大阪府教育委員会は10月30日、府内の公立学校に勤務する教職員5人を懲戒処分にしたと発表した。吹田市立小学校の36歳教諭が大麻の購入・使用などで免職となったほか、府立高校の教諭による女子生徒への性的なメッセージ、通勤手当の不正受給、教頭による勤務時間の不正変更などが判明した。
処分の内訳は免職1人、停職2人、減給1人、戒告1人。府教委は別途、管理監督責任がある校長ら4人に訓告や厳重注意を行った。教員による違法行為から管理職の服務違反まで、学校現場の信頼を揺るがす事案が相次いで明らかになった。
小学校教諭が大麻を約60回使用 麻薬取締法違反で在宅起訴
免職となったのは、吹田市立千里第二小学校の二階堂純一教諭(36)。府教委の発表によると、2023年ごろから2025年ごろまでの間、大麻を繰り返し購入・使用し、自宅で所持していた。
公表資料では購入や使用の具体的な回数は示されていないが、関連報道によると、教諭はメッセージアプリ「テレグラム」を通じて6回にわたり大麻を購入し、自宅で約60回使用したという。
今年8月に警察の捜査を受け、市教委が本人に事情を聴いたところ、行為を認めたとされる。教諭は違法性を認識しながら、発覚しなければ問題ないと考えていたという趣旨の説明をしている。
また、10月21日には麻薬取締法違反の罪で在宅起訴されたと報じられている。今回の懲戒免職は府教委による行政上の処分であり、刑事手続きとは区別される。
女子生徒5人に性的メッセージ 体育祭では無断撮影も
府立高校の37歳教諭は、2025年4月以降、勤務校の複数の女子生徒らとSNSなどで私的なやり取りを続け、性的な内容を含むメッセージを繰り返し送信していた。府教委は停職1か月とし、元校長(57)を厳重注意、現校長(64)を訓告とした。
関連報道では、私的なやり取りの相手は女子生徒5人で、教諭が体育祭の様子を私物のビデオカメラで無断撮影し、編集した動画を生徒に送っていたことも明らかになっている。
教諭と生徒の間には、指導する立場と指導を受ける立場という明確な違いがある。私的な連絡が継続し、性的な言動にまで及んでいたにもかかわらず、学校側がどの時点で問題を把握したのか。元校長と現校長の双方が管理監督責任を問われた経緯も、検証すべき点となる。
通勤手当約14万円を不正受給 定期券提出後に解約
泉南郡の町立小学校に勤務する44歳教諭は、公共交通機関を利用する通勤認定を受けながら、2025年4月から2026年2月までの11か月間、届け出た経路を使わず、徒歩などで通勤していた。
府教委によると、学校に定期券の写しを提出した後、その定期券を解約するなどして通勤手当を不正に受給していた。関連報道では、不正受給額は約14万円とされている。府教委は教諭を停職1か月とした。
通勤方法が変更されたにもかかわらず、手当の受給が続いていたことになる。学校側が申告内容と実際の通勤状況をどのように確認していたのかが問われる。
教頭が勤務時間を67回変更 計6日分の欠勤に相当
府立高校の42歳教頭は、2025年8月から2026年5月までの間、校長の許可を得ず、自身の勤務時間をシステム上で67回にわたり変更していた。
本来の終業時刻より早く退勤し、欠勤を繰り返していたという。関連報道では、欠勤した時間は合計で約6日分に相当するとされる。府教委は教頭を減給3か月とし、校長(49)を管理監督責任による訓告とした。
勤務時間の管理に関わる立場の教頭が、自らの勤務記録を繰り返し変更していた点は重大である。67回という回数からも、一度きりの手続き上の誤りでは説明できない。管理職の勤務実態を誰が確認し、不適切な変更をどう防ぐのかという問題が残る。
体育祭の表彰状3枚を破棄 部活動でも威圧的な指導
府立高校の42歳教諭は、体育祭に関する指導の際、担任クラスが獲得した表彰状を破棄するよう体育委員の生徒に指示した。生徒が実行できずにいると、教諭自身が表彰状3枚を破棄した。
さらに、顧問を務める部活動でも、外部指導員への発言をめぐって部員に威圧的な言動を取っていた。府教委は教諭を戒告とし、校長(56)を訓告とした。
生徒が努力して獲得した表彰状を、指導のために破棄させようとした行為は、教育上の指導と威圧的な行為の境界を問うものだ。表彰状を自ら破棄した事実と合わせ、生徒の尊厳に配慮した指導が行われていたのかを検証する必要がある。
編集部まとめ
今回の5件は、違法薬物の使用、生徒への性的な言動、手当の不正受給、勤務記録の不正変更、不適切な生徒指導と、それぞれ異なる問題を含んでいる。
大麻を約60回使用したとされる小学校教諭の事案は、違法行為が複数年にわたっていた点が重い。一方、教頭による勤務時間の変更は67回に及び、通勤手当の不正受給も11か月間続いていた。いずれも、行為の継続を許した管理上の問題を検証する余地がある。
府教委は5人を懲戒処分とし、校長ら4人に管理監督責任を問う措置を取った。今後、同様の不正や不適切な行為を防ぐには、処分だけでなく、学校側の確認体制や生徒からの相談を受け止める仕組みが機能していたかを点検する必要がある。
特記事項
本記事は、2026年10月30日午後2時に公表された大阪府教育委員会の「教職員の処分について」を基に作成した。大麻の購入・使用回数、在宅起訴、通勤手当の不正受給額、欠勤の合計日数、体育祭の無断撮影など、府教委の公開資料に記載されていない詳細については、複数の報道を照合して補足した。
懲戒処分の対象者は5人であり、管理監督責任による訓告・厳重注意を受けた4人は含まれない。また、大麻事案における在宅起訴は有罪判決の確定を意味するものではない。
週刊TAKAPI編集部/一条
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