2014年の仁川アジア大会で銀メダルを獲得した柔道の元日本代表選手が、他人名義のキャッシュカードを使って現金を引き出したとして逮捕された。窃盗の疑いで逮捕されたのは、住所不定・無職の髙上智史(たかじょう・ともふみ)容疑者(34)。髙上容疑者は、かつて柔道男子66キロ級の日本代表として国際大会で活躍した選手。警察は、特殊詐欺グループの一員として現金を引き出す「出し子」の役割を担っていた可能性があるとみて捜査している。
熊本市のコンビニATMで30万円を引き出した疑い
熊本放送の報道によると、髙上容疑者は2026年9月28日、熊本市東区のコンビニエンスストアに設置されたATMで、他人名義のキャッシュカードを使い、現金30万円を引き出して盗んだ疑いが持たれている。
被害に遭ったのは熊本県内に住む80代の女性。
女性は現金が引き出される直前、警察官を名乗る男にキャッシュカード2枚をだまし取られていたという。
警察は防犯カメラの映像などをもとに捜査を進め、髙上容疑者が現金を引き出す役割を担っていたとみている。
警察は捜査への支障を理由に、容疑者の認否を明らかにしていない。
髙上智史容疑者とは?2014年アジア大会で銀メダル
髙上容疑者は1991年12月7日生まれ、福岡県出身。
日本体育大学を経て旭化成に所属し、柔道男子66キロ級の日本代表として国際大会で活躍した。
2014年の韓国・仁川アジア大会では決勝に進出し、銀メダルを獲得している。
国際大会で数々の優勝経験
主な競技成績は次の通り。
| 年 | 大会 | 成績 |
|---|---|---|
| 2013年 | ユニバーシアード | 金メダル |
| 2013年 | グランドスラム東京 | 優勝 |
| 2014年 | アジア競技大会 | 銀メダル |
| 2015年 | グランドスラム東京 | 優勝 |
| 2015年 | グランドスラム・チュメニ | 優勝 |
| 2016年 | 講道館杯 | 3位 |
2014年のアジア大会では、決勝でモンゴル代表のダバドルジ選手に敗れたものの、銀メダルを獲得。団体戦でも日本代表の銅メダル獲得に貢献した。
当時の所属先である旭化成の公式記録にも、その活躍が残されている。
特殊詐欺グループの「出し子」とは?
今回、警察が髙上容疑者に疑いを持っているのが、特殊詐欺グループの「出し子」と呼ばれる役割だ。
出し子とは、詐欺などによって入手されたキャッシュカードを使い、ATMから現金を引き出す人物を指す。
特殊詐欺では、電話をかける人物、被害者からカードなどを受け取る人物、現金を引き出す人物など、役割を分担するケースがある。
今回の事件でも、被害女性からキャッシュカードをだまし取ったとされる男と、現金を引き出した疑いが持たれている髙上容疑者との関係が捜査上の焦点となる。
ただし、現時点で髙上容疑者が詐欺の計画全体をどの程度把握していたのか、ほかの関係者とどのようにつながっていたのかは明らかになっていない。
なぜ元日本代表選手が事件に?経緯は明らかにならず
今回の逮捕で注目されるのは、国際大会で実績を残した元トップアスリートが、特殊詐欺に関連する事件の容疑者となった点だ。
髙上容疑者は現役時代、国内外の大会で優勝を重ね、柔道界で実績を積み上げてきた。
一方、競技生活を終えた後の詳しい生活状況や、今回の事件に至った経緯については、報道時点で明らかになっていない。
競技引退後の経済状況や生活環境と今回の事件を結びつける根拠も、現段階では確認されていない。
今後の捜査は?カード入手経路や詐欺グループとの関係が焦点
警察は今後、キャッシュカードが容疑者の手に渡った経緯や、ほかの関係者との連絡状況などについて捜査を進めるとみられる。
今回の逮捕容疑は、ATMから現金30万円を引き出したとされる窃盗事件に関するものだ。
髙上容疑者が被害女性に電話をかけた人物や、キャッシュカードをだまし取った人物と直接関係していたかどうかは、現時点では確認されていない。
逮捕は有罪を意味するものではなく、容疑者の刑事責任については今後の捜査や司法手続きによって判断される。
かつて日本代表としてアジア大会の表彰台に立った選手の逮捕。事件の全容と関与の実態が、今後どこまで解明されるか注目される。
週刊TAKAPI 編集部/黒木
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