台風25号による大雨の影響が残る22日朝、千葉県内では人的被害、土砂崩れ、河川氾濫、停電が広い範囲で続いている。
22日午前までに、袖ケ浦市で道路復旧作業中の51歳男性、山武市で自宅が土砂崩れに巻き込まれた70代女性の死亡が確認され、県内の死者は少なくとも2人となった。さらに鴨川市では住宅への土砂流入が相次ぎ、80歳男性が心肺停止状態で救急搬送されたほか、住民の安否確認や捜索が続いている。
佐倉市では高崎川が氾濫し、市街地の広い範囲が冠水。22日午前10時20分時点でも県内約4万7390軒が停電しており、大雨のピークを越えた後も生活への影響は続いている。
袖ケ浦 道路復旧作業中の51歳男性死亡
袖ケ浦市川原井では21日午後、台風による土砂を撤去していた51歳の男性が、油圧ショベルとともに斜面下へ転落した。
公開情報では、男性は道路復旧作業中に土砂崩れに巻き込まれた可能性があり、その後死亡が確認された。市は22日朝、市内の広い範囲で土砂崩れなどが多数発生しているとして、不要な外出を控えるよう呼びかけている。
山武市でも70代女性死亡 県内死者2人に
山武市森では21日午後7時55分ごろ、高齢夫婦が暮らす住宅が土砂崩れに巻き込まれた。
70代の女性が救助されたものの死亡が確認され、夫は避難して無事だった。これにより、台風25号の影響による千葉県内の死者は少なくとも2人となった。
山武市では21日夜、市内で崖崩れや浸水、道路冠水による車両の水没が発生しているとして、全域にレベル5の緊急安全確保を発令していた。22日午前8時に解除されたが、避難所は引き続き一部で開設されている。
鴨川市 住宅10棟に土砂、80歳男性が心肺停止
被害の全容がまだ見えていないのが鴨川市だ。
21日夜、市内の複数地点で土砂崩れが発生し、計10棟の住宅に土砂が流れ込んだ。小湊地区では80歳の男性住民が心肺停止状態で搬送され、別の住民についても安否が分からないとの情報がある。西町でも住民が土砂に巻き込まれた可能性があり、22日朝から捜索や土砂の除去作業が続いている。
鴨川市では市内全域に避難指示が出され、加茂川の洪水浸水想定区域については22日午前1時47分に解除されたものの、市全域への避難指示はその後も継続していた。
茂原市本納でも高齢女性の安否が分からないとの情報が出ているが、22日午前時点で県の公式集計への反映を確認できていない。このため、本稿では県内死者数や行方不明者数の確定値には加えていない。
佐倉市 高崎川氾濫、車の屋根近くまで水
佐倉市では21日午後9時すぎ、高崎川が氾濫した。
市は1718世帯2788人を対象にレベル5の緊急安全確保を発令。22日朝の市内では、住宅地に濁った水が広がり、場所によっては水位が車の屋根付近まで達している状況が確認された。
消防などがゴムボートを使用し、冠水地域から住民を安全な場所へ移動させる対応も行われている。
佐倉市では土砂崩れも起きており、県が21日午後4時時点でまとめた被害資料では城内町の住宅1棟が全壊とされている。
県集計は夜間の被害をまだ十分反映せず
被害数字を見る際には、集計時刻に注意が必要だ。
県が21日午後4時にまとめた資料では、住家被害は全壊1棟、半壊2棟、床上浸水6棟、床下浸水12棟だった。全壊は佐倉市、半壊は佐倉市と長南町、床上浸水は松戸市と鎌ケ谷市などで確認されていた。
しかし、この集計は高崎川の氾濫や山武市・鴨川市で土砂災害が相次いだ21日夜より前の数字だ。
つまり、現在公表されている住宅被害数は、22日朝までに判明した被害の全容を示すものではない。県や各自治体による確認が進めば、全壊、半壊、浸水被害の棟数は増える可能性がある。
停電4万7390軒 ピークから減少も広範囲で続く
22日午前10時20分時点で、千葉県内では約4万7390軒が停電している。
市原市が約7470軒、木更津市が約6820軒、君津市が約5300軒などとなっている。台風の影響が強まった時間帯には、県内の停電は5万6000軒を超えていた。
市原市では午前11時4分時点でも約7470軒の停電が続いており、朝から復旧数に大きな変化がみられない地域もある。
ピーク時より県全体の停電件数は減ったものの、数万軒規模の停電が残っている。復旧時期は地域によって異なり、倒木や電線設備への被害状況によって長期化する可能性もある。
8月に死亡事故が起きたアンダーパス 今回は事前通行止め
今回の大雨では、8月豪雨の被害を踏まえた対応も取られた。
千葉市中央区村田町の国道16号アンダーパスでは、8月13日の豪雨で冠水し、車内に取り残された40代男性が死亡した。この事故では排水ポンプと非常用発電設備が正常に作動しなかったことが確認され、その後、予防的な事前通行規制が導入された。
台風25号では、21日午前1時25分、レベル4大雨危険警報の発表に合わせて同アンダーパスを事前に通行止めとした。22日には通行止め解除が発表されている。
1カ月余り前の事故を受けた対策が、今回は実際の事前規制として運用された形だ。
鉄道も運休続く 道路は土砂崩れ、冠水
22日の交通にも大きな影響が残っている。
内房線と久留里線では全線で終日運休となり、一部の特急列車も運休。東金線や鹿島線などでも運転見合わせや再開待ちの区間が出ている。
道路でも土砂崩れや冠水による通行止めが続いている。山武市は21日、市内で崖崩れや浸水、車両水没が発生しているとして外出を控えるよう呼びかけた。
雨がやんだ地域でも、崩れた斜面や冠水した道路が直ちに安全になるわけではない。
8月豪雨から約1カ月 再び大規模被害
千葉県は8月にも記録的な豪雨に見舞われ、県が確認した死者は13人に上った。
今回、県は台風25号による災害で新たに24市町村へ災害救助法を適用。8月豪雨で同法が適用された24市町についても、継続的に救助が必要として今回の災害で引き続き適用するとしている。
復旧途中だった地域が、わずか1カ月余りで再び河川氾濫、土砂崩れ、停電、道路被害に直面した。
ただし、8月豪雨と今回の台風25号は別の災害であり、人的・住宅被害の数字は区別して扱う必要がある。
被害の全容はまだ確定していない
22日午前10時台までに確認できた情報では、千葉県内の死者は少なくとも2人となった。
一方、鴨川市などでは安否確認や捜索が続き、住宅被害も夜間に新たな土砂崩れや浸水が相次いだことで、県の集計が追いついていない状況にある。
県防災ポータルは22日午前8時57分、大雨のピークを越えた後も昼前にかけて土砂災害に厳重な警戒を続け、河川の増水や氾濫にも警戒するよう呼びかけている。
被害の数字は、今後さらに変わる可能性がある。
編集部まとめ
台風25号による千葉県内の被害は、22日午前までに少なくとも2人の死亡が確認され、鴨川市などでは捜索や安否確認が続いている。佐倉市では高崎川が氾濫し、県内約4万7000軒で停電が継続。県の住宅被害集計には21日夜以降の被害が十分反映されておらず、人的・住家被害とも全容の把握にはなお時間を要する。
週刊TAKAPI編集部/成田
特記事項
この記事は、2026年9月22日午前11時ごろまでに確認できた千葉県、各自治体、国の公表資料と複数の公開報道を照合して構成しています。
県内で死亡が確認されている事案として、本稿では袖ケ浦市の51歳男性と山武市の70代女性の2人を記載しています。山武市の女性死亡は22日午前に確認された情報で、県のそれ以前の被害集計には反映されていません。
鴨川市では心肺停止状態で搬送された男性や安否不明者に関する情報があり、捜索が続いています。本稿では死亡が正式に確認されていない人を死者数には含めていません。
県が21日午後4時時点で公表した住家被害は全壊1棟、半壊2棟、床上浸水6棟、床下浸水12棟ですが、その後発生した夜間の被害を反映した最終集計ではありません。
停電件数は22日午前10時20分時点の約4万7390軒を使用しています。今後の復旧に伴い変動します。

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