【仙台】市長のパリ出張2回で1403万円 市長はビジネスクラス、福岡の高額海外視察問題とも共通点

2025年10月、フランス・パリで開催されたOECD円卓会議に出席する郡和子仙台市長。海外出張2回の公費支出を検証

仙台市は10月23日、郡和子市長が2025年に行ったフランス・パリへの海外出張2回について、経費の内訳をホームページで公表した。

4月の出張は673万8640円、10月は729万6722円。合計1403万5362円に上る。

市長は2回とも往復ビジネスクラスを利用し、同行職員はエコノミークラスだった。市長本人の航空券代は計222万7000円。出張全体の費用には職員の旅費や通訳、現地での事業経費も含まれている。

自治体の海外出張をめぐっては、福岡県でも高額な経費が問題となり、県議会が航空機の原則エコノミークラス利用などを盛り込んだ改善策をまとめている。

仙台市の経費公表を機に、海外での公務に必要な支出と、その妥当性が改めて問われている。

4月は673万円、10月は729万円 市長の航空券は計222万円

2025年4月12日から16日までの出張には、郡市長と職員5人の計6人が参加。経済協力開発機構(OECD)の国際会議への出席や、欧州からの観光誘客に向けた活動を行った。

市長の往復ビジネスクラス航空券は104万5000円。職員5人のエコノミークラス航空券は合計161万5000円だった。

このほか宿泊費74万4000円、車両借り上げ費80万円、通訳費105万円などが計上された。

同年10月25日から29日の出張には、市長と職員4人が参加。市長の航空券は118万2000円、職員4人の航空券は計93万8000円だった。

宿泊費は44万2800円、車両借り上げ費106万7640円、通訳費151万5360円となっている。

いずれも市長と職員を合わせた経費であり、総額1403万円を市長個人の旅費として扱うのは正確ではない。

宿泊費は規定額超えも 市は安全面を理由に特例適用

仙台市の海外出張では、宿泊費についても議会で疑問が示されていた。

市の旅費規定では海外出張の宿泊費に基準額が設けられているが、実際には1泊6万円を超える宿泊があったという。

仙台市は、安全面などを考慮すると基準額以内での宿泊先確保が難しく、特例を適用したと説明している。

一方、4月分の宿泊費と車両代は、市議が先に示した内訳と23日の公表内容を伝える報道で金額に違いがある。

宿泊費は3万3000円、車両代は1万6500円の差があるものの、出張経費全体の総額は一致している。

費目の集計範囲などが異なる可能性はあるが、現時点でその理由は確認できていない。数字の違いを直ちに不適切な会計処理と結び付けることはできない。

福岡県でも高額海外視察が問題に 原則エコノミーへ見直し提言

海外出張の経費をめぐる問題は、仙台市だけではない。

福岡県では今年、知事や県議会関係者による高額な海外活動費が相次いで明らかになった。

県が7月に公表した知事・副知事を団長とする海外活動23件の経費は、約3億3700万円。2025年11月のパリ訪問では、知事や職員、県議会関係者ら計22人で約5030万円を支出していた。

福岡県議会でも高額な宿泊費やビジネスクラス利用が議論となり、10月16日には議会改革プロジェクトチームが改善策を最終答申した。

答申では、海外視察の参加人数を必要最小限とし、航空機は原則エコノミークラス、宿泊施設は一般職員と同等の水準とすることを提言。参加議員全員に報告書を作成させ、原則2カ月以内に公表することも盛り込んだ。

ただし、福岡県議会議員の海外視察と、仙台市長が国際会議へ出席する公務出張では、役職も適用される旅費制度も異なる。

福岡の改善策を、そのまま仙台市長に適用すべき基準とみなすことはできない。

共通するのは、海外活動の必要性に加え、航空券や宿泊費、随行人数、成果報告を市民や県民が検証できるかという問題だ。

郡市長は支出の適切性を主張 海外出張11回で6672万円

郡市長は10月14日の定例記者会見で、海外出張について国際交流や観光誘客、投資の呼び込みなどの意義を説明した。

国際会議の誘致、海外との航空路線の就航、外国人宿泊者数の増加などを成果として挙げている。

また、市長個人の旅費と同行職員を含めた総額が混同されるなど、誤った情報が広がっていることにも懸念を示した。

仙台市議会では、郡市長が2023年度から2025年度までの3年間に11回、7カ国へ出張し、総額6672万8690円を支出したことが明らかになっている。

ただし、こうした海外活動と観光客の増加、企業投資などの成果が、どの程度直接結び付いているかについては、別途検証する必要がある。

市が主張する成果を否定する根拠はない一方、出張を行った事実だけで費用対効果が証明されるわけでもない。

公費支出は適正だったのか 問われる経費と成果の説明

今回、仙台市が経費内訳を公開したことで、市長と同行職員の航空券代、宿泊費、車両費、通訳費などの支出状況が具体的になった。

一方、費用の内訳を公表することと、それぞれの支出が妥当だったと説明することは別だ。

航空券をどのような条件で手配したのか。宿泊費の特例適用はどのように判断されたのか。通訳や車両の契約内容は適切だったのか。

福岡県では、海外活動をめぐる批判を受け、経費の公開に加えて実施基準の見直しや第三者による検証へと対応が進んでいる。

仙台市においても、今回の経費公表を出発点として、支出の合理性と海外活動の成果を継続して検証できる仕組みが重要になる。

編集部まとめ

郡市長の2025年のパリ出張2回で支出された経費は、計1403万5362円だった。市長はビジネスクラスを利用したが、同行職員はエコノミークラスで、総額には複数人の旅費や事業費が含まれている。

福岡県でも海外視察の高額経費が問題となり、旅費や宿泊基準の見直しが進められている。

仙台市が公表した費用についても、金額だけでなく、契約の根拠と具体的な成果を確認できる情報公開が求められる。

特記事項

本記事は2026年10月23日の仙台市の海外出張経費公表に関する確認済みの報道、仙台市長定例会見の公式記録、福岡県の海外活動に関する公式発表および福岡県議会の改革答申に関する公開情報に基づき構成した。

週刊TAKAPI 編集部/一条・成田

公式資料・検証根拠

本記事は、仙台市が2026年10月23日に公表したと報じられた海外出張経費の内訳を基に、仙台市の公式発表資料、郡和子市長の記者会見記録および出張実績を照合して構成した。

対象は2025年4月と10月のフランス・パリ出張。経費は4月673万8,640円、10月729万6,722円の合計1,403万5,362円で、市長本人に加え、同行職員の旅費や関連事業費などを含む。

仙台市公式資料

資料① 海外出張経費の情報公開に関する市長会見

資料② 2025年4月のフランス訪問に関する発表資料

資料③ 2025年10月のフランス訪問に関する発表

資料④ 2025年10月の市長行動記録

※資料番号①~④は週刊TAKAPIが整理のために付与したもの。ページIDは仙台市公式サイトに記載された識別番号である。

Q仙台市長のパリ出張2回の総額はいくらですか?
A2025年4月は673万8640円、10月は729万6722円で、合計1403万5362円です。
Q市長だけがビジネスクラスだったのですか?
A2025年のパリ出張2回では、市長は往復ビジネスクラス、同行職員は往復エコノミークラスを利用していました。
Q1403万円は市長個人の旅費ですか?
Aいいえ。同行職員の航空券代、宿泊費、通訳費、車両費、現地での事業経費なども含む総額です。
Q福岡県の海外視察問題と何が似ていますか?
A高額な海外活動費、航空券や宿泊費の水準、公費支出の透明性、成果の検証という点で共通しています。ただし、関係者の役職や旅費制度は異なります。
Q仙台市の海外出張費に違法な支出はあったのですか?
A現時点で確認できた資料から、違法な支出があったとは判断できません。個別の支出根拠や旅費規定の適用状況を確認する必要があります。

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