静岡県牧之原市の榛原中学校で、水泳授業の委託先に所属するインストラクターが児童に対する不同意わいせつ容疑で逮捕された問題で、市教育委員会が契約締結前に性的被害を疑う情報を把握していたことが分かった。
市が10月7日に公表した保護者説明会の内容によると、市は委託先のスイミングスクールに聞き取りを行い、該当する事実はないとの説明を受けて契約を締結。その後、問題となるインストラクターを特定できないまま、身体的な接触を伴わない指導を原則として水泳授業を実施していた。
市は10月6日に保護者説明会を開催し、一連の経緯を説明した。
業者決定後に「性的被害疑う情報」 委託先への聞き取りで契約
牧之原市によると、榛原中学校の水泳指導等業務について、入札・業者決定後、市は学校を通じて性的被害が疑われる事案1件に関する情報を得ていた。
市は委託先となるスイミングスクール「エースワン」に聞き取り調査を実施した。
その結果、同社から当該事実はない旨を確認したとして、契約を締結し、水泳指導等業務を実施したという。
ただし、市が把握した情報の具体的な内容や、委託先への聞き取り以外にどのような確認を行ったのかについては、今回の公表文だけでは明らかになっていない。
指導員を特定できず 身体接触を伴わない授業を実施
市は生徒の安全・安心を確保するため、性的被害が疑われる事案に関係するインストラクターを特定し、水泳授業の指導から外すことを考えていた。
しかし、市とエースワンのいずれも該当する個人を特定できなかったという。
このため、市は口頭による指導を原則とし、身体的な接触を伴わない形で水泳授業を実施したと説明している。
市が指導員を特定できなかった理由や、身体接触を伴わない指導によって安全を確保できると判断した具体的な根拠については、引き続き確認が必要となる。
全45回の水泳授業で不適切行為の報告なし
市によると、エースワンが実施した全45回の水泳授業では、生徒から身体的な接触等に関する指摘や相談は寄せられていなかった。
また、授業に関わった教員からも、教育上不適切な行為等について報告はなかったとしている。
一方、相談や報告が確認されていないことと、事前の安全確認や委託先への監督が十分だったかどうかは、別の問題となる。
なお、45回という数字はエースワンが実施した水泳授業全体の回数であり、逮捕されたインストラクター個人の担当回数を示すものではない。
10月6日に保護者説明会 市教委と学校が経緯説明
市は今回の事件を受け、10月6日午後7時から午後8時30分まで、榛原中学校体育館で保護者説明会を開催した。
説明会では、市教育委員会と学校が事件の状況や市の対応について説明し、保護者との質疑応答を行った。
市は翌7日、説明会の内容を公式サイトで公開した。
今回逮捕されたのは、委託先のスイミングスクールに所属するアルバイト従業員のインストラクターで、児童に対する不同意わいせつの疑いが持たれている。
市は、逮捕容疑となった事件について、榛原中学校の水泳授業中に発生したものではないと説明している。
契約前の安全確認は十分だったのか
今回の市の説明では、契約締結前に性的被害が疑われる情報を把握していたことに加え、該当するインストラクターを特定できない状況で授業を実施していたことが明らかになった。
今後の検証では、市が情報を把握した時点でどのような調査を行ったのか、委託先からの回答をどのように評価したのか、指導員を特定できないまま授業を実施すると判断した経緯が焦点となる。
また、契約前に把握した性的被害を疑う情報と、今回の逮捕容疑との関係についても、現時点の公表文だけでは断定できない。
学校教育の一部を民間事業者に委託する際、児童生徒の安全をどのように確認し、確保するのか。
今回の問題は、外部委託における教育委員会の安全管理体制を検証する契機となっている。
資料出典: 牧之原市「榛原中学校の水泳指導等業務に関する保護者説明会」(2026年10月7日公開)
記事更新日:2026年10月8日
担当記者:週刊TAKAPI編集部

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