三重県鳥羽市安楽島町の廃業した旧鳥羽ロイヤルホテルで21日に発生した火災を巡り、この場所では2023年5月だけでなく、2024年12月にも火災被害が起きていたことが分かった。
読売新聞の22日付報道によると、2023年5月にはホテル5階の廃材や壁の一部など約120平方メートルが焼損。2024年12月には、ホテルの外に置かれていたマットレスが燃える被害があった。今回を含めると、同じ場所では3年余りで少なくとも3回の火災・焼損事案が確認されたことになる。
今回の出火原因や過去2件との関連性は分かっていない。現段階で確認すべきなのは「3回がつながっているのか」という推測ではなく、過去の火災後に建物がどのように管理され、どのような再発防止措置が取られていたのかだ。
消防車15台、鎮火まで約12時間
今回の火災は21日午後3時15分ごろ、「建物から黒煙が出ている」などの119番通報が相次いで発覚した。
火災が起きたのは9階建ての旧鳥羽ロイヤルホテル。消防車など15台が出動し、消火活動にあたった。東海テレビによると、通報は10件以上寄せられていた。
鳥羽市消防本部によると、火は21日午後9時55分に鎮圧され、22日午前3時30分に鎮火した。発生から鎮火までは約12時間。けが人の情報は確認されていない。警察と消防が被害状況や出火原因を調べている。
2023年5月 5階の廃材や壁など約120平方メートル焼損
同ホテルでは2023年5月にも火災が発生している。
読売新聞によると、ホテル5階の廃材や壁の一部など約120平方メートルが焼けた。東海テレビも、2023年のゴールデンウィークに同じ建物で壁や廃材などが燃える火災があったと報じている。
今回の火災との関連性が確認されたとの発表はない。
2024年12月 今度はホテル外のマットレス
さらに2024年12月にも、同じホテルの敷地で火災被害が起きていた。
読売新聞によると、ホテルの外に置かれていたマットレスが燃えたという。
これまでの経過を整理すると、
2023年5月
ホテル5階の廃材や壁の一部など約120平方メートルが焼損
2024年12月
ホテル外に置かれていたマットレスが焼損
2026年9月21日
旧ホテルから黒煙。消防車15台が出動し、21日午後9時55分に鎮圧、22日午前3時30分に鎮火
となる。
火災が繰り返されていること自体は確認できる。一方、3事案の原因が同じだったのか、それぞれ独立した火災だったのかは明らかになっていない。
20年以上前に廃業 「誰が、どう管理してきたのか」
読売新聞によると、旧鳥羽ロイヤルホテルは20年以上前に廃業している。現場は鳥羽水族館から約1キロの、ホテルや旅館が集まる地域にある。
ここで検証すべきなのは、建物が現在誰の所有となっているのか、そして実際の管理責任を誰が担っているのかだ。
2023年の火災後、侵入防止や施錠、フェンス、可燃物の撤去などの措置は取られたのか。
2024年12月にマットレスが燃えた後、追加の対策は行われたのか。
鳥羽市が建物の安全管理や第三者の立ち入り防止について、所有者や管理者に指導・要請した事実はあるのか。
現時点で、管理者に法令上の問題や過失があったとする公表事実は確認されていない。だからこそ、推測ではなく、過去2回の火災後に行政と管理側が何を確認し、何を変えたのかを時系列で明らかにする必要がある。
「少なくとも3回」と「3件が関連」は別
今回の記事で最も区別すべきなのは、この2点だ。
同じ場所で少なくとも3回、火災・焼損事案が確認されていることは事実として確認できる。
しかし、3件が同じ原因によるものだったのか、第三者の侵入が関係したのか、今回の火災が過去の事案と関連しているのかは分かっていない。
鳥羽署と消防は今回の出火原因や被害状況を調べているが、放火や第三者侵入などについての公式発表は現時点で確認されていない。
「3回目」という事実から原因まで推測することはできない。
次に確認すべき6つのポイント
今回の火災を単発ニュースで終わらせないため、週刊TAKAPIでは今後、現在の所有者・管理責任者、2023年と2024年の火災後に行われた再発防止措置、鳥羽市による安全管理や侵入防止に関する指導・要請の有無、警察・消防が過去3事案の関連性を調べているか、建物への物理的な立ち入り防止措置の状況、空き家・老朽建築物などに関する行政上の措置対象となっているかを確認する。
焦点は、原因が未判明の段階で責任を決めつけることではない。
過去に2度の火災・焼損が確認された後、この建物の管理状態がどう変わったのか。そして今回までに、どのような安全対策が取られていたのか。
そこを確認することにある。
編集部まとめ
旧鳥羽ロイヤルホテルでは、2023年5月の約120平方メートル焼損、2024年12月のマットレス焼損、2026年9月21日の火災と、少なくとも3回の火災・焼損事案が確認された。
現時点で3件の関連性や今回の出火原因は明らかになっていない。
一方、火災が繰り返されてきた以上、次に問うべきなのは「今回なぜ燃えたのか」だけではない。
過去2回の火災後、この建物の管理と防火・侵入防止対策は何が変わったのか。
そこが今回の検証の核心になる。
週刊TAKAPI 編集部
特記事項
本稿は2026年9月22日時点で確認できる鳥羽市消防本部などの説明と、読売新聞、東海テレビ、三重テレビなどの報道を照合して構成した。2023年5月、2024年12月、2026年9月21日の少なくとも3回の火災・焼損事案が確認されているが、原因や相互の関連性が確認されたものではない。
今回の火災について、放火、第三者侵入、管理上の過失などを示す公式発表は現時点で確認されていない。所有者や管理主体の責任についても、本稿では断定していない。

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