福岡県北九州市の自転車卸売会社で、フォークリフトのパレットに部長ら計10人が乗って倉庫の2階から1階へ降下していたところ、フォークリフトが転倒し、労働者6人が負傷する事故があった。
北九州東労働基準監督署は9月14日、フォークリフトを本来の用途以外に使用した疑いがあるとして、シドーサイクル工業株式会社と同社の部長(50)を労働安全衛生法違反の疑いで福岡地方検察庁小倉支部に書類送検した。
パレットに計10人、2階から1階へ
週刊TAKAPIの調べによると、事故が起きたのは2026年4月24日。
北九州東労働基準監督署の発表では、北九州市小倉南区石原町にあるシドーサイクル工業の倉庫で、2階での作業を終えた後、部長がフォークリフトを使用し、労働者9人とともにパレットに乗って1階へ降下していた。
その途中でフォークリフトが転倒し、労働者6人が負傷した。
同労基署は、部長と労働者を合わせた計10人をパレットに乗せて降下させた行為について、フォークリフトを「主たる用途以外の用途」に使用した疑いがあるとしている。
運転者は昇降できる特殊な仕様だった
今回のフォークリフトには特徴があった。
労基署によると、使用されていたフォークリフトは昇降ボタンがフォーク側に設置されており、運転者自身が荷とともに昇降できる仕様だった。
一方、運転者以外の人を昇降させることはできない仕様だったという。
労働安全衛生規則第151条の14では、車両系荷役運搬機械などについて、荷のつり上げや労働者の昇降など、本来の用途以外に使用することを原則として禁止している。
北九州東労基署は、今回の事故ではフォークリフトを労働者の降下に使用した疑いがあるとしている。
会社と部長をともに書類送検
送検されたのは、自転車卸売業を営むシドーサイクル工業株式会社と、同社の50歳の部長。
適用された疑いがあるのは、労働安全衛生法第20条第1号や労働安全衛生規則第151条の14など。
労働安全衛生法第119条では、該当する違反行為について「6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金」と規定している。
また同法第122条には両罰規定があり、従業者などが法人の業務に関して違反行為をした場合、行為者だけでなく法人に対しても罰金刑を科すことができる。
今回、労基署はこの規定を含め、会社と部長の双方を書類送検した。
なお、書類送検は捜査機関が事件を検察庁へ送る手続きであり、刑事責任の有無が確定したことを意味するものではない。
なぜ10人で降下する運用になったのか
今回の発表で明らかになったのは、倉庫2階での作業終了後、計10人がパレットに乗って降下中に転倒し、6人が負傷したという事実だ。
一方、公表資料だけでは、なぜ労働者9人が部長とともにフォークリフトで降下することになったのかまでは明らかにされていない。
同様の方法による移動が以前から行われていたのか、今回だけだったのかも資料には記載されていない。
また、6人の具体的な負傷程度や事故後の再発防止策、会社側や部長の認否についても今回の発表では明らかにされていない。
事故から約5か月。10人がパレットに乗って移動することになった経緯を含め、今後の捜査や安全管理をめぐる説明が注目される。
担当記者:編集部

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