかだけでなく、その後の健康管理を誰が担うのかも課題となる。
製薬会社も不適正使用や医療ツーリズムを懸念
マンジャロを手掛ける日本イーライリリーは、日本国内の薬価引き下げを受け、8月に声明を公表した。
同社は、日本のマンジャロの薬価が同規模の経済圏の中でも低い水準にあるとし、不適正使用の増加や海外からの医療ツーリズム、利益目的の買い占め、海外転売などにつながる可能性に懸念を示している。
価格差が海外からの需要を呼び込む要因になる可能性を指摘した形だ。
厚労省、目的外使用と供給への影響に注意喚起
厚生労働省は、糖尿病治療薬をダイエット目的で使用することについて、思わぬ健康被害につながる可能性があるとして適正使用を呼び掛けている。
また、本来治療を必要とする糖尿病患者への供給が滞ることへの懸念も示している。
価格差を背景とした訪日受診が、適正使用、越境持ち込み、国内供給への影響という複数の課題につながっている。
編集部まとめ
マンジャロを求め、日本の医療機関を訪れる韓国人が増えていると報じられている。背景には日韓の価格差があり、韓国SNSでは日本のクリニック情報も共有されている。
一方、韓国への医薬品持ち込みには法令上の制限があり、日本側でも目的外使用による健康被害や、必要な患者への供給への影響が懸念されている。
週刊TAKAPI 編集部
特記事項
本記事は9月12日時点で確認された報道内容、厚生労働省による適正使用への注意喚起、製薬会社の公表内容をもとに構成しています。マンジャロは医療用医薬品であり、本稿はダイエット目的での使用を推奨するものではありません。薬の効果や副作用には個人差があり、使用にあたっては医師・薬剤師による適切な管理が必要です。
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