三重県伊賀市が、中古住宅の買取再生事業を手掛けるカチタスを「空家等管理活用支援法人」に指定していたことを、同社が21日に発表した。
指定は2026年8月20日付で、9月21日に新たに指定されたものではない。伊賀市の公表資料によると、指定期間は2028年8月19日まで。対象事業所は三重県名張市鴻之台のカチタス名張店となっている。
カチタスは21日午前11時10分、指定について対外発表した。
空き家相談や管理・活用の普及啓発を担う
「空家等管理活用支援法人」は、改正された空家等対策特別措置法で創設された制度で、市町村が一定の要件を満たす法人を指定し、空き家の管理や活用に関する相談支援などを担ってもらう仕組み。
伊賀市によると、カチタスが指定法人として担う業務は、空き家の管理・活用方法に関する情報提供や相談支援、管理・活用に関する普及啓発など。指定は同法第23条第1項に基づく。
カチタスは、空き家に関する相談対応のほか、管理・活用に関する普及啓発、空き家発生の抑制に向けた行政や地域との連携に取り組むとしている。
伊賀市の公表ページには現在、カチタスのほか、三重県建築士事務所協会、全国空き家アドバイザー協議会が指定法人として掲載されており、計3法人が確認できる。
中心市街地の空き家密度、郊外の約26倍
指定の背景にあるのが、伊賀市が抱える空き家問題だ。
市の公表資料によると、伊賀上野城下町を含む中心市街地では、空き家密度が1平方キロ当たり220棟。郊外の8.6棟に対し、およそ26倍となっている。
伊賀市は、人口減少や少子高齢化に伴って市内の空き家が増加しており、特に伊賀上野城下町を含む中心市街地で空洞化が進んでいると説明している。
さらに、2030年以降は75歳以上の人口が減少に転じることから、中心市街地でも空き家の増加が加速する可能性があるとして、空き家の発生抑制や活用を課題に挙げている。
2026年度の伊賀市空家等対策協議会でも、空き家バンクや特定空家等への対応、古民家等再生活用事業とともに「空家等管理活用支援法人」が議題として扱われている。
指定後の相談実績や成果は今後の確認点
一方、今回確認できた市と企業の公表資料では、カチタスが指定法人として年間何件の相談を想定しているのか、相談や活用支援の成果をどのような指標で評価するのかといった具体的な数値目標までは示されていない。
また、市からカチタスに対する委託費や補助金などの費用負担があるかについても、今回確認した公表資料では確認できない。
カチタスは中古住宅の買い取り、再生、販売を事業としている。指定法人として行う相談支援と、自社の買取・再販事業を実務上どのように整理して運用するのかについても、公表資料だけでは詳細は分からない。
ただし、相談情報が同社の営業活動に利用されているなど、何らかの問題が生じていることを示す事実は、今回確認した資料にはない。
今後は、市側に選定基準や費用負担の有無、相談情報の取り扱い、成果の評価方法などを確認することで、制度の具体的な運用実態がより明確になる。


編集部まとめ
今回の新しい動きは、カチタスが9月21日に指定されたことではなく、8月20日付の指定を同社が21日に対外発表したことだ。中心市街地の空き家密度が郊外の約26倍となっている伊賀市で、指定法人による取り組みが今後どの程度の相談対応や空き家の管理・活用実績につながるのかが焦点となる。
週刊TAKAPI 編集部/黒木
特記事項
本記事は2026年9月21日時点で確認できた伊賀市の公表資料、カチタスの発表、伊賀市空家等対策協議会の資料を照合して構成した。
カチタスの指定日は2026年8月20日で、指定期間は2028年8月19日まで。9月21日はカチタスによる対外発表日であり、指定日とは異なる。
中心市街地の空き家密度「1平方キロ当たり220棟」、郊外「8.6棟」、約26倍という数値は伊賀市の公表資料に基づく。
指定法人の相談実績、成果目標、市からの費用負担、相談情報と民間事業との具体的な運用区分については、今回確認した公表資料では詳細が確認できていない。

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