豊橋市は9月10日、市内で2例目となる重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の患者を確認したと発表した。
患者は50歳代の男性で、発熱や意識障害のほか、血小板や白血球の減少、肝機能・腎機能障害などが確認され、医療機関で入院治療を受けている。
男性には日常的に土木作業で森や山に入る行動歴があり、マダニに咬まれた跡とみられる痂皮(かさぶた)も確認された。
豊橋市では9月8日に市内初となるSFTS患者が確認されたばかり。週刊TAKAPIは豊橋市への取材で、1例目の80歳代男性がその後死亡していたことを確認している。
市は今回の50歳代男性について、1例目の患者との関連性はないとみている。
9月4日に発熱、3日後に意識障害
豊橋市の発表によると、50歳代男性は9月4日に全身倦怠感と発熱があり、市内の医療機関を受診した。
9月7日には意識障害が現れ、別の市内医療機関を受診して入院。9日に豊橋市保健所から愛知県衛生研究所へ検査を依頼し、10日にSFTS陽性と判明した。
市が公表した主な症状は、発熱、意識障害、血小板減少、白血球減少、肝機能障害、腎機能障害、リンパ節腫脹。発表時点で入院治療が続いている。
森や山で土木作業 マダニの咬傷跡とみられる痂皮
今回の患者について、市は「日常的に土木作業での森・山への行動歴あり」と公表している。
さらに、マダニの咬傷跡とみられる痂皮も確認された。
ただし、公表資料では実際に感染した場所までは明らかにされていない。森や山での行動歴や咬傷跡とみられる痂皮があることから、直ちに「豊橋市内の山林で感染した」「土木作業中に感染した」と断定することはできない。
豊橋市ではわずか2日で2例を確認
豊橋市が市内初のSFTS患者を発表したのは9月8日だった。今回の2例目は9月10日に発生届が提出されており、市内では短期間に2人の患者が確認されたことになる。
市によると、今回の患者と1例目の患者との関連性はないと考えられている。
市が公表している統計では、2021年から2025年まで豊橋市のSFTS患者報告は0件だったが、2026年は9月10日時点で2件となった。
一方、「豊橋市で患者が確認された」ことと「豊橋市内で感染した」ことは同じではない。
週刊TAKAPIが1例目について市保健所を取材した際にも、感染したと推定される場所や発症前の詳しい行動歴は確認できていなかった。
1例目の80代男性はその後死亡
週刊TAKAPIは9月10日、市内初の患者について豊橋市保健所に取材を行った。
1例目は豊橋市内在住の80歳代男性で、8月30日に市内の医療機関を受診して入院。その後、死亡していたことが市への取材で分かった。
ただし、市からは死亡とSFTSとの直接的な因果関係について明確な説明は得られていない。このため、確認できているのは「SFTS患者として確認された男性が、その後死亡した」という事実までとなる。
1例目ではマダニに刺された痕の有無や感染場所を確認できなかったのに対し、今回の2例目では森や山への行動歴と、マダニの咬傷跡とみられる痂皮が確認されている。
愛知県では2026年10例目 新城や豊田でも患者
愛知県によると、今回の患者は2026年に県内で確認された10例目のSFTS患者となる。
県の集計では、9月10日時点で豊田市保健所管内で5例、新城保健所管内で3例、豊橋市保健所管内で2例が届け出られている。
感染が疑われる行動歴としては、農作業や除草作業などが複数の患者で確認されている。
豊橋市の1例目は行動歴が「不明」とされている一方、2例目について県は「土木作業」としている。
SFTSとは 重症化して死亡することも
SFTSは、SFTSウイルスによる感染症で、主にウイルスを保有するマダニに刺されることで感染する。
厚生労働省によると、主な初期症状は発熱や全身倦怠感、食欲不振、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛などで、重症化して死亡することもある。
厚労省のQ&Aでは、国内で確認された患者の約90%が60歳以上とされる一方、患者の年齢層自体は5歳から90歳代まで確認されている。
感染経路はマダニだけではなく、SFTSウイルスに感染した猫や犬との接触による感染が疑われる症例や、患者の体液との接触による人から人への感染も報告されている。
マダニを見つけても無理に引き抜かない
豊橋市は、草むらや藪などに入る場合には長袖・長ズボンを着用し、足を完全に覆う靴を履くなど、肌の露出を減らすよう呼びかけている。
虫よけ剤を適切に使用し、屋外活動後には入浴して、マダニに咬まれていないか確認することも重要だ。
皮膚に吸着したマダニを見つけた場合、無理に引き抜くと一部が皮膚内に残ることがある。市は直接手で取ったりつぶしたりせず、皮膚科などの医療機関で処置を受けるよう求めている。
咬まれた後は数週間程度体調の変化に注意し、発熱などが現れた場合には速やかに医療機関を受診する必要がある。
このニュースのポイント
情報提供・相談窓口
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担当記者:黒木

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