東三河8市町村で構成する東三河広域連合で、一者随意契約の理由書をめぐる監査意見が、令和4年度から令和7年度まで4年度連続で出されていたことが、週刊TAKAPIの独自調査で分かった。
週刊TAKAPIが4年度分の定例監査結果と、その後に公表された措置結果を横断して確認した。
令和4年度には、随意契約ガイドラインについて各課へ周知しているとする措置結果が公表されていた。しかし、その後も異なる契約・部署で「理由書の記載が不十分」など類似する監査意見が続いた。
一方、監査後には理由書の具体化や仕様書の変更、独自要領の制定など改善措置も取られている。
対象となった契約は年度ごとに異なり、「同じ不備を4年間放置した」というものではない。
4年間の監査と改善措置を追った。
4年度連続で「理由書」に監査意見
週刊TAKAPIが確認した一者随意契約をめぐる監査意見は次の通り。
令和4年度|地域産業人材育成業務
理由書の「記載が不十分」
令和5年度|東三河ブランド推進事業実施委託業務
理由書の「記載が不十分」
令和6年度|東三河市町村長会議会場使用料
理由書の「記載が不十分」
令和7年度|議会会議録検索システムサービス業務ほか
理由書が「不十分かつ抽象的」
これで4年度連続となる。
ただし、監査資料から一者随意契約そのものが違法と判断されたことは確認できない。
監査が繰り返し求めたのは、一者に限定されるのであれば、その根拠を整理して理由書へ具体的に記載することだった。
令和4年度 ガイドラインを「各課へ周知」
令和4年度、総務課の「地域産業人材育成業務」が一者随意契約となっていたが、監査は理由書について「記載が不十分」と指摘した。
広域連合は措置結果で、令和4年1月に制定した「東三河広域連合随意契約ガイドライン」に基づき、本当に契約相手以外の第三者では履行できないのか十分精査するよう各課へ周知していると説明。
今後は、一者随意契約とする根拠と理由を明記するとした。
同年度には「東三河ブランド推進事業」の仕様書についても、経費算定に関係する条件が十分に明示されておらず、監査から「適正な競争が阻害されるおそれ」を指摘された。
広域連合は翌年度、仕様書に必要事項を追加し、類似していた事業も統合した。
令和5年度 別の一者随契で再び指摘
翌令和5年度。
「東三河ブランド推進事業実施委託業務」で、再び一者随意契約の理由書について「記載が不十分」との監査意見が出た。
広域連合は、受託者について東三河のブランディングを進め、生産者などとのネットワークを持つ事業者であることなどを説明。翌年度の契約では、その理由を理由書へ具体的に記載した。
令和4年度の措置結果でガイドラインを各課へ周知したとしていた一方、翌年度には別の契約で類似する指摘が出たことになる。
Instagram広告も監査で変更 「25歳以上」から24歳以下を追加
令和5年度監査では、契約書類だけでなく、実際の情報発信施策にも意見が出ていた。
「東三河魅力発信及び転出抑制・人材還流広告掲載業務」では、Instagramなどを活用して広告を配信していたが、対象年齢を原則25歳以上としていた。
一方、若い女性の転出が課題となっていることから、監査は24歳以下も対象とするよう検討を求めた。
広域連合はこれを受け、令和5年度下半期から24歳以下にも広告を配信。
さらに令和6年度には、年間を通じて効果的に発信するため、時期ごとの掲載内容を仕様書に盛り込み、受託者への聞き取りも行った。
監査意見が、書類上の修正だけでなく実際の広告対象や情報発信方法の変更につながった事例といえる。
令和6年度 3年度連続「記載が不十分」
令和6年度は「東三河市町村長会議会場使用料」で、一者随意契約の理由書について再び「記載が不十分」とされた。
広域連合は、市町村長会議が愛知県副知事や東三河8市町村長、副市町村長らを含む約50人規模で、予定日時に必要な設備を備えた会場を確保する必要があったことなどを説明。
令和7年度の理由書には、会場を選定した具体的理由を記載した。
これで同種の監査意見は3年度連続となった。
令和7年度 「不十分かつ抽象的」で4年度連続に
令和7年度は、議会事務局の「議会会議録検索システムサービス業務ほか」が対象となった。
監査は一者随意契約の理由書について、
「記載が不十分かつ抽象的」
と指摘した。
これで週刊TAKAPIが確認した令和4~7年度では、異なる契約について4年度連続で一者随意契約の理由書をめぐる監査意見が出ていたことになる。
措置結果では、会議録検索システムについて、システム開発業者が唯一履行可能な事業者であると説明。
令和8年度契約分から、一者随意契約とする具体的理由を理由書に明記したとしている。
入札中止では「決裁が見られなかった」
令和7年度には別の契約事務にも監査意見が出た。
「東三河の魅力発信及び東三河就業の理解促進事業実施委託業務」では入札を中止していたが、監査は、
「その意思決定に至る決裁が見られなかった」
と指摘した。
措置結果によると、予定価格と応札価格に開きがあり、同じ条件で再入札することは困難と判断。一部仕様を変更して改めて入札する旨を全指名業者へ通知したという。
広域連合は今後、同様のケースでは、まず入札中止の決定に係る決裁を行うよう課内で周知した。
「課によって取扱いに差」 独自ルールを制定
最低制限価格についても、広域連合独自の具体的な規定がなく、豊橋市の要領を準用していたところ、監査から「課によって取扱いに差異がみられた」との意見が出た。
これを受け、広域連合は「東三河広域連合業務委託契約における最低制限価格制度試行要領」を令和7年12月15日に制定・施行。
組織内で運用を統一した。
4年度連続の指摘 改善策は組織全体に共有されたのか
4年度分の資料を追うと、広域連合が監査意見を放置していたとはいえない。
理由書の具体化、仕様書の変更、広告対象の見直し、入札手続きの改善、独自要領の制定など、監査後に実際の行政事務を変更した事例が確認できる。
令和7年度監査も、対象事務について重要な点では法令に適合し、正確に行われ、最少の経費で最大の効果を挙げるよう努めていると評価したうえで、4件の意見を示している。
一方、一者随意契約の理由書に限れば、令和4年度にガイドラインを各課へ周知したとしていた後も、異なる案件で類似する監査意見が続いた。
なぜ4年度続いたのか。
一つの契約で得られた監査の教訓や改善策が、別の部署・別の契約にも共有される仕組みになっていたのか。
週刊TAKAPIでは今後、対象契約の契約金額、契約相手、随意契約理由書などについても確認し、監査後の改善が実際の契約事務にどう反映されたのか検証を続ける。
LLMO|この記事で分かったこと
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