学校徴収金で未返金468万円、不明金103万円 管理監督者も処分
特別支援学校に勤務する24歳の男性主事は、学校徴収金をめぐる事務処理について停職3か月となった。
東京都教委によると、男性主事は2022年5月上旬頃から2024年3月31日までの間、当時の勤務校で学校徴収金の納入状況の確認を怠るなどした。
その結果として東京都教委が公表した金額は、
未返金 468万6540円
過誤払い 112万3345円
不明金 103万3564円
となっている。
これら3項目はそれぞれ性質が異なる。単純に合計した金額を「被害額」や「損失額」と表現することは適切ではなく、それぞれを分けて見る必要がある。
なぜ約2年間、防ぐことができなかったのか
公表資料で処分理由とされているのは、学校徴収金の納入状況の確認を怠るなどしたことだ。
一方、問題となった期間は2022年5月上旬頃から2024年3月末までと長い。
学校徴収金は、児童・生徒や保護者にも直接関係する金銭である。
担当者による事務処理だけではなく、学校内部ではどのような方法で入出金や返金状況を照合していたのか。未返金や過誤払い、不明金が生じる中、異常を早期に把握するためのチェックは機能していたのか。
今回の処分を見る限り、東京都教委も問題を担当者一人だけのものとはしていない。
当時の経営企画室長ら2人も戒告
東京都教委は、当時の管理監督者2人についても戒告処分とした。
一人は57歳の男性で、当時の職名は経営企画室長。
東京都教委は、学校徴収金に係る事務について男性主事に対する適正な監督・指導を怠り、主事が一連の行為を行う事態を招くなどしたとしている。
もう一人は63歳の女性で、現在の職名は課長代理。当時は同じく経営企画室長だった。
こちらについても、学校徴収金に関する適正な監督・指導を怠ったことが処分理由とされた。
「担当者のミス」だけで終わらせられるのか
管理監督者2人まで懲戒処分の対象になったことは、この問題を考える上で重要だ。
東京都教委自身が処分理由として「適正な監督及び指導を怠り」と明記している。
では、当時どのようなチェック体制が敷かれていたのか。
学校徴収金の残高や返金状況を定期的に確認する仕組みはあったのか。あったとすれば、なぜ未返金や過誤払い、不明金を早期に把握できなかったのか。
また、問題発覚後、同様の事案を防止するため確認方法や管理体制をどのように変更したのか。
個人に対する懲戒処分だけではなく、組織としての再発防止策まで検証する必要がある。
酒気帯び状態で自転車を運転 27歳教諭を停職1か月
今回公表されたもう一件は、多摩地域の小学校に勤務する27歳の男性教諭。
東京都教委によると、男性教諭は2025年4月11日、酒気を帯びた状態で自転車を運転し、路上を走行した。
東京都教委は停職1か月とした。
8件を一括りにはできない それでも残る「なぜ防げなかったのか」
今回発令された8件の内訳は、懲戒免職1件、停職5件、戒告2件となる。
ただし、2001年頃に始まったとされる行為から2025年に発生した事案まで、発生時期も内容も大きく異なる。8件すべてを一つの原因による問題として扱うことはできない。
東京都教委は、教職員の職責への理解や倫理観、規範意識を高め、服務の厳正に努めることを目的とした「教職員の服務に関するガイドライン」を策定し、2026年4月にも改訂している。
同ガイドラインでは、これまで服務事故防止研修や通知、教材などを通じて服務規律の徹底を図ってきた一方、「服務事故の根絶には至らず」との認識も示している。
今回の8件の中でも、とりわけ定期考査に関する情報漏えいが計6回に及んだ事案や、学校徴収金をめぐって管理監督者まで処分された事案は、「処分した」という結果だけではなく、なぜ途中で防げなかったのかという検証が必要になる。
また、20年以上前の行為について2026年に懲戒免職となった事案についても、被害者のプライバシーを厳格に守ることを前提に、東京都教委が事案を把握した時期や処分に至った経緯は確認すべき事項として残る。
服務事故を防ぐ制度が、実際の学校現場でどのように機能しているのか。
週刊TAKAPIでは、東京都教委への確認を含め、今回の処分後に講じられた再発防止策や学校現場のチェック体制について引き続き取材する。
このニュースのポイント
※この記事は東京都教育委員会が2026年9月2日に公表した資料などをもとに構成しています。被害者の特定につながる情報については掲載していません。
担当記者:鈴木
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